お庭の目隠しになる! おすすめの常緑庭木10種

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小野寺葉月

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道路から家の中が見えてるのは気になる、でも塀を立てると圧迫感が出てしまうので避けたい。そんな時は植物を植えてみませんか? 今回は外から目隠しになる庭木をご紹介します。紹介している庭木はすべて常緑です。

目次

生垣として植える庭木

敷地の境界線を生垣にしたい場合に適している庭木をご紹介します。塀などを立てるのは圧迫感があるので避けたいけれど、何もないと家の中が丸見えになってしまう……そんな時、植栽で生垣を作ることで緑の壁を作り、自然な目隠しとして利用することができます。ただし、塀と違い生きている植物ですから、メンテナンスが必要です。

ツゲ

植物名 ツゲ(柘植)
学名 Buxus microphylla japonica
英名 Japanese Box
科名 ツゲ科
属名

ツゲ属

原産地

日本

生垣といえばツゲ、というほど昔から生垣に使われている樹種です。丸みのある小さい葉が可愛らしく、生長がゆっくりなのでメンテナンスの面からも生垣に向いている庭木です。ツゲは刈り込みにもよく耐えます。イングリッシュガーデンのトピアリーなどに利用されるのもツゲの仲間です。形を作りやすいことが特徴です。あまり枝が込み合うと(枝が増えて密度が濃くなる)、メイガなどツゲを好む虫が大量に発生してしまうことがあるので、6月と9月に形を整える意味で剪定すると樹形も木の生長も守られます。一年に2度刈り込みをするのが難しい場合は、9月に大きく刈り込めば、そのあとは休眠期なので効率がよいでしょう。

レッドロビン

レッドロビンとは、赤い小鳥の意味で、新芽が燃えるような赤い葉色であることから、この名前が付きました。いつの時期でも刈り込むと赤い新芽が出てきますので、赤くしたい時期の1か月ほど前に剪定するのがおすすめです。ただし、冬の時期に大きく剪定してしまうと、新芽が伸びてきた時に冬の寒さに当てられてしまうことがあり、枯れてしまうことも。地域によって気温も変わってきますので、もし不安な場合は晩夏ごろの剪定が安心です。10月以降の紅葉に合わせたい場合は9月中旬ごろに剪定するのが良いでしょう。

植物名

レッドロビン(西洋ベニカナメモチ)

学名 Photinia ×fraseri ‘Red Robin’
英名 Japanese photinia
科名 バラ科
属名

カナメモチ属

原産地

日本

レッドロビンとは、赤い小鳥の意味で、新芽が燃えるような赤い葉色であることから、この名前が付きました。いつの時期でも刈り込むと赤い新芽が出てくるので、赤くしたい時期の1か月ほど前に剪定するのがおすすめです。ただし、冬の時期に大きく剪定してしまうと、新芽が伸びてきた時に冬の寒さに当たり、枯れてしまうことも。地域によって気温も変わってきますので、もし不安な場合は晩夏ごろの剪定が安心です。10月以降の紅葉に合わせたい場合は9月中旬ごろの剪定がよいでしょう。

イヌマキ

イヌマキは細い葉が特徴的な常緑樹です。和のイメージが強いですが、ラカンマキなどと比較すると葉も細長く、モダンな雰囲気にもあう樹種です。夏には実がなり、食べることもできます。

植物名 イヌマキ
学名 Podocarpus macrophyllus
英名 buddhist pine(fern pine)
科名 マキ科
属名

マキ属

原産地

日本

イヌマキは細い葉が特徴的な常緑樹です。和のイメージが強いですが、ラカンマキなどと比較すると葉も細長く、モダンな雰囲気にもあう樹種です。夏には実がなり、食べることもできます。

 

イヌマキの実。緑の実と赤い実がくっついてなっています。赤い実の部分が紫色になると食べることができます。おいしいです。写真の状態はまだ熟しきってないので、渋みがありました。

