ワスレナグサ似の野草 | キュウリグサ~garden note
金子三保子
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今回は4月に咲くワスレナグサに似た野草、キュウリグサをご紹介します。
キュウリグサはワスレナグサそっくりの見た目をした雑草として区分される草花です。あまりにも小さいので、よっぼど地面に注目しながら歩かないと見逃してしまうようなサイズの花です。
目次
キュウリグサとは
キュウリグサ
- 学名Trigonotis peduncularis
- ムラサキ科キュウリグサ属の越年草
- 開花時期3月~5月
キュウリグサは、ワスレナグサもよりもさらに小さな水色の花が4月ごろに開花します。花の直径は1ミリほどの米粒よりも小さな花です。
キュウリグサは穂状(サソリ型花序)に花が咲き、花は下から順に開花します。花も小さい上に色も淡め、咲き方も散らばったように咲くこともあって、地面に咲いていても見逃してしまうような野草です。
キュウリグサの名前の由来は、葉っぱをこすったりちぎったりするとキュウリの香りがすることから名前がついたそうです。
キュウリグサの葉。3月ごろになると急に生長が活発になります。
たくさん咲いてもまったく目立たないキュウリグサ。
我が家ではある年、突然この花が通路で開花して以来、少しずつ増えて毎春、開花するようになりました。雑草の中にははびこりすぎると他の草花が負けてしまうほど強い草花もあります。キュウリグサは増えはしますが、育てている草花と共存してくれるので、我が家では季節のお知らせ的な雑草のひとつとなっています。そのため抜かずに植えっぱなしにしているので、今ではあちこちで開花するようになりました。
キュウリグサとワスレナグサ
左・ワスレナグサ 右・キュウリグサ
ワスレナグサも小さな花ですが、それよりもさらに小さなキュウリグサ。ワスレナグサの花びら一枚分くらいの大きさです。色は淡い水色。大きさも色も控えめなので道端でも見逃してしまいがちです。
物語にも登場するキュウリグサ
キュウリグサは梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」の物語にも登場しています。この作品は映画化もされたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
主人公の女の子、まいちゃんはこのキュウリグサのことを「ヒメワスレナグサ」と名付け、物語のとても重要な場面で登場します。
私は本も映画も見て、映画を見た時点では我が家にはキュウリグサはありませんでした。映画を見た直後の春、突然通路にキュウリグサが!私の中ではとても思い出深い草花となっています。
「西の魔女が死んだ」はとても素敵な作品でキュウリグサ以外にもたくさんの草花が登場し、植物と生活が寄り添った物語なので、野草が好きな方にはおすすめです。
▼「西の魔女が死んだ」について
キュウリグサで小さな花あしらい
昨年、園芸店でキュウリグサと同じくらいの花のサイズの小さなワスレナグサを買いました。
右から普通のワスレナグサ、小さなワスレナグサ、左がキュウリグサです。この中でもキュウリグサはひときわ小さな花のサイズです。
▼春はかわいい野草がいっぱいです。生けて楽しんでみませんか。
とても小さな花ですが、意識して春の地面を見てみると至る所で咲いているキュウリグサ。
興味を持っていただけた方は、春の地面をちょっと気にしながら散歩に出かけてみてはいかがでしょうか。
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