リトープスとは?育て方・栽培方法|植物図鑑

  • リトープス
植物名
リトープス
学名

Lithops

英名
Lithops
科名
ハマミズナ科
属名
リトープス属
原産地
南アフリカ、ナミビア

リトープスの特徴

リトープスとは、多肉植物の総称、メセン(女仙)の代表的な属の一つです。個性的で特異な容姿と興味深い生長過程もあり愛好家が多い種類です。

メセン(女仙)の由来は、サボテン(仙人掌)が男らしさあふれる植物に対して、メセンはつるつるしていて様々な模様を装い、女性のような仙人掌に似た植物という意味から名がついたと言われています。

現地のリトープスは、岩砂漠地帯で自生しています。茎と葉が一体化となり、動物の食害を避けるために現地の環境に擬態していることからです。

石のようなリトープスには「天窓」があり、光を当ててみると透き通っています。この「天窓」だけを上面に出して、中に光を取り込んで光合成をしています。また、一年に一回春先に脱皮しながら少しずつ大きく生長していきます。生長過程が面白いので観察しがいがあるのも魅力のひとつです。

ユニークな姿だけでなく花も魅力的な植物で、真ん中の割れ目から開花します。色も数種類あり、可愛らしい花が咲きます。

リトープスの詳細情報

園芸分類 多肉植物、メセン
耐寒性 やや弱い
耐暑性 やや弱い
花色 白,黄色,ピンク,オレンジ
開花時期 11月~1月

リトープスの育て方カレンダー

時期 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
成長期
生育緩慢期
休眠期
開花期

リトープスの栽培環境

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所に置きましょう。リトープスは、11月から4月の冬に生長する多肉植物です。休眠している夏場は完全に断水し、涼しい半日陰で管理します。生長期の冬場は日光によく当ててやりましょう。秋くらいから、花芽をつけて開花することもあります。ひょろっと細長く育つ場合は日光不足による徒長になります。

リトープスは風通しの良いところを好みます。風通しが悪いと、調子を崩したり病害虫の原因になります。

用土

水はけの良い土が適しています。多肉植物・サボテン専門店での取り扱いの専用土や市販の多肉植物の土でも栽培可能です。

リトープスの育て方のポイント

水やり

リトープスは脱皮をする多肉植物です。脱皮が始まったら、水を与えるのをやめましょう。夏場は完全に断水し、涼しい半日陰で夏越しします。秋になり涼しくなってきてから徐々に水を与えます。シワが目立ち、水を与えても吸う様子もなくしおれているような場合は、根腐れや株が痛んでいる場合があります。鉢から抜いて根の状態を確認してみるとよいでしょう。

肥料

生長期に緩効性化成肥料2か月に1回ほど少量与えるとよいでしょう。休眠期には施しません。

病害虫

ネジラミに注意しましょう。根っこに楕円形の白い虫のようなものが付きます。植え替え時に、根っこの様子も確認しましょう。もし、付いていたら根をよく洗って薬剤につけてから乾燥させます。十分に乾燥させたら、植えましょう。

リトープスの詳しい育て方

選び方

ぷっくりとハリのあるもので、傷がついていないものを選びましょう。徒長(とちょう)していない個体を選びます。徒長している(あきらかに他のと比べて伸びきている)ものは、弱い個体になっている可能性もあります。

種まき

受粉すると花後に果実ができます。その果実が茶色くカラカラになったら実を取り出し、中から種を出します。細かいので白い紙などの上で行うとよいでしょう。冷蔵庫で保存し、10月~11月に種をまきます。

土は赤玉細粒や川砂、粒の細かい水はけの良い土にまきます。発芽するまでは乾燥をさせないようにし、まめに水を与えます。やり方は霧吹きや鉢の底から水を吸わせるようにし、上からじょうろで与えるのは種が流れてしまうので避けましょう。ラップで覆うのも乾燥防止に効果的です。

植え替え・鉢替え

植え替えや株分けは生長期の10月から3月の間で行いましょう。

11月~翌1月頃まで開花します。明るくなると花が開き、夕方や暗いときは花を閉じています。松葉ボタンのような花弁の細い花が咲きます。

収穫

花後にぷっくりとした実ができていれば種を採取することができます。すぐに収穫するのではなく、茶色くカラカラに乾いたら取り出します。その中にたくさんの細かい種が入っています。

夏越し

夏は休眠期なので断水をします。シワシワになり可哀そうに感じますが、この時期に水を与えると逆に腐って枯れてしまうことがあります。高温多湿が苦手なため、夏(梅雨時期~)はなるべく風通しを良くします。風通しを確保しづらい場合は、サーキュレーターや扇風機を利用しましょう。真夏の直射日光は避け、半日陰の所で育てます。

冬越し

5℃以下になるようであれば室内に取り込みましょう。なるべく日当たりの良い場所で管理します。水やりは用土が乾いたら、たっぷりと水を与えましょう。

増やし方(株分け、挿し木、葉挿しなど)

脱皮後に分頭している株を分けることができます。無理矢理外すようなことはしないようにしましょう。

リトープスの季節ごとの育て方

生長期(1月~4月)

最低温度5℃以上の室内で管理しましょう。なるべく日当たりの良い場所で管理します。水やりは用土が乾いたら、たっぷりと水をやりましょう。個体が根腐れしないように乾いてから数日あけて与えるくらいがよいでしょう。

生育緩慢期(5月)

5月あたりになると休眠に向けて、準備をする個体が出てきます。西日の当たる温度が高くなる場所に置くと早めに休眠状態になってしまうので、午後は日陰になり風通しの良い涼しい場所で管理します。

しわが寄ってきてしまったものは、明るい日陰に移動させた方がよいでしょう。その際は水やりは少なめにし、徐々に水を控えます。乾かし気味の方が夏越しで失敗しにくくなるので、しわが寄ってきても我慢して水やりを控えましょう。

休眠期(6月)

雨の当たらない、明るい日陰で管理します。なるべく風通しの良い場所で休眠させてやりましょう。直射日光に当てると、葉焼けしたり溶けてしまうこともあります。風通しの悪い場所では、サーキュレーターで弱い風を送ってもよいでしょう。水やりは休眠期は断水します。乾燥に弱い種は少し葉水をする場合もありますが、乾燥気味の方が失敗する可能性が低いです。

休眠期~生育緩慢期(9月~)

9月下旬の涼しい時期になると生長期に向けて起き始めます。水やりは残暑がすぎた涼しい季節から再開します。夜の気温が20℃以下になったら、少しずつ水を与えていきましょう。夏場、しわが寄った個体もハリを取り戻します。気温が下がる前に与えてしまうと、個体が腐る可能性があるので気をつけましょう。

生育緩慢期(10月)

植え替えや株分けなどが行える時期です。日光に徐々に当てるようにしましょう。10月中旬頃には、日光の当たる場所へ移動させます。なるべく長く日当たりの良い場所に置いてやりましょう。水やりをしても水分を吸わない個体は、根腐れを起こしている可能性もあります。確認がてら植え替えてもよいと思います。

生長期(11月~)

11月の生長期は、なるべく日光に当たる場所で管理します。リトープスは冬型種でも寒さに強いわけではないので、最低気温が10℃を下回るようになったら、日の当たる室内やビニールハウスで管理します。

室内の気温が高いと、蒸れる場合もあるので温度管理は注意しましょう。水やりは用土が乾いたらたっぷりと。なるべく晴れた日の午前中に行い、夕方には土が乾くようにします。湿った状態が続くと根腐れします。天気が悪かったり、気温が低い日の水やりは避けましょう。

  • 監修者:LOVEGREEN編集部
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