イヌマキの実です。緑の実と赤い実がくっついてなっています。緑の実は食べることができません。赤い実の部分が紫色になると食べることができます。甘酸っぱくておいしいです。写真の状態はまだ熟しきってないので、少し渋みがありました。鳥もこの実が好きで食べますが、そのとき一緒に緑の実も食べてしまうんだそうです。種は緑の実にしか入っていず、鳥は緑の実は消化できずフンとして対外に排出してしまうため、イヌマキの種は土のある所に落ちれば実生となり繁殖するのだとか。二つに実がわかれているのはイヌマキの生存戦略なんですね。

トキワマンサク

写真はベニバナトキワマンサク。花弁がくるくるとまるまって収納されています。細かい起毛のある銅葉と茎が特徴。トキワマンサクはクリーム色の花で、葉が緑の植物です。

植物名 トキワマンサク(常磐万作)
学名 Loropetalum chinense
英名 Evergreen witch hazel(トキワマンサク)
Chinese fringe bush(ベニバナトキワマンサク)
科名 マンサク科
属名

トキワマンサク属

原産地

中国・日本

写真はベニバナトキワマンサク。花弁がくるくるとまるまって収納されています。細かい起毛のある銅葉と茎が特徴的です。トキワマンサクはクリーム色の花で、葉が緑の植物です。ベニバナトキワマンサクは植えると庭が明るくなりますし、花が無い時期でも銅葉がアクセントになる樹種です。洋風のお庭にも合わせやすいです。

プリペット

植物名 プリペット(西洋イボタノキ・西洋ボタ)
学名 Ligustrum sinense
英名 privet(pripet)
科名 モクセイ科
属名

イボタノキ属

原産地

ヨーロッパ・中国

プリペットは色鮮やかな緑の葉も美しいですが、初夏に咲く白い穂状の花序も美しいです。日当たりに強く、非常に丈夫な木です。枝がどんどん伸びるため、生垣としては密度も出しやすいのですが、枝が暴れやすくもあるのできれいな状態に保つには敵的に適度な剪定が必須です。花を楽しみたい場合は、5月~6月に花が咲くので、咲き終わった後に剪定するようにしましょう。剪定せず伸ばしておいても育ちますが、枝が込み入って風通しが悪くなり虫が発生しやすくなります。ハマキムシやコガネムシなどもプリペットの葉を好み、食害していきます。虫については発生する前に予防として薬剤散布しておくのが一番効率的です。ハマキムシ予防であれば、春と秋に散布しましょう。

サザンカ

サザンカは枝が込み入ってくるとチャドクガなどの虫が付きやすいため注意が必要。寒い冬も花をつけてくれるので庭が明るくなります。

植物名 サザンカ(山茶花)
学名 Sasanqua (camellia)
英名 Sasanqua (camellia)
科名 ツバキ科
属名

ツバキ属

原産地

日本

開花時期は10月~2月です。寒い冬もどんどん花をつけてくれるので庭が明るくなります。照葉樹なので花がない時期にも葉が陽の光に輝き、観賞価値があります。サザンカは枝が込み入ってくるとチャドクガなどの虫が付きやすいため春先から夏場にかけては虫への注意が必要です。剪定は花が終わった2月~4月が最適です。その時期はちょうどチャドクガの卵が葉裏に産み付けられている時期でもあるので、直接肌に触れないように注意しながら剪定を行いましょう。6月には次の年に咲く花芽が形成されますので、それ以降に剪定してしまうと花が少なくなるので剪定の時期には注意が必要です。

マサキ

植物名 マサキ(柾、正木)
学名 Euonymus japonicus
英名 Japanese spindle tree(Japanese euonymus)
科名 ニシキギ科
属名

