クランベリー|花や実の時期と特徴、食べやレシピを紹介
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クランベリーについて、花咲く時期と特徴、実のなる時期と特徴、味や食べ方、レシピを紹介します。クランベリーは、赤い実がかわいいお庭でも鉢植えでも育てられる庭木です。
目次
クランベリーとは?基本情報
- 学名:Vaccinium oxycoccos(ツルコケモモ)、Vaccinium macrocarpon(オオミノツルコケモモ)
- 科名、属名:ツツジ科スノキ属
- 英名:cranberry, bearberry
- 分類:常緑低木
クランベリーの特徴
クランベリーは、ヨーロッパ北部、日本を含むアジア北東部、北アメリカなどに自生する常緑のほふく性常緑低木です。低木といっても木らしい姿にはならず、地際を這うように枝を伸ばすほふく性で、また、つる植物のように、周囲の木に絡みつくこともありません。一見多年草のような印象です。
春に白い花を咲かせ、秋に赤い実を実らせます。花も実もかわいらしく、観賞価値が高いことから、ガーデニングで人気があります。冷涼な環境を好み、高温多湿が苦手ですが、風通しの良い場所で管理すれば、問題なく夏越しできます。
クランベリーの和名
クランベリーの和名は、ツルコケモモ、オオミノツルコケモモです。どちらもほふく性常緑低木で、真赤な果実を実らせます。
ツルコケモモは果実の直径が6~10mm程度と小さめ、オオミノツルコケモモは果実の直径が10~20mm程度と大きく、観賞価値も高いことから鉢植えとして広く流通しています。園芸店やホームセンターなどでクランベリーとして販売されているものの多くは、オオミノツルコケモモです。
クランベリーの花咲く時期と特徴
クランベリーの花咲く時期
クランベリーの花咲く時期は、5月~6月です。ブルーベリーなどの他のツツジ科の仲間と同じ頃に開花します。枝の先に、直径1cm足らずの小さな花を咲かせます。
クランベリーの花の特徴
クランベリーの花は、4枚の花びらの先端が外側に反り返るように咲くのが特徴です。イカリソウやカタクリの花のような、とても特徴的なフォルムをしています。
クランベリーの実の時期と特徴
クランベリーの実の時期
クランベリーの実がなるのは、9月~11月です。枝の先に、真赤に熟した丸い実を実らせます。ただしクランベリーは、本来寒冷な湿地を好む植物なので、暖地ではきれいに赤く色付かないこともあるようです。
クランベリーの実の特徴
クランベリーの実の大きさは、ツルコケモモは直径6~10mm程度、オオミノツルコケモモは直径は10~20mm程度。まん丸な球形で、表面にはツヤがあり、触ると弾力があります。秋が深まるにつれ赤く熟していきます。真赤に熟したクランベリーの果実はとても可愛らしく、いつまでも眺めていたくなるほどです。
クランベリーの味や食べ方
クランベリーの味
真赤に熟したクランベリーの実は、宝石のように美しく魅力的で、見るからにおいしそうです。フレッシュのクランベリーはどんな味なのでしょうか。図鑑や本によると、酸味が強く生食には向かない、と書いてあります。
案ずるより産むが易し、クランベリーの生の実を食べて確かめてみました。フレッシュのクランベリーの実は酸っぱいし、若干の渋みはあるしで、生食には不向きでした。さらに水分も少なく、サクッという食感の後に酸っぱさと舌に残る渋味がやってきます。
フレッシュのクランベリーの実は、お世辞にもおいしいと言えるものではありませんでした。おすすめはしません。
クランベリーの栄養
クランベリーは、ポリフェノールやキナ酸、ビタミンCなどを含有しています。ポリフェノールやビタミンCは、美肌効果が期待できるといわれている栄養素です。
クランベリーの食べ方|ドライフルーツ
クランベリーは、生食には向かないことや、保存が難しいことなどから、ドライフルーツが流通しています。レーズンのようにクランベリーを乾燥させたものです。ドライフルーツになったクランベリーは、フレッシュの状態と違って甘みが増して食べやすくなります。そのまま、あるいはシリアルやヨーグルトになどに混ぜていただきます。
