ピーマンをベランダ菜園で収穫!育て方とプランター栽培のコツ
LOVEGREEN編集部
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ピーマンの収穫、保存方法とレシピ、栄養
収穫はピーマンの実だけだと思っていませんか?
じつは、ピーマンの葉も食べられるんですよ。自分で育てているからこそ楽しめるピーマンの実と葉の収穫をご紹介します。
ピーマの収穫適期
・緑のピーマン
花が咲いてから15~20日位のまだ若い、緑色のピーマンの実を収穫します。
果長は品種にもよりますが、だいたい5~7cm位になった頃が収穫の目安です。
・赤いピーマン
花が咲いてから60日位すると緑色だったピーマンも赤く熟します。
緑のピーマンと赤いピーマンとでは味も違いますので、ぜひお試しになってみて下さい。
ピーマンの葉の収穫
ピーマンを栽培している生産者の方に話をお伺いすると「ピーマンの葉も食べられますよ」と教えてくれました。
ピーマンの葉が密植している部分の風通しをよくするように葉を収穫しましょう。
ピーマンの収穫は順調ですか?
生育が順調ならば、自ずと収穫も順調になります。
まずはピーマンの性質をおさらいして、ご自宅のピーマンが最適な環境で育っているかを確認しましょう。
・温度
ピーマンは、南アメリカの熱帯地方が原産のため、生育適温は25~30℃で、高温を好みます。
・日照
トマトに比べて少ない日照にも耐えますが、葉が茂りすぎている場合は、ピーマンの花に日が当たるように、混みいったところを間引きましょう。
・水分
土の乾燥にも加湿にも弱いため、ほどほどの水分量を好みます。
葉は水をはじく性質がありますが、葉が濡れると細菌に侵されやすいようです。ご自身でお水をあげるときは、根元に与えるようにしましょう。
しっかりお手入れを続けて「長くて多い」ピーマン収穫を目指しましょう!
ピーマンの保存方法
冷蔵庫の野菜室
ピーマンの水気をふいて密封袋に入れ冷蔵庫の野菜室に保存するのがベストです。1週間以内に使い切るようにしましょう。
冷凍庫
生のピーマンを適当な大きさに切り、密封袋に入れて冷凍庫で保存します。丸ごと保存し使用時にカットすることも可能です。やはり生のピーマンと比べて食味は落ちます。
ピーマンの葉のレシピ
食べ方として、つくだ煮のように甘辛く煮たり、お浸しにしたり、炒めたりしていただきます。灰汁(あく)が気になるようでしたら、軽く湯通ししてから調理に使用してください。
実際に食べてみると、ほうれん草のような味わい。ピーマンも収穫できたのに、葉も食べられるなんて、なんだか得した気持ちになりました♪
ピーマンの栄養
栄養素はビタミンCをはじめ、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンEのほか、鉄分やカリウムも含んでいます。
通常ピーマンは、緑色の未熟果の状態を食べますが、熟すと赤くなり、緑色のピーマンよりも甘くなります。昔のピーマンは、苦味のある子供の嫌いな野菜ナンバーワンの存在でしたが、品種改良が進み今では苦手にする子も少なくなっているようです。
ピーマンの病気
次から次へと花を咲かせ、一生懸命実をつけようとするピーマンなので、育てているうちに知らず知らずのうちに苗の疲労は耐え難いものとなり、真夏の高温期には変形果や落果も増えだします。
なんとなくこのピーマンは病気にかかっているとは思うけれど、それが一体何の病気なのかを判断するのって難しいですよね…というのも、病害虫のことを調べていても、自分の症状と全く同じ画像にたどりつけないからです。
なぜなら、育てる人も、地域も、状態も、品種も、何もかも違うピーマンなのですから。
ピーマンがかかる病気
・斑点細菌病(茎・葉・果実)
・青枯れ病(葉)
・軟腐病(茎・果実)
・モザイク病(葉)
・黄化えそ病(茎・葉・果実)
・疫病(茎・葉・果実)
・炭疽病(果実・葉)
・白斑病(葉・果実・枝)
・うどんこ病(葉)
・菌核病(茎・果実・葉・花弁)
・白絹病(茎・根)
・灰色かび病(花弁・果実・葉・茎)
・苗立枯病(地際・根)他
ざっと挙げてみてもこれだけありますから、ますますなんの病気にかかっているのか判断が難しいですね。
例えばこの葉や実の症状、なんの病気?
5/24のピーマンの葉
植え付けてからまだ2~3週間のピーマンの葉です。
葉の様子をみると、葉を広げ、緑が濃い健康的な様子が分かります。
8/31のピーマンの葉
5月のピーマンのと比べ、葉が内側に巻き込んでいて細くなっています。葉の色も色がグンと薄くなり、緑よりも黄色に近いほどです。
7/3のピーマンの実
収穫が始まったピーマンの実は、色も明るい緑色で、大きさも6~7cm程のちょうどいい大きさです。
8/31のピーマンの実
こちらの色は、くすんだ緑色をしています。少し茶色がかった色味をしています。大きさ一回り小さい4cm程です。最大の特徴は、なんといってもこの黒い斑点のような部分です。
一体何の病気なのか?
