アベリア|花の季節や剪定のコツ、種類を紹介
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アベリアの花の季節や特徴、剪定の時期やコツ、種類を紹介します。アベリアは、身近な場所で見かける育てやすい低木。お庭に一株迎えてみませんか。
目次
アベリアの花の季節や特徴

アベリアの特徴
- 学名:Abelia × grandiflora
- 科名、属名:スイカズラ科 、アベリア(ツクバネウツギ)属
- 分類:常緑、落葉低木
アベリアは、枝いっぱいに小さな葉と小さな花を付ける常緑、または落葉の低木です。和名はハナツクバネウツギ。中国原産のシナツクバネウツギ( Abelia chinensis )と同属のユニフローラ( Abelia uniflora )の雑種であるとされています。最近では多くの園芸品種が作出されています。
アベリアの樹高は1m~1.5m程度で、枝を湾曲させるように伸ばし、こんもりと繁るブッシュ状の樹形を成します。アベリアは病害虫の被害も少なく強健なため、道路脇、歩道、公園、生垣、お庭など幅広く利用されます。花色は白色の他にピンク色があります。葉の色も豊富で、光沢のあるグリーンや、白斑や黄斑が入るもの、赤く紅葉するものなど、多様です。
アベリアの花の季節

アベリアの花は、四季咲きです。四季咲きとは、春から咲き始め秋まで、真夏と真冬以外はほとんど花が咲いているような咲き方のことを指します。実際に関東圏では、桜が散った頃から咲き始め、コートを羽織るくらい寒くなるまで咲いています。地域や品種によっては落葉することもありますが、一年を通して葉を絶やさず、花も四季咲きであることから、使い勝手の良い庭木として人気があります。
アベリアの香り

アベリアの香りをご存知ですか?実はとっても控えめな芳香があります。アベリアは枝の先にいくつかの花を固めるように咲かせます。一つ一つの花の香りは弱いのですが、花の塊に顔を近づけて確認すると、ほんのりと優しい香りがします。
香りが弱い上に低い位置で花を咲かせているため、日ごろは気づきにくいようですが、この機会にアベリアの香りを確認してみてください。開花期間が長いので、香りを楽しむチャンスはたくさんあります。
花だけじゃない! アベリアの萼片の魅力!

アベリアの魅力は花だけではありません。萼片も魅力的なフォルムをしています。アベリアには種ができないようで、花が終わった後には萼片が残ります。

花が咲いていた時と同じように枝の先に残る萼片の塊は、それもまた違う花のようで、とてもかわいらしく見えます。
アベリアの剪定のコツと挿し木の方法

アベリアの剪定のコツ
アベリアは、放っておいても樹高1~1.5m程までしか大きくなりません。また、自然樹形でこんもりとしたブッシュ状に整うのも魅力。従って、それほど高さを抑える剪定に神経質になる必要はありません。反面、よく分枝して密度高く繁る他、生育期には伸びすぎた枝が暴れるので、樹形を整える剪定を意識するのがコツです。
剪定適期は、厳寒期の1月~2月を避けた12月~3月です。それ以外の季節でも剪定は可能ですが、春から秋は花を楽しんで、花数が減る冬の間に剪定を行うと花数を減らすことなく楽しめます。冬の間に伸びすぎた枝をカットし、樹形を整えましょう。内側の混み合った枝や、日が当たらずに葉が付かなくなっているような枝を間引き、風通しが良くなるように整理します。アベリアは強めの剪定にも耐えられる庭木なので、多少強めに刈り込んでも問題ありません。
3月を過ぎてからの剪定は、花芽を切り落としてしまう心配があるので、混みあった枝を整理する程度にしておきましょう。
春から初夏の生育期の剪定は、勢いのあるシュートを地際から切るだけにします。シュートとは株元から出てくる若い枝のこと。突然飛び出しているような長く勢いのある枝を見つけたら、それがシュートです。暴れる前に剪定してください。
アベリアの挿し木の方法
アベリアは挿し木で増やせます。剪定した枝で挿し木をしてみませんか。
1. 真夏と真冬を避けた暖かい時期にアベリアの枝を7~10cm程度カットし、枝の先4~5枚を残して下の方の葉は取り除く
2. 1~2時間水に浸けててしっかりと吸水させる
3. 赤玉土小粒など栄養のない土に挿し、水をたっぷりと与える
4. 新芽が出てくるまで風通しの良い半日陰に置き、水を切らさないように管理する
葉を4~5枚しか残さないのは、葉からの余計な水分の蒸発を防ぐ為です。葉をすべて取り除いてしまうと光合成ができなくなってしまうので、さじ加減が大切です。
新芽が出てきたら、発根した証。もう十分安定したな、と思えるくらい葉が出てきたら、好きな鉢やお庭に植え替えましょう。
▼アベリアの育て方を紹介しています。
こんなにある! アベリアの種類

アベリアにはたくさんの種類があります。
アベリア
- 学名:Abelia × grandiflora
アベリアと言えば、基本はこの種を指します。中国原産のシナツクバネウツギと同属のユニフローラの雑種です。葉は小さく1cm程度、光沢のあるグリーンをしていて、花色は白色です。花にはほんのりと芳香があります。
アベリア・エドワードゴーチャー
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Edward Goucher
アベリア‘エドワード・ゴウチャー’は、アベリアから作出された園芸品種で、ピンク色の花を咲かせます。花色は濃いピンク色、葉はアベリアと同じく光沢のあるグリーンをしています。花付き良く強健で、育てやすい品種です。
アベリア・フランシスメイソン
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Francis Mason
アベリア‘フランシス・メイソン’は、アベリアの園芸品種です。光沢のある葉に黄色の斑が入ります。花色は白です。地域にもよりますが、冬でも葉を残すので、寂しくなった庭を明るい雰囲気にしてくれます。
アベリア・コンフェッティ
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Confetti
アベリア‘コンフェッティ’は、アベリアの園芸品種です。葉に黄斑が入ります。秋になると紅葉し、黄色の部分が赤く染まるのも魅力です。耐寒性は弱いようで、関東でも厳寒期は落葉しますが、翌春にはまたきれいな新芽が出てきます。
アベリア・ホープレイズ
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Hopleys
アベリア‘ホープレイズ’はアベリアの園芸品種です。光沢のある葉に明るいクリーム色の斑が入ります。花色は白です。濃いグリーンの植栽の中に混ぜると、木漏れ日が当たっているような明るい雰囲気を演出してくれます。
アベリア・カレイドスコープ
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Kaleidoscope
アベリア‘カレイドスコープ’は、アベリアの園芸品種です。カレイドスコープは日本語で万華鏡の意味。その名前の通り、一年を通して葉の色を変える特徴があります。葉は明るいグリーンに黄の斑入りです。秋にかけてオレンジ色へと変化していき、寒くなると赤く色付きます。
アベリア・シューマニィー
- 学名:Abelia Shumannii
アベリア・シューマニィーはアベリアと同じ、アベリア(ツクバネウツギ)属の別種です。ピンク色の花を咲かせることから、モモイロアベリアという名前で流通しています。
アベリアはとても強健で育てやすい植物。排気ガスや病害虫にも強いといわれているだけあって、公道の脇などに植えてある株も緑が生き生きとしています。常緑で目隠しにもなるアベリアを、お庭に迎えてみませんか。
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