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コブシ、モクレン、ハクモクレンの違いと見分け方

開花時期も花の雰囲気もよく似た、コブシ、モクレン、ハクモクレンの違いと見分け方を紹介します。それぞれの特徴や、つぼみや実、葉の特徴の解説付きです。

目次

コブシ、モクレン、ハクモクレンの違いと見分け方

コブシ、モクレン、ハクモクレンの見分け方は、花の大きさが5~7cm、花色は白、花びらは6枚で全開していたらコブシ、花の大きさが7~10cm、花色は赤紫で、6枚の花びらがチューリップのように上向きに咲いていたらモクレン、花の大きさが0~15cm、花色は白、花びらは9枚でチューリップのように上向きに咲いていたらハクモクレンです。

コブシの見分け方ポイント

コブシ

コブシの見分け方は、花径5~7cm程度の白い花で、花びらの数は6枚。花びらを開かせて咲くので、花芯が見えます。モクレンやハクモクレンとの違いは、花の大きさと花びらを広げる咲き方です。

  • 花色は白
  • 花径は5~7cm
  • 花びらを広げて咲く
  • 花びらの数は6枚

モクレンの見分け方ポイント

モクレン

モクレンの見分け方は、花径は7~10cm程度の赤紫色の花、花びらは6枚、咲き方はチューリップのような上向きで、花びらには厚みがあります。コブシ、ハクモクレンとは花色が違うので、見分けがつきます。

  • 花色は赤紫色
  • 花径は7~10cm
  • 咲き方はチューリップのような上向き
  • 花びらの数は6枚

ハクモクレンの見分け方ポイント

ハクモクレン

ハクモクレンの見分け方は、花色は白で直径は10~15cm程度と、3種類のなかで一番大きな花を咲かせます。チューリップのような咲き方で、枝に上向きに花を咲かせるので花芯は見えません。ハクモクレンの花びらの数は9枚、そのうち3枚は花びらのように見えるガクです。花びらには厚みがあります。

コブシと同じ白い花を咲かせますが、ハクモクレンの方が花が大きく、チューリップのようなフォルムをしている点で見分けます。モクレンとは、花色と花びらの枚数の違いで見分けます。

  • 花色は白に近い生成色
  • 花径は10~15cm
  • 咲き方はチューリップのような上向き
  • 花びらの数は9枚

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コブシ、モクレン、ハクモクレンの特徴

コブシ、モクレン、ハクモクレンは、春に花が咲くモクレン科モクレン属の落葉樹です。花が咲く時期、花の雰囲気が似ているので混同されがち。それぞれの特徴をわかりやすく解説します。

コブシ

コブシ

  • 学名:Magnolia kobus
  • 科名・属名:モクレン科・モクレン属
  • 分類:落葉高木
  • 花期:4月

コブシの特徴

コブシは、日本の山野にも自生するモクレン属の落葉高木。通常見かけるものは5~10mほどですが、放っておくと30m近くにまで大きくなります。花は5~7cm程度、白い花びらを広げるように枝いっぱいに咲かせます。枝の上の方に咲くので確認が難しいのですが、花には芳香があります。葉は花の後から展開されるので、満開の時期は、木が花で覆われたようになります。街路樹、公園、庭園などでよく見られる他、個人のお庭のシンボルツリーとして人気があります。

モクレン

モクレン

  • 学名:Magnolia liliiflora
  • 科名・属名:モクレン科・モクレン属
  • 分類:落葉低木
  • 花期: 3月~4月

モクレンの特徴

モクレンは、赤紫色の花がきれいなモクレン属の落葉低木です。白い花を咲かせるハクモクレンと区別するためにシモクレンと呼ばれることもあります。花の大きさは7~10cm程度、樹高は3~5m程、コブシやハクモクレンは5mを超す高木なのに対して、モクレンは樹高が低いのが特徴です。花には芳香があり、下の方の枝の花に顔を近づけると、爽やかな香りを楽しめます。花が咲き始めると出てくる葉は、花の終わりごろには花を隠してしまうくらいに繁ります。樹高が低く、管理しやすいため、個人のお庭や庭園でよく見かけます。

