アベリアとは?花の季節や種類、育て方や剪定のコツまで紹介
山田智美
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アベリアは耐寒性が強く、強健でとても育てやすい樹木です。お庭はもちろん公園や、公道の脇など多くの場所に植えられています。そんなアベリアについて、花の咲く季節、種類、育て方や剪定のコツ、挿し木の方法までご紹介します。
目次
- アベリアとは?アベリア基本情報
- アベリアの花咲く季節
- アベリアの香り
- 花だけじゃない!アベリアの萼片の魅力!
- こんなにある!アベリアの種類
- アベリアの育て方
- アベリアの剪定のコツ
- アベリアの挿し木の方法
アベリアとは?アベリア基本情報
- 学名:Abelia × grandiflora
- 科名、属名:スイカズラ科 、アベリア(ツクバネウツギ)属
- 分類:常緑、落葉低木
アベリアの特徴
アベリアは、枝いっぱいに小さな葉と小さな花を付ける常緑、または落葉の低木です。和名をハナツクバネウツギと言います。
アベリアは中国原産のシナツクバネウツギ(Abelia chinensis)と同属のユニフローラ(Abelia uniflora)の雑種であるとされています。最近ではこのアベリアから多くの園芸品種が作出されています。
アベリアの樹高は1m~1.5m程度で、枝を湾曲させるように伸ばし、こんもりとしたブッシュ状の樹形を成します。
アベリアは病害虫の被害も少なく強健なため、道路脇、歩道、公園、生垣、お庭など幅広く利用されます。
アベリアの花色は白色の他にピンク色があります。アベリアは葉の色も豊富で、光沢のあるグリーンや、白斑や黄斑が入るもの、赤く紅葉するものなど、多様です。
アベリアの花咲く季節
アベリアの花は春から咲き始め、秋まで咲き続ける四季咲きです。真冬以外はほとんど花を望めると言っても過言ではありません。桜(ソメイヨシノ)が咲き終わった頃から咲き始め、ニットを羽織りたくなるくらい寒くなるまで咲いています。
地域や品種によっては落葉することもありますが、一年を通して葉を絶やさず、花も四季咲きなので、いろんなシーンで活躍します。
アベリアの香り
アベリアの香りをご存知ですか?アベリアにはとっても控え目な芳香があります。
アベリアは枝の先にいくつかの花を固めるように咲かせます。一つ一つの花の香りは弱いのですが、花の塊に顔を近づけて確認すると、ほんのりと優しい香りがします。
アベリアに香りはないと思っている方も多いのではないでしょうか。ぜひ、この機会にアベリアの香りを確認してみてください。開花期間が長いので、確認のチャンスはたくさんあります。
花だけじゃない!アベリアの萼片の魅力!
アベリアの魅力は花だけではありません。アベリアは萼片も魅力的なフォルムをしています。アベリアには種ができないようです。その為、アベリアの花が終わった後には萼片が残ります。花が咲いていた時と同じように枝の先に残る萼片の塊は、それもまた違う花のようで、とても可愛らしく見えます。
花が咲いていないアベリアを見つけたら、枝の先を観察してみてください。可愛らしい萼片が残っているかもしれません。
こんなにある!アベリアの種類
アベリアにはたくさんの種類があります。アベリアの種類を紹介します。
アベリア
- 学名:Abelia × grandiflora
アベリアと言えば、基本はこの種を指します。中国原産のシナツクバネウツギと同属のユニフローラの雑種です。葉は小さく1㎝程度、光沢のあるグリーンをしていて、花色は白色です。花にはほんのりと芳香があります。
アベリア‘エドワード・ゴウチャー’
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Edward Goucher’
アベリア‘エドワード・ゴウチャー’は、アベリアから作出された園芸新種で、ピンク色の花を咲かせます。花色は濃いピンク色、葉はアベリアと同じく光沢のあるグリーンをしています。花付きよく強健で、育てやすい品種です。
アベリア‘フランシス・メイソン’
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Francis Mason
