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銀木犀|花の季節や香り、金木犀との違いや見分け方

銀木犀ってどんな花?銀木犀について、花の季節や香り、金木犀との違いや見分け方、似ている木、珍しいといわれる理由などを紹介します。

目次

銀木犀とは|特徴や香り、珍しいといわれる理由

銀木犀

  • 植物名:ギンモクセイ
  • 学名:Osmanthus fragrans var. fragrans
  • 科名:モクセイ科
  • 分類:常緑高木

銀木犀の特徴

銀木犀は、樹高3~10mまで生長するモクセイ科の常緑高木です。

銀木犀の花は、花径3~4mm程度、花びらが4つに分かれています。花色は、白や淡い黄色、黄色、黄橙色と変異が多いのが特徴です。銀木犀という名前から、白い花を咲かせるイメージを持たれがちですが、花色は純白でも銀色でもありません。金木犀と比べて白に近いという程度です。

学名の Osmanthus は、ギリシャ語の「osme(香り)」と「anthos(花)」から名付けられていて、モクセイ属が香りの良い花を咲かせることに由来しています。銀木犀の花にも芳香がありますが、金木犀ほど強い香りではありません。

銀木犀は、中国からベトナムにかけて自生しています。日本には江戸時代に中国から渡来しました。銀木犀の仲間は、中国名では「桂花」や「木犀」といい、お茶やお酒の香り付け、木材などに使用されています。

銀木犀も金木犀も耐寒性が弱く、寒いところでは育たないという特徴があります。日本でも東北以北ではうまく育たないようです。

銀木犀は珍しい?

銀木犀

銀木犀は金木犀に比べると見かけることは少ないかもしれませんが、珍しい木ではありません。また、育てにくいとか庭木に向いていないということでもありません。

同じ時期に開花する香りの強い金木犀の印象が強く、銀木犀はあまり記憶に残らないようです。住宅街などを歩いていると銀木犀の木を見かけることがあります。意外と身近にある庭木です。

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銀木犀の花の季節

銀木犀の花が咲く季節

銀木犀の花の季節は、9月~10月。金木犀よりも少し遅いか、同じころに銀木犀の花は咲きます。さらに1シーズンに2~3回花を咲かせたり、秋以外の季節に咲いたりします。銀木犀の花が、春や冬に咲いているのを見かけるのはこのためです。

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銀木犀と金木犀の違いと見分け方

銀木犀

銀木犀と金木犀の大きな違いは、花の色と香りです。その他に葉の形状や株の雌雄といった違いがあります。

銀木犀と金木犀の見分け方

金木犀

金木犀はオレンジ色の花を咲かせます

銀木犀と金木犀の見分け方は、花が咲いている季節なら花の色と香りで見分けられます。銀を連想させるような白や淡い黄色、黄色、黄橙色などの花は銀木犀、金を連想させるような鮮やかなオレンジ色の花は金木犀です。

また、銀木犀の香りは優しくほのかに香る程度なのに対して、金木犀は周囲一帯に広がるような圧倒的な芳香です。

銀木犀と金木犀の葉の見分け方

銀木犀と金木犀の葉の見分け方

銀木犀の葉には小さな鋸歯があります

銀木犀と金木犀は、花が咲いていない時であれば、葉で見分けることができます。

銀木犀の葉は、長さ7~15cm程度で厚みがあり、全体あるいは先端にギザギザとした小さな鋸歯があります。金木犀の葉は、長さ7~17cm程度で銀木犀に比べてやや薄く、幅が狭く、ほとんど鋸歯がありません。

銀木犀と金木犀の雌雄の違い

銀木犀も金木犀も雌雄異株ですが、銀木犀は雌雄の株が存在するのに対して、金木犀は日本には雄株しか存在しません。これは、金木犀が変異種だからではないかといわれています。

金木犀は雄株しか存在しないので、結実して種で増えることはありません。つまり、日本に存在する金木犀は、すべて挿し木などで増やしたクローンです。金木犀が申し合わせたように同じ時期に一斉に開花するのもクローンだからなのかもしれません。

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銀木犀の香りの特徴、金木犀との香りの違い

銀木犀

銀木犀の香りの特徴

銀木犀の香りは、ほのかに香る程度。顔を近づけて確認しなければわからないくらいの優しい芳香です。似た花として知られる金木犀のような、圧倒的な香りを想像していると、拍子抜けしてしまうかもしれません。

銀木犀の香水や精油はある?

