ミントの育て方・栽培方法|植え替え、切り戻しなどお手入れのコツ
金子三保子
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ミントの育て方をご紹介します。植え替え、切り戻しなどの栽培のコツを覚えて、お家で育ててみませんか。
目次
ミントの種類
ミントは品種がとても豊富なハーブです。スカっとしたさわやかな香りを思い浮かべる方が多いと思いますが、中にはアップルミントのようにほんのり甘い香りや、ジンジャーの香りなど様々。また、お茶などの食用のミントもあれば観賞向きのミントもあります。
パイナップルミント(別名斑入りアップルミント)
斑入りペパーミント
たくさんある品種の中で、ミントティーなどに使う一般的なミントと言えば、「ペパーミント」と「スペアミント」です。野菜売り場で販売しているミントは、このどちらかであることが一般的です。2つのミントでも葉の色や香りに違いがあるので、できたら自分の鼻でどちらが好きか嗅ぎくらべてみてください。
▼ミントの種類をご紹介しています
ミントの育て方|植え付け・植え替え
ミントを育てる環境
日当たりが良すぎる場所だと葉焼けするので、半日陰程度の風通しの良い場所が最も適しています。あまりにも日陰では葉の色や香りが悪くなります。
土
ハーブ専用の土、もしくは野菜用の土を利用しましょう。それほど土にこだわらなくても栽培可能ですが、乾燥にはそれほど強くないので、保水性のある土がよいでしょう。
ミントは鉢植えと地植え、どっちがおすすめ?
ミントは性質が強いので、地植えでも鉢植えでもどちらでも栽培が可能です。ただし、ミントは地下茎で繁殖していく大変繁殖力の強いハーブです。増やしたい方は地植えにしても構いませんが、地下と地上の両方からものすごい勢いで増えていくのでご注意ください。
このことからミントは「爆殖植物」と表現されることもあります。ミントに限らず地下茎で増えるタイプの植物は、一度地植えにすると抜くのにとても力が必要で、整理するのが大変です。
鉢植えで育てるか地植えにするかは、自分がどちらを望んでいるかによって決めましょう。
たくさんの空きスペースがあって他の植物も特に植える予定なし、雑草が生えるのでグランドカバーに何かを植えたい!
→ミントは繁殖力が強いので環境にあえば強力なグランドカバーになります。
あまり増えると困る、他の植物と共存させたい
→限られたスペースで育てたい方は、鉢植えで育てることをおすすめします。
鉢植えで育てる場合も、地下茎で増えるという性質上、ひとつの鉢に1品種のミントを育てることをおすすめします。複数種のミントをひとつの鉢に植えこむと、しばらくすると鉢の中で地下茎で増えだすので、植え替えの時に手こずります。
ミントのランナー
ミントは地下茎で増えていきますが、地上部分からもランナーを出して増えていきます。ランナーとは匍匐枝(ほふくし)と呼ばれるつるで、株元から伸びたランナーの節の下から発根し、新しい株として増えます。鉢から外に飛び出したランナーは、地面に接地するとしばらくすると根付いてしまいます。鉢の中に収めるかカットしましょう。
ミントの日々の育て方
水やり
地植えのミントは、根付いてしまえば水やりの必要はありません。鉢植えのミントは、鉢の表面の土が渇いたらたっぷりと与えましょう。
肥料
自然の循環ができた土なら、地植えのミントは肥料を与えなくても育ちます。鉢植えのミントは、春に緩効性肥料を与える程度で十分です。
植え替え
ミントは生長力が強いハーブ。植えっぱなしにしておくと根が回りやすいので、1~2年に一度、植え替えをしましょう。植え替えは一回り大きな鉢に植えるか、増やしたくない方は、株を整理して同じ鉢に植えます。
病害虫
害虫は見つけ次第捕殺しましょう。掴むことができない場合は、虫がついている部分の葉茎をカットして処分しましょう。
食用にミントを育てている場合は、できれば殺虫剤は使いたくないですよね。それには常日頃から葉っぱの様子に変化がないかをチェックし、虫食いを見つけたらすぐに原因を探しましょう。虫よけスプレーなども日々の管理に効果的です。
ミントの切り戻し
ミントを健康的な株に保つためやたくさんの葉を収穫するために、定期的に茎を半分から三分の一程度、剪定する方法です。
最初は、こんなバッサリと切ってしまっていいの?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、切ったところから再び葉茎が伸びるので心配ありません。
5月に植えたイングリッシュスペアミント。かなり伸びて暴れた状態です。
切り戻しは、伸びた茎を全体的に切ります。株の半分くらいでも地際でも構いません。剪定後、しばらくすると新しい芽がどんどん出てきます。
ミントは宿根草なので、冬に入る前の冬越しの剪定も地際で思いっきり剪定します。春になると土が割れるように新芽が芽吹いてきます。
すっきり!
ミントを切り戻さないと……
どんどん伸びて7月ごろ花が咲きます。写真は2本だけ切り戻さないでおいたミント。葉を使うために育てている方は、定期的に剪定をして花を咲かせないようにするのがポイントです。
品種にもよりますが、白やピンクのかわいい花が7月~8月に開花します。花を見るために育てている方は夏前に剪定しないようにしましょう。
ミントの増やし方
水挿しの他、挿し木、種など、繁殖方法は色々とあります。ただし、ミントは交雑しやすいので、その株から取った種をまいても同じ香りがしないことがあります。特定の品種のミントの種まきをしたいという方は、種を買った方がよいかもしれません。
育てているミントの香りが好きなのでもう一株増やしたい!という方は、水挿しか挿し木で繁殖することをおすすめします。今回ご紹介する水挿しによる繁殖は、根が出てから植えるので一番簡単で確実な方法です。
ミントの水挿し
水につかる部分の葉は取って、最低2~3節は水につかるように花瓶やコップに入れておきます。節から根が出るので、節が水につかっていることがポイントです。
ミントの根の出方
ミントは茎に節があり、その節から根や葉っぱが出てくる仕組みです。土の下の部分の節からは根、土の上の部分から葉が出ます。
水に入れて数日後、発根しました。
根が出た茎を鉢やポットに植え替えます。
根付くまでは、土から上の部分の茎は短めにカットし、最後に水をたっぷりと与えます。
確実に根付くまでは、直射日光が当たらない風通しの良い場所で管理します。
その後は、土が水切れを起こさないように定期的に水を与えてください。根付くまでに水が切れてしまうと、せっかく出た根が枯れてしまいますのでご注意。
時期にもよりますが、1~2週間すると根付いたことがわかる、新しい新芽が芽吹いてきます。新しい葉が出てきたら、通常の管理の仕方と同じ方法で大丈夫です。置き場所もいつもの場所に移動させましょう。その後、順調に葉が出てきたら切り戻しをして好みの丈に仕立てましょう。
ミントの利用法
飲食用
料理やお菓子の飾りつけ、ミントティーなどの飲み物として利用するのが一番多い利用法です。お茶に使う場合は、「ペパーミント」や「スペアミント」などがおすすめです。
▼ミントを使った飲み物をご紹介しています
アレンジのグリーンとして
ミントは、水に生けると根が出てくるくらい繁殖力の強いハーブです。ミントと花を一緒に生けると、水が汚れにくくなり花が長持ちするので、夏のアレンジのグリーンとしておすすめです。定期的に摘み取った方が脇芽が分枝して、葉茎の多いきれいな株になるので、どんどん使ってみてください。
品種が豊富に揃う園芸店で、自分好みの香りのミントや、色や葉の形状が好みのミントを探してみてくださいね。
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