食べられる花エディブルフラワー|ボリジのこぼれ種で無限ループの育て方
LOVEGREEN編集部
このライターの記事一覧
画像提供:日本エディブルフラワー協会
▼栽培カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
収穫 |
お花が食べられるなんて♪
なんだかワクワク、素敵な気持ちになりませんか?
レストランなどでも取り扱われるようになり、ますます私たちの生活に身近な存在になっています。
今回は育てやすい上に、春に種をまいたら、こぼれ種でどんどん増える「ボリジ」の育て方についてご紹介します。
目次
食べられる花~エディブルフラワー
画像提供:日本エディブルフラワー協会
エディブル(Edible)とは、「食用に適する」という意味の英語です。エディブルフラワーとは、食べられる花を意味します。
食卓に彩りを加えるために使われるものを指し、ブロッコリーやカリフラワーなど花の部分を食用にするもの全てを含みます。
ボリジの基本情報
ボリジは地中海沿岸に自生する一年草のため、花後に種を付け枯れていきます。
ボリジは高温多湿を嫌う性質のため、秋に種をまくと大型に生長し、翌春に花を咲かせ、草丈は1mほどになります。
春に種をまくと、初夏から夏にかけて花を咲かせ、こぼれ種で次々と発芽します。
そのため、無限ループのように咲いては、種を落とし、生長し、また順次咲いていきます。
ボリジの花の色は、青色ですが、若干ピンクの花を咲かせるものもあります。
聖母マリアの青い衣を描く時に、ボリジの花の色をもとに使われたことから「マドンナ・ブルー」とも呼ばれている、美しい青色の花です。
葉の表面は、白い剛毛が生えており、触れるとチクチクします。稀に葉にかぶれる人もいるため、触れる際には注意が必要です。
ボリジの花には、ミツバチなどの受粉時の送粉者が集まり、近くに植わっている植物の実付きがよくなると言われます。
科・属 | ムラサキ科ルリジサ属 |
和名 | ルリジサ |
英名 | Borage |
学名 | Borago officinalis |
原産地 | 地中海沿岸 |
育てやすさ | ★★★★★ |
食べられるお花~エディブルフラワーとしてのボリジ
画像提供:日本エディブルフラワー協会
若葉はきゅうりの味がするため、サラダなどに使われます。
花は料理やスイーツの飾りに利用でき、ハーブとしても扱われます。
花の中央部分の蜜を食べると、自然な甘い味がします。
ボリジは、ヨーロッパで戦士が出陣前にボリジの花をワインに浮かべ、勇気を奮い立たせたと言われています。
こんなふうにワインにボリジを浮かべると…
ボリジの花は青からピンクに変わります。
ボリジの種からの育て方
種まき
ボリジの種は、大きくて発芽しやすいので、種まき初心者にも簡単に発芽させることができます。
種のまく時期は、春と秋の2回機会がありますが、寒冷地では春にまきます。
それ以外の地域では、秋まきにすると翌春には大株に育つので、たくさんの花を楽しめます。
かなり大きく生長するので、株間は50cmほどあけると、風通し良く、蒸れずに育てることができます。
こぼれ種
次から次へと花が咲くボリジの生育スピードは、とても勢いがあります。
朝にボリジの花を収穫したかと思えば、夜までにはさらに花が収穫ができ、その次の朝にはまた同じように収穫することができます。
当然ボリジの花の収穫が追い付かず、次々と種ができていくため、知らないうちにこぼれ種が…。あちこちでボリジが次々と発芽する、嬉しい悲鳴状態になります。かなり遠くまでボリジの種が飛んでいる…なんてこともしばしば。
いつしかボリジ栽培の無限ループにはまっている、そんなボリジの生育力です。
ボリジは、根が下に伸びる直根性の植物のため、こぼれ種が発芽したときには、できるだけ小さいうちにあるべき場所に移植してあげるといいでしょう。
ボリジの苗の植え付け
用土
水はけのよい土に植えつけます。
市販の野菜用の土をお使いください。
エディブルフラワーを扱う農家さんの商品として、専用の土と肥料もあります。ネットにてお取り寄せが可能です。
苗について
ここで注意することは、「食べられるお花~エディブルフラワー」としてボリジを育てるためには、必ず野菜専用の土を使い、種から育てましょう。というのも、園芸用のボリジは育苗中に人体には使用できない量の農薬を使って栽培しているからです。
苗から始めたい方は、必ずエディブルフラワーとしてのボリジを取扱っている生産者さんからお取り寄せしてください。
苗は4~5月、9~10月が植え付けの適期ですが、種で簡単に育てることができるため、種からの栽培をおすすめします。
植えつけ
ボリジは密植すると、とても蒸れやすくなります。
株間は50㎝位の間隔で、風通しの良い環境づくりを心がけましょう。
鉢植えの時は、15~20㎝ほどの鉢に対して、1苗を基準に植え付けましょう。
大株になってからの移植はNG
根が下に伸びる直根性の植物のため、移植には不向きです。プランターは、横幅が大きいものよりも、高さのある深めのものを使用したほうが良いでしょう。
水やり
ボリジは高温多湿に弱く、梅雨時は蒸れると下葉が枯れてきます。多湿に気を付け乾燥気味に育てましょう。
プランターで育てている方は、土が乾いたら鉢底から水が出るまでしっかり水をあげましょう。
肥料
野菜用の用土を使用するため、特に肥料を与える必要はありません。
ボリジはさほど肥料を必要としませんし、追肥を多く与えすぎると草ばかりが茂って、花が付かなくなります。
また、肥料を与えすぎると今度はアブラムシが付きやすくなるので気をつけましょう。
収穫
花の収穫
花つきを良くするためにも、花が咲いたらすぐに収穫してお料理やスイーツに取り入れましょう。
種ができると、花つきが悪くなるので、しぼんだ花はすぐ摘み取り、苗の疲労を防ぎましょう。
ボリジの病害虫
病害虫
エディブルフラワーは、食べられるものですから、勿論口に入れるものです。安心安全のためにも、こうやって種から育てていますので、病害虫が発生したときに、むやみに薬剤をまくことはできません。
無農薬でエディブルフラワーを育てている生産者の方なら、万が一アブラムシなどの害虫が発生したら、筆で綺麗に落とすほど大切に育てられています。そのため、病害虫になる前の予防が一番大切です。
病害虫
新芽や葉の裏にアブラムシがたくさんつくことがありますが、他の花と比べて、ボリジは病害虫の被害は少ない方だと思います。
日ごろから木酢やニームなどを塗布して予防に心がけましょう。
いかがでしたか?
ボリジの花はマドンナブルーといわれ、美しく透明感のある青色です。野菜には中々ない色合いで、お料理を華やかに演出するエディブルフラワーです。
家庭菜園の初心者さんでも育てやすくて、次から次へと花をつけるボリジを育てて、日々の暮らしの食卓に彩りを加えてみませんか?
画像提供:NEROLIDOL BOTANICAL ATELIER
ボリジの育て方|まとめ
・ボリジの発芽適温は15~20℃
・日当りと風通しのよい環境で育てよう
・食べられる花~エディブルフラワーは種から育てよう
・食べられる花~エディブルフラワーの苗から育てる場合は、必ず専用の苗を使用
・花が咲いたらすぐ収穫、こまめな花がら摘みを心がけよう
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「食べられる花エディブルフラワー|ボリジのこぼれ種で無限ループの育て方」の記事をみんなにも教えてあげよう♪