ハクモクレン

ハクモクレン

  • 学名:Magnolia denudata
  • 科名:モクレン科
  • 分類:落葉高木
  • 花期:3月~4月

ハクモクレンの特徴

ハクモクレンは、中国原産のモクレン属の落葉高木。樹高は10~15mくらいまで大きくなり、10~15cm程の芳香のある白に近い生成色の花を咲かせます。花びらの数は9枚で、そのうち3枚は花びらのように見えるガクです。花には芳香がありますが、樹高が高いので、残念ながら確認できません。花の後から出てくる葉も15cm程度と大きく、卵型をしています。街路樹、公園、庭園、寺院、個人のお庭など身近な場所で見かける花木です。

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コブシ、モクレン、ハクモクレンのつぼみや実、葉の特徴

ハクモクレン

コブシ、モクレン、ハクモクレンのつぼみは、ふわふわとした柔らかい毛に包まれています。これは冬の寒さからつぼみを守るためだと考えられています。開花時には、この毛皮のようなガクを下に落とします。切り枝を花瓶に生けて自宅で楽しむ際には、花が開くたびに下に落ちるガクをこまめに掃除しましょう。

 

タイサンボク

タイサンボク

同じモクレン属の仲間でも、夏に開花するタイサンボクやオオヤマレンゲなどのつぼみはふわふわとした毛は生えていません。冬の寒さから花を守る必要がないからです。植物の身を守る術や、無駄のなさには、いつも感心させられます。

コブシ、モクレン、ハクモクレンの実の特徴

コブシ、モクレン、ハクモクレンの実の特徴

コブシ、モクレン、ハクモクレンは秋になると、硬い殻に包まれた実を付けます。殻は表面がぼこぼことした独特の形状をしています。この実が握り拳に似ていることからコブシの名がついたとされています。熟すと殻が裂けて中から朱色のような種子が現れます。

コブシ、モクレン、ハクモクレンの葉の特徴

コブシ、モクレン、ハクモクレンの葉の特徴を紹介します。花が咲いていない時期に見分ける際の参考にしてください。

コブシ

  • 色:グリーン
  • 形:幅の細い楕円形
  • 大きさ:10~15cm

モクレン

  • 色:グリーン
  • 形:楕円形
  • 大きさ:10~20cm

ハクモクレン

  • 色:グリーン
  • 形:卵形で先端が突起している
  • 大きさ:10~20cm

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タムシバとコブシの違い

コブシと間違われやすい種類でタムシバという花木があります。同じ時期に花を咲かせるモクレン科の落葉高木です。タムシバとコブシの見分け方を紹介します。

タムシバ

タムシバAdobe Stock

タムシバ Adobe Stock

  • 学名:Magnolia salicifolia
  • 科名・属名:モクレン科・モクレン属
  • 分類:落葉高木
  • 花期:4月~5月
  • 花色:白

タムシバの特徴

タムシバはコブシより少し遅れて開花するモクレン属の落葉高木です。コブシと同じように花には芳香があります。花の大きさや咲き方もコブシとよく似ています。花びらは6枚、花色は白で芳香があります。樹高は6m~10m程度でよく枝分かれします。

タムシバとコブシの見分け方

タムシバとコブシは花や樹形がよく似ているため、花で見分けるのは難しいかもしれません。見分け方は、花後に葉が出てきてからです。コブシの葉は楕円形、タムシバの葉はコブシより細く、柳に似た細く長い葉なので、見分けがつきます。

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コブシ、モクレン、ハクモクレンは、咲く時期や花が似ている庭木です。どの花も春の訪れとともに甘く優しい香りの花を咲かせます。次の春にはコブシ、モクレン、ハクモクレンの特徴を覚えてお出かけしてみてください。春のお散歩がさらに楽しくなるかもしれません。

 

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