クランベリーの食べ方|ジュース
クランベリージュースは、果汁を絞ったもの。市販のクランベリージュースは、糖分が加えられているので酸味も少なく、飲みやすく仕上げてあります。
クランベリージャムの作り方
フレッシュのクランベリーがたくさん収穫できたら、ジャムにして楽しんでみましょう。
材料
- フレッシュクランベリー 収穫できただけ
- 砂糖 クランベリーと同量
- レモン果汁 少々
- 水 少々
作り方
1. 鍋に洗ったクランベリーを入れ、砂糖をまぶしてしばらく置いておく
2. クランベリーから水分が出たら、レモン果汁を加え、弱火で加熱する
3. こげないように時々かき混ぜ、水分が少ないようなら様子を見ながら足す
4. 実の形が崩れて、とろりとするまで煮詰めたら出来上がり
クランベリーは水分が少ないので、好みの固さになるように水を加えてください。砂糖は好みで増やしたり、減らしたりして問題ありません。砂糖が少ないと保存期間が短くなります。レモン果汁がなくてもとろみが付きますが、加えたほうが色鮮やかに仕上がります。クランベリーの収穫量が少ないようであれば、リンゴなど、他の果物と混ぜてジャムにするのもよいでしょう。
パンやスコーンにつけて食べる他に、感謝祭の七面鳥料理のソースにも使用されます。
感謝祭の七面鳥とクランベリージャムの関係
感謝祭(サンクスギビング)とは、アメリカ合衆国の祝日で、毎年11月の第4木曜日とされています。感謝祭のご馳走には、七面鳥のロースト(ローストターキー)やパンプキンパイなどが並びます。この七面鳥のローストには必ずクランベリージャムのソースが添えられます。七面鳥のローストとクランベリージャムの関係は古く、1621年まで遡ります。
1620年にイギリスからアメリカ大陸に渡ってきた開拓民たちは、その年の冬の寒さと食糧不足に困窮し、近くに住むネイティブアメリカンに助けを求めたそうです。開拓民は、ネイティブアメリカンに穀物の育て方を教わり、秋には豊作に恵まれました。ネイティブアメリカンの知恵のお陰で、冬を凌ぐのに十分な食料を得られた開拓民は、彼らを招待してお礼の宴をしたのが感謝祭の始まりだといわれています。
クランベリーを食料とすることを、開拓民に教えたのがネイティブアメリカンだったということで、感謝祭の七面鳥には必ずクランベリージャムが添えられるようになったそうです。
お肉にジャムという組み合わせにちょっと抵抗を覚えたのですが、甘酸っぱいクランベリージャムが添えられた七面鳥のローストは、意外にもクセになる味でした。
クランベリーの育て方
場所、用土
クランベリーは暑さに弱いので、風通し良く、西日を避けた日当たりの良い場所で管理します。夏の高温多湿に気をつけて管理しましょう。
クランベリーはブルーベリーなどと同じく、酸性土壌を好みます。ピートモスを混ぜて、土壌を酸性にしておきましょう。鉢植えのクランベリーは、市販のブルーベリー用の培養土などが向いています。
水やり
乾燥に弱く、湿り気のある環境を好むので、土が乾ききらないように注意しましょう。庭植えも鉢植えも、表土がかわいたらたっぷりと水やりしましょう。
肥料
2月と9月に有機肥料を施します。
剪定
秋の収穫が終わったら、混み合った枝を整理するように剪定します。また、5月に花が咲いていない枝を確認し、間引くようにします。
病害虫とその対処法
比較的目立った病害虫の被害はありません。風通しが悪いと稀にカイガラムシが付くことがあります。見つけ次第捕殺します。日頃から風通しよく管理することが大切です。
真赤に熟した実が可愛らしいクランベリー。花の可愛らしさも魅力です。湿気に弱いのが難点ですが、風通しの良い場所で管理すれば夏越しも問題ありません。クランベリーの性質を知って、毎年花や実を楽しみましょう。
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