ニシキギ属

原産地

中国・日本

マサキは葉色が鮮やかな品種が多く、和洋どちらにも合わせやすいことで生垣の中でも人気の樹種です。白くこまかい粉のような「マサキナガカイガラムシ」が付いてしまう場合があるので、気が付いたらすぐ該当部分を剪定しておきましょう。もし全体に広がってしまった場合は薬剤散布が必要な時もあります。アーチなどに仕立てることも可能です。

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低い位置の目隠しの庭木(低木)

アベリア

白い花が咲いているのがアベリア。ピンクの花や葉がツートンカラーの品種もあります。

植物名 アベリア(ハナツクバネウツギ)
学名 Abelia
英名 Abelia
科名 スイカズラ科
属名

ツクバネウツギ属

原産地

中国

白い花が咲いているのがアベリア。ピンクの花や葉がツートンカラーの品種もあります。塩害にも強く、沿岸部でも好まれます。開花時期は5月~10月ごろまでと長いため、公園などでも好まれ植栽されているのを目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。ただ、アベリアは枝が暴れやすく、新しく伸びた枝(新梢)に花をつけますが、全体の背丈が50cm程度のアベリアでも新梢だけ急に1mほどの長さで伸びていて驚くことがあります。そのため、春・夏・秋と3回ほどのこまめな剪定が必要です。

▼アベリアについて詳しくご紹介しています。

ジンチョウゲ

植物名 ジンチョウゲ(沈丁花)
学名 Daphne odora
英名 Daphne,Winter Daphne
科名 ジンチョウゲ科
属名

ジンチョウゲ属

原産地

中国

日本三大香木(ジンチョウゲ・クチナシ・キンモクセイ。ロウバイを入れて四大香木とする場合もあります)の一つでもあるジンチョウゲ。ジンチョウゲは2月~3月ごろに手毬のようないい香りの花を咲かせます。沈丁花は生長が遅く、剪定などはさほど必要ありません。根が細く、乾燥に弱いので西日が当たらない半日陰の場所が最適です。一番の魅力である香りのよい花は2月~4月の早春に開花します。手毬のような球形に花が集まって咲く様子はとても可憐です。

アオキ

葉が星空のように見える斑がはいった「星斑」。

葉が星空のように見える斑がはいったアオキの品種「星斑」。

植物名 アオキ(アオキバ)
学名 Aucuba japonica
英名 Japanese Aucuba
科名 ミズキ科
属名

アオキ属

原産地

日本

アオキは日陰でもよく育ち、耐寒性もあるため、昔から全国の公園や学校に植えられている植物です。ヨーロッパでは冬でも青々とした葉と赤い実が好まれて江戸時代中期に日本から伝わりましたが、その時は雌株のみだったため、雌雄異株のアオキは1本では実が結実せしませんでした。そののちインドのダージリンを紅茶の産地として紹介したプラントハンターであるフォーチュンによって雄株がヨーロッパへ持ち込まれます。19世紀にはGold Plantとよばれ、愛されました。日本では明治神宮の森や伊勢神宮の森にも植えられています。

 

葉が2色になる「バエリガータ」

クチナシ

クチナシは香りのよい落葉低木で、香りのよい花(沈丁花と同じく日本三大香木の一つ)が特徴です。開花時期は6~7月です。写真は八重咲のオオヤエクチナシで、ガーデニアと呼ばれる庭木に使われることが多い園芸品種です。6枚の花弁からなる一重のクチナシが基本種で、花は小ぶりです。クチナシの病害虫としてオオスカシバがいます。オオスカシバはハチドリのようにホバリングする蝶目の蛾で、クチナシの葉にキャビアの色を薄くしたような卵を一つずつ産み付けます。幼虫はとにかく大食いで、あっという間に葉が丸坊主になってしまいますので見つけたら必ず補殺をしておきましょう。新芽から花芽まで食害されてしまい、開花も生長も止まってしまうので注意が必要です。病気ではすす病、褐色円星病などにかかかることがあります。葉が黒く汚れたようになったり、斑点のように黒くなるなどの症状が出る病気になる場合があります。直射日光は苦手なので半日陰の場所が適していますが、反面多湿も苦手ですが乾燥も苦手なので、適した場所でない場合樹勢が落ちてしまう場合がありますので植え付ける場所は注意が必要です。クチナシはいつの時期でも花芽がある状態なので、花を楽しみたい場合は剪定は込み合った枝を落としたりする程度で大丈夫です。最初の花芽が開花したころに剪定を行うと、影響が少なくて済みます。