ピーマンがかかりやすい病気の中から、症状が近いものを選んでいきたいと思います。
この中で、実と葉に影響があるものをピックアップし、さらに被害の特徴からたどり着きました。
モザイク病としての判断理由
・葉が縮れだしていること。
・葉が細くなっていること。
・モザイク病の初期症状は、葉が黄化すること。
モザイク病とは
ピーマンのモザイク病とは、種子・土壌・接触による伝染性のトバモウイルス属ウイルスにより引き起こされる病気で、葉が縮れたり、モザイク状に葉に黄色の模様が浮き出ます。症状が進むと収穫量が落ち、ピーマンの形も悪くなります。
一度かかると薬剤などでも治すことができないため、抜き取る方法しかありません。
病気以外に考えられるピーマンの生理障害
生理障害とは…
・栄養素の欠乏
・土壌不良
・高温・乾燥障害
これらの育てる環境により、引き起こされる障害のことをさします。
以上の点から、この生理障害にたどり着きました。
ビターピットとしての判断理由
・ピーマンに暗褐色の病斑ができていること。
ビターピットとは
症状は果実に暗褐色の斑点が生じ、発生の要因としてカルシウム不足が考えられます。
早急な対処方法はカルシウムの葉面散布です。ビターピットの予防方法は土壌改良の際に石灰などを使用し、カルシウムを補給することです。
結果的に抜き取る判断
おそらくピーマンモザイク病を発病し、さらに整理障害によりビターピットも同時に発症したというのが今回の判断です。
8月下旬という時期を考え、秋冬野菜の準備もあることなのでピーマンを抜き取ることにしました。もう少し長く収穫したかったのですが、こればっかりは仕方がないですね。
ピーマンの収穫後の抜き取りについて
初期はとても生育が順調でしたが、今年の夏は雨が多かったせいもあり、後期に入って生育不良になってしまいました。
秋冬野菜の植え付けを機に、ピーマンの苗を抜き取っていきたいと思います。
抜き取り作業
さて、抜き取ることが決まったら、さっそく作業を始めましょう。
ピーマンの苗を適当な大きさに分けて切っていきます。
これで、抜き取り完了ですが、ゴミ袋に入れて破棄する前に、必ず見て欲しいところがあります。
抜き取った根の観察
抜き取ったピーマンの苗の根をよく見てみると、上の画像のように太い根と細い根があります。どちらの根も表面に凸凹のない、きれいな根をしています。
このように根の表面がきれいな根であれば、抜き取るだけで問題ありません。
ネコブセンチュウ
上の画像をご覧ください。根の部分に大小のこぶのようなものが出来ています。
このような根は、ミニトマトやキュウリ、ナスなどのナス科に発生しやすい「ネコブセンチュウ」かもしれません。
ネコブセンチュウとは
土の中に生息する1mm以下のセンチュウで、植物の根の養分を吸います。その被害部分が大小のこぶのような形になります。
センチュウに侵された根は、充分な水分や養分を吸収することができず最後には枯れてしまいます。
センチュウの大きさが1mm以下のため、肉眼で早期に発見することは難しく、このように作物を抜き取るタイミングに、しっかりとセンチュウの存在を確認する必要があります。
ちなみに…マメ科の根のコブは根粒菌!
ちなみに、上の画像は枝豆の根の部分です。
こぶのようになっている個所は、ネコブセンチュウではありません。マメ科特有の根粒菌というものです。
根粒菌とは
この粒の中には根粒菌という微生物が存在しています。この根粒菌の働きは、大気中の窒素からマメ科の作物の中に植物の三大栄養素のひとつである「窒素」を取り入れる働きをするものです。
つまり、根粒菌はマメ科の作物へいい影響を与えるものです。ネコブセンチュウとは全く異なりますので、注意しましょう。
ネコブセンチュウだったなら
皆さんが抜き取ったキュウリの苗はいかがでしたか?
ネコブセンチュウだった方は、思い返してみて下さい。生育期間中も、何だか調子が悪いと感じていませんでしたか?
その原因は、ネコブセンチュウの仕業だったかもしれませんね。
ネコブセンチュウの除去
①被害を受けた根の除去。
レーキや土ふるいで、被害を受けた苗の根を全て取り除きましょう。
②太陽熱で消毒。
被害を受けた土を透明ビニール袋に入れ、水分を含ませ、封をします。
直射日光に2~3日ずつ両面に日を当てます。
小さいプランターなら、こんなふうに丸ごとビニール袋の中に入ります。
抜き取った後の作業
抜き取りが終了したら、秋冬野菜に向けて準備を開始しましょう。本格的な土壌改良は、来年の春夏野菜の植え付ける前にしますので、今回は軽く整えるような作業になります。
1 プランター内の土をほぐす
2 有機石灰を入れる
有機石灰をおすすめする理由
有機石灰とは、牡蠣殻などの貝殻化石を原料とする石灰肥料のことです。使用されるものによってアルカリ分が異なります。
消石灰や苦土石灰よりもアルカリ分が少なく、効果も穏やかなため速効性はありませんが、有機石灰を撒いた後すぐに種まき・定植ができるため石灰を使い慣れていない初心者の方にはおすすめの石灰です。
また、有機石灰は、土が酸性に傾くと、土中に溶けて中和しますが、中性であればそれ以上溶けることはありませんので、入れすぎの場合も安心して栽培を続けられます。
3 元肥投入
これで準備は終了です。安心して秋冬野菜を植え付けられますね。
今回ピーマンを抜いた後の土をほぐしていると、コガネムシの幼虫が4匹も出てきました。
これも後期のピーマンの生育が悪かった一因かもしれませんね。
しっかり土をほぐして、秋冬野菜を植え付ける前に害虫を見つけ出しましょう!
\有機石灰と有機質を含んだ肥料で準備万端!/
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