ヒメジョオン
- ヒメジョオンは、キク科エリゲロン属の越年草です。北アメリカ原産で、観賞用として日本に渡来したものが、雑草化して全国のいたるところで自生しています。よく見るとマーガレットを小さくしたような、かわいらしい花を咲かせます。草丈30~60cm程度、茎の先端に直径2cmくらいの花を咲かせます。花色は白か淡いピンク、花びらは細く、花の中心は黄色です。よく似た花にハルジオンがありますが、ハルジオンが春に咲き始めるのに対して、ヒメジョオンは少し遅く、初夏から咲き始めます。また、葉の基部は茎を抱かないし、茎の中には白い隋が詰まっているところが違います。見てすぐにわかる違いは、ハルジオンのつぼみはうなだれるように下を向いていますが、ヒメジョオンのつぼみは上を向いているところです。 ヒメジョオンは漢字で姫女苑と書き、「女苑」という中国名を持つ花と似ているというのが名前の由来です。ハルジオンは漢字で春紫苑と書き、秋に咲く紫苑に似ているが春に咲くからというのが命名の由来です。どちらも命名者は、植物学者の牧野富太郎博士。どうしてこんなにややこしい名づけをしたのかについては、今でも話題に上るほどです。 ヒメジョオンは、強健で繁殖力が強い花です。畑、花壇、空き地、道路脇、アスファルトの割れ目からも目を出し、咲いています。農作物や他の日本在来種に影響を及ぼすとして、要注意外来生物に指定されています。ヒメジョオンは根が長く、途中で折れてしまうこともしばしば。見つけたら、大きくなる前に駆除することをおすすめします。