スプリングエフェメラルとは?可憐な春の妖精たちを花言葉を添えて
山田智美
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スプリングエフェメラルの一覧を花言葉を添えて紹介します。さらにスプリングエフェメラルの意味や理由、スミレについても。春の妖精とも言われる草花たちを探してみませんか。
目次
スプリングエフェメラルとは?意味や理由
スプリングエフェメラル(spring ephemeral)とは、英語で「春の儚いもの」という意味。「春の妖精」とも言われます。春の訪れを知らせてくれる、短命な草花に付けられた称号です。はっきりとした園芸分類上の定義というものはありません。
これらの草花は、早春に花を咲かせ、初夏から晩夏にかけて休眠に入ります。枯れている間も、土の中では根や球根が辛抱強く春の到来を待ち続け、春の訪れとともに一斉に可憐な花を咲かせます。スプリングエフェメラルと呼ばれる理由は、この生育サイクルの短さに由来します。
冬も緑の葉を茂らせている常緑の草花は、スプリングエフェメラルとは言いません。ショウジョウバカマやバイカオウレンなどは常緑多年草なので、厳密にはスプリングエフェメラルではありません。
枯葉だらけの色のない景色のなかに忽然と現れ、色とりどりの花を咲かせるスプリングエフェメラルは、春が来た知らせと喜びや幸せを運んできてくれるような存在です。
スミレはスプリングエフェメラル?
スミレは、厳密にはスプリングエフェメラルではありません。
スプリングエフェメラルとは、春に開花して夏には姿を消してしまう儚い草花のこと。実はスミレは、開花期が終った夏以降も葉茎を残し、花を咲かせずに閉鎖花で種を作り続けています。秋になっても枯れてしまうことはないので、スプリングエフェメラルとは言えません。
スプリングエフェメラルではありませんが、春の訪れを教えてくれる可憐な草花であることに変わりはありません。スミレは儚げな印象と力強い生命力の両方を持ち合わせた、可憐な春の花です。
スミレの花言葉
スミレの花言葉は「謙虚」「誠実」
紫のスミレの花言葉は「貞節」「愛」
白いスミレの花言葉は「あどけない恋」「無邪気な恋」
黄色いスミレの花言葉は「田園の幸福」「つつましい喜び」
ピンクのスミレの花言葉は「愛」「希望」
スプリングエフェメラル一覧と花言葉
スプリングエフェメラルと呼ばれる代表的な草花たちを、花言葉を添えて紹介します。
イチリンソウ
イチリンソウの花言葉は「追憶」「久遠の美」
花期:3月~4月
イチリンソウは、山野に自生するキンポウゲ科の多年草。葉と葉の間から1輪の花を咲かせることが名前の由来です。楚々とした白い花が可憐です。よく似た花にニリンソウがあります。
エゾエンゴサク
エゾエンゴサクの花言葉は「妖精たちの秘密の舞踏会」
花期:4月~5月
エゾエンゴサクは、ケマンソウ科の多年草。透き通るような青の花色と筒状のフォルムが魅力的な草花です。春に開花し、夏には地上部が枯れて休眠に入ります。
エンレイソウ
エンレイソウの花言葉は「奥ゆかしい美しさ」「叡智」
花期:4月~5月
エンレイソウは、ユリ科の多年草。山野の明るい半日陰や湿地に自生します。3枚の大きな葉の上に、花びらが3枚のえんじ色の花を咲かせる姿が印象的です。関東では3月頃から咲いている姿を見かけます。近縁種に白花を咲かせるミヤマエンレイソウなどがあります。
カタクリ
カタクリの花言葉は「初恋」「嫉妬」
花期:3月~4月
カタクリは、ユリ科の多年草。早春に落ち葉の間から顔を出すように、可憐な花を咲かせます。春に花を咲かせて、夏には姿を消してしまいます。他に白花を咲かせるシロバナカタクリがあります。
キクザキイチゲ
キクザキイチゲの花言葉は「静かな瞳」「追憶」
花期:3月~4月
キクザキイチゲは、山野に自生するキンポウゲ科の多年草。花の形状が菊に似ているというのが名前の由来だとされています。草丈低く、枯葉の間から一斉に可憐な花を咲かせます。
クロッカス
クロッカスの花言葉は「青春の喜び」「切望」
花期:2月~4月
クロッカスは、まだ寒い早春から花を咲かせる球根植物です。花色は、紫や黄色、白などがあり、お庭を明るくしてくれます。群生している姿はとても見事です。
スノードロップ
スノードロップの花言葉は「希望」「慰め」
開花期:2月~3月
スノードロップは、ヒガンバナ科の球根植物。花が少ない早春に花をつけることから、人々に春の始まりを告げる存在として親しまれてきました。俯くように咲く白い花が魅力です。
セツブンソウ
セツブンソウの花言葉は「微笑み」「光輝」
花期:2月~3月
セツブンソウは、キンポウゲ科の多年草。節分の頃に咲くからというのが名前の由来です。黄色と紫のしべのコントラストが目を引く草花です。
ニリンソウ
ニリンソウの花言葉は「友情」「協力」
花期:3月~4月
ニリンソウは、山野に自生するキンポウゲ科の多年草。葉と葉の間から2輪の花を咲かせることが名前の由来ですが、2輪以上の花を咲かせることもあります。森の中で群生する姿を見かけると、小さく声を上げてしまうくらい可憐でかわいらしい花です。
バイモユリ
バイモユリの花言葉は「謙虚な心」「凛とした姿」「威厳」
花期:3月~4月
バイモユリは、ユリ科の球根植物。淡いグリーンの花は決して目立つものではありませんが、ひっそりとうつむくように咲く姿が美しい草花です。夏には姿を消してしまいますが、翌春にまた姿を現します。
ヒメウズ
ヒメウズの花言葉は「不変」「ずっと待っています」
花期:3月~4月
ヒメウズは、キンポウゲ科の多年草。花径5mm程度の小さな白い花をうつむくように咲かせます。冬に葉を出し始め、早春に開花して、夏には枯れていく草花です。
フクジュソウ(福寿草)
フクジュソウの花言葉は「幸せを招く」「永久の幸福」
花期:2月~5月
フクジュソウは、キンポウゲ科の多年草。早春に明るい黄色の花を咲かせる多年草です。花茎は短く、地面の上に葉の座布団を敷いて鎮座しているように咲く姿が可愛らしく印象的です。フクジュソウの花色は黄色が一般的ですが、白やオレンジ色もあります。
ミスミソウ(雪割草)
ミスミソウの花言葉は「自信」「信頼」
花期:2月~4月
ミスミソウは、別名雪割草とも呼ばれるキンポウゲ科の多年草。小さく可憐な花を咲かせます。花色は、白の他にピンクや青などがあります。
ユキワリイチゲ
ユキワリイチゲの花言葉は「幸せになる」
花期:2月~4月
ユキワリイチゲは、日本原産のキンポウゲ科の多年草。花色は、薄っすらと青みがかった白で、草丈は15~30cm。まだ緑の少ない森の中などで、落ち葉の間からひっそりと花を咲かせます。
春の訪れを教えてくれるスプリングエフェメラル。可憐で儚げな草花たちは、見ているだけで心が癒されていくような存在です。早春には暖かくしてスプリングエフェメラルを探しに行ってみませんか。肌寒い季節にほっこりした幸せを感じられるかもしれません。
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