アベリア‘フランシス・メイソン’は、アベリアの園芸品種です。光沢のある葉に黄色の斑が入ります。花色は白です。地域にもよりますが、冬でも葉を残すので、寂しくなった庭を明るい雰囲気にしてくれます。
アベリア‘コンフェッティ’
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Confetti
アベリア‘コンフェッティ’は、アベリアの園芸品種です。葉に黄斑が入ります。秋になると紅葉し、黄色の部分が赤く染まるのも魅力です。耐寒性は弱いようで、関東でも厳寒期は落葉しますが、翌春にはまたきれいな新芽が出てきます。
アベリア‘ホープレイズ’
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Hopleys
アベリア‘ホープレイズ’はアベリアの園芸品種です。光沢のある葉に明るいクリーム色の斑が入ります。花色は白です。濃いグリーンの植栽の中に混ぜると、木漏れ日が当たっているような明るい雰囲気を演出してくれます。
アベリア‘カレイドスコープ’
- 学名:Abelia × grandiflora cv. Kaleidoscope
アベリア‘カレイドスコープ’は、アベリアの園芸品種です。カレイドスコープは日本語で万華鏡の意味。その名前の通り、一年を通して葉の色を変える特徴があります。葉は明るいグリーンに黄の斑入りです。秋にかけてオレンジ色へと変化していき、寒くなると赤く色付きます。
アベリア・シューマニィー
- 学名:Abelia Shumannii
アベリア・シューマニィーはアベリアと同じ、アベリア(ツクバネウツギ)属の別種です。ピンク色の花を咲かせることから、モモイロアベリアという名前で流通しています。
アベリアの育て方
アベリアの植え付け、用土
アベリアは非常に強健で、あまり土壌を選びません。地植えでも鉢植えでも育てられます。花付きをよくしたいなら、日当たりの良い場所に植え付けるようにしましょう。
鉢植えのアベリアは、市販の園芸用培養土で問題なく育てられます。
アベリアの水やり
地植えのアベリアは、根付いてからは特に水やりの必要はありません。降雨に任せます。鉢植えのアベリアは表土が乾燥して白っぽくなったら、鉢底から流れ出てくるくらいたっぷりと水やりをします。
アベリアの肥料
特に追肥の必要はありません。
アベリアの病害虫と対処法
特に目立った病害虫の被害はありません。
アベリアの剪定のコツ
アベリアの剪定は、花を楽しみたいなら冬に行いましょう。厳寒期の1月~2月を避けて、冬の間に樹形を整えるようにします。混み合った枝も風通しがよくなるように整理します。この時期の剪定は多少強めに刈り込んでも問題ありません。アベリアは強めの剪定にも耐えられ、メンテナンスも楽なことから、マンションのエントランスや公共道路の生垣として刈り込まれた形でも植栽されています。
生長期の剪定は勢いのあるシュートを地際から切るだけにします。アベリアは生長期に大きくシュートを伸ばします。シュートとは株元から出てくる若い枝のことです。
アベリアの挿し木の方法
アベリアは挿し木で増やせます。アベリアの挿し木の方法を紹介します。
- 真夏と真冬を避けた暖かい時期にアベリアの枝を7~10㎝程度カットし、枝の先4~5枚を残して下の方の葉は取り除く
- 1~2時間水に浸けててしっかりと吸水させる
- 赤玉土小粒などに挿し、水をたっぷりと与える
- その後は新芽が出てくるまで水を切らさないように管理する
葉を4~5枚しか残さないのは余計な水分の蒸発を防ぐ為です。葉をすべて取り除いてしまうと光合成ができなくなってしまいます。さじ加減が大切です。
新芽が出てきたら、発根した証です。もう十分安定したな、と思えるくらい葉が出てきたら、好きな鉢やお庭に植え替えましょう。
アベリアはとても強健で育てやすい植物です。排気ガスや病害虫にも強いと言われているだけあって、公道の脇などに植えてある株も緑が生き生きとしています。常緑で目隠しにもなるアベリアは、お庭に一株は欲しい樹木です。
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