銀木犀の香水はあるようですが、天然精油には残念ながらまだ出会ったことはありません。

オスマンサス( Osmanthus )という名前で流通している精油のほとんどは、金木犀の精油です。金木犀の精油は抽出が難しいといわれていて、希少価値が高く、とても高価です。

銀木犀と金木犀の香りの違いは?

銀木犀

銀木犀と金木犀の香りの違いは、その強さです。銀木犀の香りは、顔を近づけて確認しなければわからないくらいの優しい芳香です。先に花が咲いていることに気づいて、香りを確かめに行くという程度です。金木犀は先に香りに気づいて、それから花の存在に気づくくらい強い芳香です。香りの主成分はどちらも同じリナロールですが、銀木犀はほのかで爽やかな香り、金木犀は甘く強い香りと、印象としては違う香りです。

また、金木犀の香りは、香水、香料、お茶、お酒、ジャムなどに利用されていますが、銀木犀の香水や香料は、あまり流通がないようです。

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銀木犀に似ている花

銀木犀と似ている花は金木犀だけではありません。銀木犀に似ている花を紹介します。

薄黄木犀

薄黄木犀

  • 学名:Osmanthus fragrans var. thunbergii
  • 花期:10月
  • 花色:淡い黄色

薄黄木犀の特徴

薄黄木犀は、ウスギモクセイと読みます。日本の山野にも自生しているモクセイ科の常緑高木。銀木犀と同じように優しい芳香があります。花色は淡い黄色で、銀木犀との見分けが難しい花でもあります。

金木犀は銀木犀の変種だといわれていますが、一説によればこの薄黄木犀から作出されたのではないかともいわれています。

柊木犀

柊木犀

  • 学名:Osmanthus × fortunei
  • 花期:10月~11月
  • 花色:白

柊木犀の特徴

柊木犀は、ヒイラギモクセイと読みます。葉の縁にヒイラギのような鋸歯があるモクセイ科の常緑高木です。ヒイラギと銀木犀の変種ではないかと考えられています。

花色は真白で、花びらが反り返るようなフォルムをしています。花には爽やかな芳香があるのが特徴で、銀木犀よりも少し遅れて開花します。

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銀木犀の育て方、剪定

銀木犀の育て方

場所・用土

日当たりと風通しの良い場所を好みます。半日陰でも問題なく育ちますが、あまり日当たりが悪いと花つきが悪くなります。鉢植えは、市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。

水やり

根付いてからは特に水やりの必要はありません。鉢植えの銀木犀は表土が乾いて白っぽくなったら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりします。

肥料

1月~2月、5月、8月~9月に緩効性肥料を施します。

植え替え

鉢植えの銀木犀は、2~3年に一度は一回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。何年も植えっぱなしにしていると根詰まりで株が弱るほか、土も痩せて花付きが悪くなります。

剪定

樹形を整える大きな剪定は、花後の11月に行いましょう。新芽が伸びる前の2月~3月は、込み合った枝や、徒長した枝を切り取ります。その他の季節に剪定をしても問題ありませんが、花芽の準備に入るのが早いので、3月以降にあまり強い剪定をすると花数を減らすことになってしまいます。

病害虫の被害と対処法

乾燥が続くと、ハダニの被害にあうことがあります。枝葉にまで水をかけるようにして予防しましょう。日当たりと風通しが悪いとカイガラムシが発生することがあります。見つけ次第歯ブラシ等でこそげ落とし、風通し良く管理しましょう。

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銀木犀の魅力は伝わりましたか。銀木犀は秋に良い香りの花を咲かせる常緑高木。香りは控えめで色も淡く、優しい印象の庭木です。意外と身近なところに植えられているかもしれません。近くで銀木犀の木を探してみてください。

 

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