ゴーヤとは?育て方・栽培方法|植物図鑑
- 植物名
- ゴーヤ
- 学名
Momordica charantia
- 英名
- Bitter melon,Balsam pear,Bitter gourd
- 和名
- ツルレイシ
- 別名・流通名
- 苦瓜
- 科名
- ウリ科
- 属名
- ツルレイシ属
- 原産地
- 東インド、熱帯アジア
ゴーヤの特徴
ゴーヤの正式和名は「ツルレイシ」といいますが、沖縄本島では「ゴーヤー」、宮古島では「ゴーラー」、八重山地方(石垣島や西表島など)では「ゴーヤ」、九州では「レイシ」「ニガゴリ、ニガゴイ」などと呼ばれており、本州などでは「ニガウリ」とも呼ばれています。
テレビ番組をきっかけに全国的に普及し、ゴーヤという名前で親しまれるようになりました。独特な苦味のあるゴーヤは、暑い地域の夏バテ解消のメニューとしても全国的に有名です。
ゴーヤのグリーンカーテン
家庭菜園としてゴーヤを育てる以外にも、つる性植物の特性を利用して夏の緑のカーテンとしても人気のゴーヤです。
ネットに絡ませてカーテンやシェード風に仕立てるゴーヤのグリーンカーテンは、緑の森の中にいるような気分を味わえるだけでなく、室温を下げる効果もあり、暑い夏を乗り切るための人気のガーデニングアイテムになります。
ゴーヤの詳細情報
園芸分類 | 野菜 |
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耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
花色 | 黄色 |
開花時期 | 7月~9月 |
ゴーヤの種類
ザウルスゴーヤ
恐竜の背中のようなトゲトゲが特徴的。実つきが良く、栽培初期から最後までたくさん収穫できます。
完熟ゴーヤのレシピ
ゴーヤは収穫適期を過ぎると、あっという間に黄色く完熟してしまいます。このように取り遅れて黄色く熟してしまっても、実は美味しく食べられることをご存知ですか?
このように中を割ってみると、種の色が明らかに違うことが分かります。
この種の部分を生のまま口に含んでみてください(種本体は食べないでください)。種の周りの赤いゼリー状の部分が、とても甘く感じます。
実の部分は、生でサラダとして食べることができます。薄くスライスした後、塩をまぶし少し苦味を取り除きます。その後、オリーブオイルやハーブなどで風味をプラスします。ほろにがの美味しさなので、お試しください。
※あまりにも苦いものや食用時に異変を感じた場合は、食べるのを中止してください。
補足
黄色く熟したゴーヤをそのまま収穫せずに、1日置いておくと裂果してしまうので注意しましょう。
ゴーヤの育て方カレンダー
時期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
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種まき | ||||||||||||
植え付け | ||||||||||||
収穫 |
ゴーヤの栽培環境
日当たり・置き場所
ゴーヤは日当たりを好みます。風通しの良い場所で育てましょう。
温度
ゴーヤの生育適温は20~30℃です。
用土
プランター栽培のゴーヤは、野菜用の培養土で育てましょう。
畑栽培のゴーヤは、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。
窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに植え付けができます。
ゴーヤの育て方のポイント
水やり
畑栽培のゴーヤの水やりは、土の乾燥がひどい時以外は控えるようにします。ただ、収穫最盛期には水分を多く必要とするので、乾燥させることのないよう定期的に水やりを行ってください。
プランター栽培のゴーヤは、プランターの表面の土が乾いたら、鉢底から水が流れ出てくるくらいたっぷりと水やりをします。特に、ゴーヤは収穫最盛期には水分を多く必要とするので、乾燥させることのないよう定期的に水やりを行ってください。
肥料
追肥は一番果の収穫期から開始します。基本的に2週間に1回与えますが、ゴーヤの追肥に関してはあくまで目安です。うっかり追肥を忘れても大丈夫。草勢を見ながら衰えたと感じたら追肥しましょう。
