ナンバンギセル
- ナンバンギセルは、ハマウツボ科 ナンバンギセル属の一年草の寄生植物。ススキやサトウキビなどのイネ科の植物や、ミョウガなどを好んで寄生します。ナンバンギセルという名前は、花のフォルムが喫煙具の煙管(きせる)に似ていることによります。南蛮というのは外国を指す言葉なので、外国製の煙管に見立てたということのようです。 ナンバンギセルは、草丈15~20cm程度、真直ぐに伸びた茎に対して直角、あるいはうつむくように花を咲かせます。花色は淡い紫、先はあまり開かずつぼのようなフォルムで、開花時期は8月~10月の晩夏から秋にかけて。ススキが穂を出している頃、株元でひっそりと花を咲かせています。葉緑素を持たず、自分で光合成を行わないため、宿主から栄養をもらって生長するという植物です。花がうつむくように咲く様子を思い悩んでいる人に見たて、古くは思い草という名前で呼ばれていたそうです。 ナンバンギセルは、あまり流通がなく、あったとしても他の植物の株元に寄生しないと生育できないので、宿主とともに育てる必要があります。