榊(サカキ)とは。種類やヒサカキとの見分け方、風習や飾る理由

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山田智美

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榊(サカキ)について、基本情報や特徴、花言葉、種類、ヒサカキとの見分け方、お榊の風習、生けるコツなど。また、仏壇に飾るのかどうかまで、詳しく紹介します。

目次

榊(サカキ)とは?基本情報

榊(サカキ)とは?基本情報

  • 植物名:サカキ
  • 学名:Cleyera japonica
  • 科名、属名:サカキ科(ツバキ科)サカキ
  • 分類:常緑高木
  • 別名:ホンサカキ、マサカキ

榊(サカキ)の特徴

榊は、光沢のあるグリーンの葉が特徴の常緑高木。枝葉を玉串やお榊など神事に使用することが多いことから、神社に植えられているのを見かけます。

榊の樹高は通常4~5m、大きなものでは10mを越すものもあります。6月~7月に目立たない小さな白い花を咲かせ、11月~12月に光沢のある黒い実を付けます。花は、チャノキの花に似ています。

温暖な気候を好むため、関東以北でよく育ちます。半日陰にも強く、木々が鬱蒼と生えているような場所で大きく枝葉を伸ばして生長していきます。

榊(サカキ)の葉の特徴

榊の葉は、先の尖ったきれいな楕円形をしています。葉の長さは、5~8cm程度。表面は濃いグリーンで光沢があり、裏は白っぽいくすんだグリーンをしています。

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榊(サカキ)の花言葉

榊(サカキ)の花言葉

榊の花言葉は、「神を尊ぶ」「控えめな美点」「揺るがない」です。

神事に使用されることの多い榊らしい花言葉です。

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お榊とは?風習や生け方

お榊とは?風習や生け方

お榊とは何のことを指しているのか、お榊の風習や生け方のコツなどをお話します。

お榊とは

お榊とは、神棚や神事の際に神前に捧げる一対の枝葉のことです。

榊立てという器に入れて、左右対称に飾ります。作り榊(つくりさかき)と呼ばれる、数本のサカキの枝を組み、2束セットにされたものも販売されています。左右対称であれば1本ずつでも問題ありません。

お榊の風習

お榊というのは神棚にお供えする神様の依代、つまり神様に滞在していただくためのものです。毎月1日と15日に取り替えます。1日と15日なのは神道で縁起の良い日とされていることに拠ります。

榊という字は木へんに神と書きます。由来は、神様との境に存在する木だから、また常緑であることから栄える木を連想させるから、神事に使用するからなど諸説あります。冬でも緑の葉を絶やさない常緑樹は古来より、神様が宿ると信じられ、神聖視されてきました。

昔は榊が手に入らない地方では、姫榊(ヒサカキ)や椿(ツバキ)や樒(シキミ)など、他の常緑樹を榊と呼び、神事に使用していたそうです。

お榊の生け方

お榊は月に2回取り替えるもの。次の取り替えの日までにお榊が枯れてしまったら、新しいものに交換しましょう。途中で枯れてしまったからと言って罰が当たるようなことはありません。落ち着いて新しいお榊を買いに行きましょう。

お榊を枯らさないためにも、榊立ての水をこまめに交換するようにしましょう。榊立ての水がなくなれば、お榊は枯れてしまいます。また、夏は水が腐りやすい季節。腐った水ではお榊も傷んでしまいます。神前に捧げるものですから、水換えをして清潔に保ちましょう。

お榊の生け方のコツ

お榊は輸入のものが多く出回っています。長時間の輸送のためか元気がないのが気になるところ。お榊は買ってきたら流水で洗ったり、葉裏まで水に浸けるなどして、しっかりと水を吸わせるようにしましょう。

また、春から初夏のお榊には小さな花がついています。この花にはあまり好ましくない独特の臭いがあります。ゴミ箱の上ではたくようにすると花が落ちるので、臭いが室内に広がるのを防げます。

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榊(サカキ)は仏壇に飾る?

榊(サカキ)は仏壇に飾る?

榊は仏壇にはあまり飾りません。ただし、仏壇に飾ってはいけないということではありません。

通常仏壇やお墓には、仏花と呼ばれる2束一対の花束を飾ります。榊の枝だけを飾るということはありません。

神道や仏教、それぞれの慣わしや風習がありますので、それに倣うのが一番ではないでしょうか。

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2種類ある?榊(サカキ)の種類

2種類ある?榊(サカキ)の種類

榊と呼ばれている樹木には2種類あります。一つは榊、もう一つはヒサカキです。

これは昔、榊の枝が手に入らない地方で、ヒサカキなどの他の常緑樹を榊と呼び、神事に使用していたことに由来します。

このため、本来の榊をホンサカキと呼び、区別するために葉の小ぶりな方をヒサカキと呼ぶようになったと言われています。

一般的に生花店などで「お榊」という名前で販売されているものは、ヒサカキであることがほとんどです。また、「お榊」は輸入のヒサカキが多く流通しています。

 

ハマヒサカキ

ハマヒサカキ

ヒサカキの近縁種でハマヒサカキという種類もあります。こちらは葉の先端が丸みを帯びていて、常緑であること以外は榊とは似ていません。

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榊(サカキ)と姫榊(ヒサカキ)の違いや見分け方

榊(サカキ)と姫榊(ヒサカキ)の違いや見分け方

ヒサカキ

榊とヒサカキはどちらも半日陰でよく育つ常緑樹です。植えられている場所も似ています。榊(サカキ)とヒサカキの違いと見分け方について説明します。

葉の大きさと縁をよく観察すれば見分けるのは簡単です。

榊(サカキ)と姫榊(ヒサカキ)の違い

  • 榊はサカキ科サカキ属、ヒサカキはサカキ科ヒサカキ属
  • 榊の樹高は4~10m程度、ヒサカキの樹高は2~5m程度
  • 榊の葉は長さ5~8cm程度、ヒサカキの葉は4~7cm程度
  • 榊の葉は縁にギザギザとして鋸歯がない、ヒサカキの葉は縁に鋸歯がある

榊(サカキ)と姫榊(ヒサカキ)の花の季節の違い

ヒサカキ

ヒサカキ

榊の花の開花時期は6月~7月、ヒサカキはの開花時期は3月~4月

榊(サカキ)と姫榊(ヒサカキ)の見分け方

  • 樹高で見分ける
  • 葉のサイズで見分ける
  • 葉の鋸歯で見分ける
  • 花の開花時期で見分ける

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榊はお榊や玉串など神事に欠かせない、神様の依代となる神聖な木。だからと言ってそんなに珍しいものではなく、意外と身近なところで見かけることの多い木です。近所の神社にも植えられているかもしれません。榊を探しに行ってみませんか。木の葉をじっくり観察してみるのも楽しいですよ。

 

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植物が好きで好きで、植栽設計、ガーデナー、生花店勤務を経て現在は、フリーランスの花屋「花や蜜」として活動中。「てのひらに森を」がテーマの花屋です。森の中にいるような、見ているだけで力が抜けていくようなお花を作り続けたいと思ってます。街中で突然お花を配る、「花ゲリラ棘」というゲリラ的花配り活動も不定期決行しています。

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