写真は、草勢が落ちて葉が黄色くなっている様子です。
病害虫
ゴーヤは比較的病害虫には強いですが、稀に青枯れ病・うどんこ病・立ち枯れ病(苗立枯病)・モザイク病の病気にかかります。病気の原因として、株が密植しすぎている、実がなる時期以前の水やりの量が多過ぎた(土壌の排水が悪い)、つるや葉が込み過ぎて日光不足や通風が悪くなっているなどが考えられます。栽培環境の改善に努めましょう。
ゴーヤの詳しい育て方
選び方
良いゴーヤの苗は子葉がしっかりついていて、本葉が3~4枚程付いた大きさで、茎の節間が短くて太く、しっかりしています。古い苗は葉が小さく、色も薄くなっていて、既にハダニに侵されているかもしれません。しっかりした苗を選びましょう。
種まき
ゴーヤは高温発芽性作物なので、発芽地温は25~30℃が適しています。育苗ポットに3~5粒ずつまいて、1cmくらい土をかぶせましょう。
植え付け
ゴーヤは、高温を好む南国生まれの野菜のため、植え付ける時期が重要です。関東では5月の連休以降が最適です。
プランターに植える場合
横長のプランターに1~2ポット植え付けていきましょう。
1.苗に充分水分を与える。
バケツに水を用意し、そこにゴーヤの苗を入れ水に浸します。
2.プランターに苗と同じくらいの穴を開け、苗を軽く手で押さえ根鉢を崩さないように植え付けます。
草花と違って野菜の根鉢は崩しません。根を傷つけないように気を付けましょう。
3.苗の周りを少し凹まして、苗にしっかり水が浸透するように植え付けましょう。
こうすることで、この部分に水が集まり、植え付けた苗に水が浸透しやすくなります。
4.箸又は小さめの支柱を立てて、麻ひもで誘引します。
強風で茎が折れたり倒れたりしないように麻ひもで誘引します。あまりきつく縛ることのないように八の字にして緩めに括り付けましょう。苗を傷めないように、支柱のところで結びましょう。
5.水をしっかり与えます。
植えたばかりの苗は土に活着するまでに少し時間がかかります。その際根が乾燥してしまわないためにも、植え付けから1週間位はしっかりと水を与えます。
畑に植える場合
基本的な作業はプランターに植えるときと同じですが、支柱を合掌型などにしてしっかりと立てる必要があります。
摘芯(摘心)・摘果
ゴーヤについての摘芯時期は様々です。本葉5~6枚のころ親づるを摘芯して、子づるをどんどん伸ばしていく方法もあれば、親づると子づる2本を伸ばして3本仕立てにし、栄養を3本に集中させるという方法もあります。旺盛に伸びていくので、実際放任状態でも育ちます。
花
雄花
雄花は細い花茎を伸ばして、黄色い花を咲かせます。
雌花
雌花は、黄色い花の後ろに赤ちゃんゴーヤがついている違いがあります。
収穫
ゴーヤの収穫は7月上旬から実がとれ始め、9月中旬まで収穫が続きます。着花してから20日前後の緑色で熟す前の果実を収穫しましょう。ゴーヤは収穫適期を見つけるのが難しいとされています。時機を逸すると一日で熟し黄色くなってしまいます。品種によって長さは15~35cm位にまで生長します。そのため、長さではなく、太さで判断することも収穫適期の目安のひとつです
熟したゴーヤの種の周りの赤い部分(ゼリー状の膜)が、ニガウリという名前とは似ても似つかない、とろっとして甘いジャムのようになりますし、黄色い実の部分は、苦味が抑えられサラダとして食べることができるので是非お試し下さい。 ただ、生長し過ぎた果実を沢山残してしまうと株が弱まってしまうので注意しなければなりません。草勢が弱まった時は、一度すべての実を早取りして株を休ませることで、再び大きな実をつけるようになります。草勢が弱いと、いずれ枯れてしまうのでよく観察しましょう。
支柱・誘引(ゆういん)
ゴーヤの支柱は、実の数が多くなると重みで倒れることがあるのでしっかりと立てましょう。あんどん型、タワー型、合掌型など、麻ひもをぐるぐる巻き付け、つるが絡まりやすい状態にします。
ゴーヤに受粉は必要?
ゴーヤは基本的にさほど授粉をしなくても、キュウリなどと同じように次々と実をつけてくれます。
しかし、マンションなどにお住まいで、なかなか虫がやってこない環境下で育てている方は、人工授粉に挑戦してみて下さい。ゴーヤの雌花が咲いたら、その日に咲いた新鮮な雄花を選んで晴れた日の朝9時~10時までには授粉しましょう。