記事カテゴリ

Special

庭木を大きくしたくないときの剪定! 芯止めの方法

大きくなり過ぎた庭木も、芯止めで高さを調整すれば管理が楽になります。庭木の高さを抑え、樹形も整う芯止めについて、仕組みと方法、時期、注意点などをわかりやすくお話します。

目次

芯止めとは|仕組みと方法を紹介

芯止め

芯止めとは、植物の生長点を切り取ることで、生長を抑えるテクニック。高さを抑え、脇枝を増やす効果があります。庭木の芯止めは、樹高が高くなりすぎないよう調整する他、樹形を整えたり、枝数を増やして花や実をたくさん楽しむために行います。

また、庭木の種類によって生長速度に違いがあるため、崩れがちな庭全体の景観やバランスを整える効果もあります。

どうして生長が止まるの?芯止めの仕組みと効果

庭木は主幹の一番頭頂に生長点があり、そこから先へ先へと伸びていきます。芯止めは、この生長点を止めてしまうことで、それ以上伸びることを抑制することができるという仕組みです。また、芯止め後は脇枝を伸ばすことに栄養を使うため、全体の生長が抑制されて緩やかになったり、それまで日光が当たりにくかった下の方の枝の生長を促すなど、庭木全体の生長を調整する効果があります。

主幹を芯止めして、それ以上高くならないようにしても、脇から出てきた枝が上へ上へと伸びていき、結果的に樹高が高くなるような時は、枝の生長を抑えるための剪定を行いましょう。これは、枝が上や横に広がるのを防ぎ、樹形を整える効果があります。枝がいくつかに分かれているような時は、中心の太い枝を切ってください。

芯止めの方法

芯止めは主幹を好みの高さで切り取る作業です。高さにルールはありませんが、手入れのしやすい2~3mが目安です。必ず勢いのある脇枝が出ている位置の少し上で切るようにしましょう。あまり下の方で芯止めを行うと萌芽力がなく、そのまま枯死してしまう心配があります。

幹の太さや材質によりますが、剪定ばさみやのこぎりを使用して切ります。うまく切れないからといって、無理に折ろうとしないでください。縦に裂けてしまうと、全体に負担がかかり、枯死してしまうこともあります。

芯止めを行う位置は、脇枝が出ている箇所の少し上です。あまり上過ぎると、枝葉のないところに余計な養分が流れ、全体に負担がかかります。また、その後の樹形としても美しくありません。脇枝の少し上で切れば、生長して葉を茂らせた脇枝が芯止めの切り口を隠してくれます。

芯止めができる代表的な樹種

芯止めは、樹高が高くなる樹種に行います。オリーブやシマトネリコ、キンモクセイ、ツバキといった常緑樹や、ハナミズキやヤマボウシ、サルスベリ、モクレンのような落葉樹が、芯止めができる樹種です。

目次に戻る≫

芯止めする時期

芯止めする時期

芯止めは、庭木への負担を最小限にとどめるために、休眠期や生長が緩やかな時期におこないましょう。

落葉樹

落葉樹の芯止め時期は11月~3月です。落葉している時期というのは、休眠している時期なので、大きな枝を切り落としてもその後の生長にあまり影響が出ません。温暖な地域では寒さが厳しくなる2月を避けて12月を中心に、寒冷地は寒さが落ち着いた3月頃、積雪する地域は雪が溶け始めた頃に行いましょう。

また、落葉期は葉がなくなるため、庭木全体の姿が確認しやすくなります。芯止めと同時に不要な枝を整理する整枝も行うとよいでしょう。

常緑樹

常緑樹の芯止め時期は3月~5月です。春は常緑樹が新芽を出し、古い葉を落とす更新期です。この時期は芯止めのような強剪定をしても問題ありません。新しい枝が生長する前に芯止めを行えば、その後に枝葉が茂るので樹形が整います。

この時期に花が咲いているツバキやツツジは、花が終わってから芯止めをしましょう。キンモクセイやギンモクセイのような秋に花が咲く品種は、開花後が理想的ですが、タイミングを逃してしまった場合は、この時期に行います。

目次に戻る≫

芯止めで注意すること

芯止めで注意すること

切る位置

あまり低い位置で芯止めを行うと脇から枝が伸びてくることなく、枯死してしまう恐れがあります。必ず枝が出ている少し上の位置で芯止めするようにしてください。

高さの目安は、見た目のバランスが良い2~3m、あるいは「自分で手入れがしやすいかどうか」を基準に判断するとよいでしょう。

芯止めする時期

芯止めに適した時期は先にお話しした通り、落葉樹なら11月~3月、常緑樹なら3月~5月です。芯止めは主幹の生長点を切る大きな剪定です。庭木への負担が少ない時期を選ぶようにしましょう。

特に夏の芯止めは避けてほしいところ。夏は生育旺盛な時期です。また、最近の日本の夏は高温で乾燥も激しく、庭木への負担の多い時期でもあります。この時期に芯止めのような強剪定をすると大きな負担がかかり、その後の生長に影響が出る心配があります。健やかな庭木を育てるために、夏の剪定は避けるようにしましょう。

癒合剤

芯止め後に切断面から雑菌が入り、病気にかかってしまう心配があります。芯止め後は、癒合剤をまんべんなく塗布し、切断面を保護するようにしてください。

癒合剤とは、樹脂やワックスから作られた植物に塗る傷薬のようなもので、切り口を保護し雑菌や病原菌の侵入を防ぎます。同時に水分や養分の流出を防ぎ、切り口を乾燥から守ります。芯止め以外の強剪定を行ったときにも有効です。ホームセンターなどで入手できます。

目次に戻る≫

芯止めとは、庭木の高さを抑えることを目的とした剪定のこと。枝数を増やし、樹形を整え、花や実を増やす効果もあります。周囲の他の庭木とのバランスもとれて、庭全体の景観も整います。必要に応じて芯止めを行い、理想のお庭作りを楽しんでください。

 

▼編集部のおすすめ

もっと楽しむ

メルマガ会員募集中

  1. 旬の園芸作業やおすすめの植物情報をお届け
  2. 季節の植物情報やプレゼント企画の先行お知らせ
  3. お気に入り記事や植物図鑑を登録してすぐに見つけられる
  4. Q&Aでみんなに質問したり回答を投稿できる

メールアドレスと
パスワードだけで登録完了

会員登録画面へ進む

LOVEGREEN QA 質問してみる 小さな相談でも皆で解決!

LOVEGREEN 公式アカウントをフォロー!

庭木・シンボルツリーの人気記事ランキング

LOVEGREENの新着記事

TOP