植物名 クチナシ(梔子・くちなし)
学名 Gardenia jasminoide
英名 Cape jasmine
科名 アカネ科
属名

クチナシ属

原産地

亜熱帯、日本、台湾、中国、インドシナの温帯

クチナシは香りの良い落葉低木で、沈丁花と同じく日本三大香木の一つです。開花時期は6月~7月です。写真は八重咲のオオヤエクチナシで、ガーデニアと呼ばれる庭木に使われることが多い園芸品種です。6枚の花弁からなる一重のクチナシが基本種で、花は小ぶりです。クチナシの病害虫としてオオスカシバがいます。オオスカシバはハチドリのようにホバリングする蝶目の蛾で、クチナシの葉にキャビアの色を薄くしたような卵を一つずつ産み付けます。幼虫はとにかく大食いで、あっという間に歯が丸坊主になってしまうので見つけたら必ず補殺をしておきましょう。新芽から花芽まで食害されてしまいます。病気ではすす病、褐色円星病など葉が黒く汚れたようになったり、斑点のように黒くなるなどの症状が出る病気になる場合があります。強すぎる日差しは苦手なので半日陰の場所が適しています。また、多湿と乾燥も苦手なので、適した場所でない場合、樹勢が落ちてしまう場合があるので植え付ける場所は注意が必要です。花を楽しみたい場合の剪定は、込み合った枝を落とす程度で大丈夫です。

カルミア

アポロチョコレートのようなつぼみから可愛らしい花が咲くカルミア。葉も細長く美しいので低い位置の目隠しとして、高木との組み合わせで植えるのがおすすめです。開花時期は5~6月です。害虫はグンバイムシ・アブラムシ・カイガラムシなどがつきやすいです。樹形は乱れにくいので剪定はそこまでしなくてもよいのですが、つぼみがたくさんつくのですが、そのままにしておくと木が疲れてしまうため、翌年花が少なくなりますので、秋に来春咲くつぼみがついた時に半分ほど蕾を取ってしう摘蕾(てきらい)をします。

植物名 カルミア
学名 Kalmia latifolia
英名 Kalmia
科名 ツツジ科
属名

カルミア属

原産地

北米、キューバ

アポロチョコレートのようなつぼみから可愛らしい花が咲くカルミア。葉も細長く美しいので低い位置の目隠しとして、高木との組み合わせで植えるのがおすすめです。開花時期は5~6月です。害虫はグンバイムシ・アブラムシ・カイガラムシなどがつきやすいです。樹形は乱れにくいので剪定はそこまでしなくてもよいのですが、つぼみがたくさんつくのですが、そのままにしておくと木が疲れてしまうため、翌年花が少なくなりますので、秋に来春咲くつぼみがついた時に半分ほど蕾を取ってしう摘蕾(てきらい)をします。

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\次は高い位置の目隠しやフェンスとしての庭木のご紹介/

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小野寺葉月

中高短で美術を学び、卒業後観葉植物も扱う雑貨店で店長、バイヤーを担当。産後LOVEGREEN編集部で季節や庭木、虫の記事担当しつつ、説明や挿絵などで再び絵を描き始める。Botapiiでもエディブルガーデン他のイラストを担当。縁あって現在はフィリピンのセブ在住。ダイビングリゾートで広報も担当している為、海の中やマクロダイビングの世界に夢中。魚より珊瑚やホヤ、海藻など植物寄りの世界が好き。勘と勢いで生きている。

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