花木とは?庭木におすすめの57種類を春夏秋冬の季節ごとに紹介

山田智美
このライターの記事一覧

花木について、漢字の読み方や基本情報、おすすめの花木を春夏秋冬の季節ごとに、さらに低木まで57種類を紹介します。花の写真付きなので名前もわかります。
目次
花木とは?基本情報
花木の読み方や意味
- 読み方:花木(かぼく)
花木とは、観賞価値のある花を咲かせる庭木、あるいは観賞を目的とする花を咲かせる庭木のこと。花を眺め、愛で、楽しむために植えます。広義には食用ではなく、観賞用の果実を実らせる庭木も花木と呼びます。
庭木とは
- 読み方:庭木(にわき)
庭木とは、人為的に庭に植える樹木のこと。花木や果樹、生垣など、人の手で庭や公園などに植えられたものはすべて庭木です。
花木と果樹の違いとは
- 読み方:果樹(かじゅ)
花木は花を観賞するための庭木、果樹は食用になる果実を実らせる庭木のことを指します。花木は花の観賞を目的としているのに対し、果樹は果実を収穫して食用にすることを目的とします。どちらも庭木ですが、目的が違います。
食用に不向きで観賞価値のある果実を実らせる庭木は、多くの場合花木に分類されます。
春に咲く花木15種
梅(ウメ)
- 花期:1月~3月
- 樹高:3~5m
梅(ウメ)はバラ科の落葉高木。まだ寒い初春に香りの良い花を咲かせます。梅(ウメ)には花を観賞する花梅(ハナウメ)と実を食用とする実梅(ミウメ)があります。
- 梅(ウメ)は、初春のまだ寒い時期に香りのよい花を咲かせる落葉高木です。日本には中国からかなり古い時代に薬用として渡来しました。梅(ウメ)の樹高は10mに達しますが、3~5m程度で管理され、古くから花、香り、果実の3拍子揃った春を告げる落葉花木として全国各地で植栽され広く親しまれています。 梅(ウメ)の枝は広く張り、葉は長さ5~8cm程度で二重鋸歯があります。花は2年枝の細く短い枝に2.5センチ程度の花をつけます。梅(ウメ)は品種によって開花期に違いがあります。性質上、野梅性・緋梅性・豊後性・杏性の4系統に分けられますが園芸上は花を観賞する梅と果実の収穫を目的とする梅に分けられます。 果樹としては各地に産地があり、観賞樹としては庭や公園に春を告げる木として好んで植えられます。また、梅(ウメ)は花もの盆栽の代表格です。
マンサク
- 花期:2月~3月
- 樹高:2~5m
マンサクはマンサク科の落葉高木。初春に黄色やえんじ色の花を咲かせます。枝を横に広げる樹形が美しいので、周囲にじゅうぶんなスペースを確保して植えつけましょう。
- マンサク(満作)は、まだ寒さが残る2月頃から、はっとするような黄色い花を咲かせ、いち早く春の訪れを教えてくれる日本原産の落葉低木。日本各地の山林にも自生していて、紅葉も美しい樹木です。 花びらは長さ約2㎝ほどの線形で、遠くまで良い香りが漂います。葉より先に花が咲くため、満開時は木一面を花が覆いつくします。派手さはありませんが、あたりの木々がまだ落葉している中での花はとても目立ちます。 マンサク(満作)は生長が遅く、狭い場所への植え付けにも向きます。耐寒性に優れ、病害虫の害も少なく育てやすいため、庭木のほか街路樹としても植栽されています。 マンサク(満作)の名は、春一番に咲く「まず咲く」という言葉が変化してつけられたと言われています。また、マンサク(満作)はたくさんの花をつけるので、作物の豊年満作を占う植物として古くから親しまれてきました。そのことから豊年満作を祈願して名前が付けられたとも言われています。
ミモザ
- 花期:3月~4月
- 樹高:5m以上
ミモザはマメ科の常緑高木。ミモザという名前は、黄色い房状の花を咲かせるアカシア属の総称です。ギンヨウアカシア、シンジュバアカシア、サンカクバアカシアなどがあります。
- 「ミモザ」はギンヨウアカシアやフサアカシアなど、黄色い房状の花を咲かせるマメ科アカシア属の総称です。シルバーリーフと呼ばれる銀色がかったグリーンの葉が特徴的な半落葉~常緑高木です。本来の「ミモザ(mimosa)」はオジギソウの学名ですが、黄色の房状の花が咲くアカシアの仲間の呼び名として使われています。 ミモザ(アカシア)は庭木としても人気です。銀色がかったグリーンの葉と、春先に咲く明るい黄色の花のコントラストが美しい樹木です。ただしミモザ(アカシア)は庭植えにすると非常に大きくなるので、植える場所を考える他に毎年の剪定が必要になります。 3/8は国際女性デーといって、女性の政治的自由と平等を訴える日として国連が制定しています。この日はイタリアでは「女性の日」とされ、女性への日頃の感謝を込めて、男性から女性へミモザ(アカシア)の花を贈る習慣があります。日本でも「ミモザ(アカシア)の日」とされ、女性へミモザ(アカシア)の花を贈る習慣が定着しつつあります。
河津桜(カワヅザクラ)
- 花期:2月~3月
- 樹高:5m以上
河津桜(カワヅザクラ)はバラ科の落葉高木。2月後半から咲き始める早咲きの桜です。濃いピンクの花色が美しく、開花期間が長いのも魅力です。
- 河津桜はサクラ属の落葉高木です。静岡県の河津町で発見されたのが名前の由来です。河津桜は早咲き種で、関東では2月頃から咲き始めます。桜の代表として一般的に有名なソメイヨシノよりも1~2ヶ月早く開花します。さらに、河津桜はソメイヨシノよりも花色が濃いピンクをしていること、ソメイヨシノに比べて花期が長いことも特徴として挙げられます。 河津桜は園芸品種ではなく自然交雑種だと言われています。つまり人によって改良され作り出された品種ではなく、自然の産物です。オオシマザクラとカンヒザクラの交雑種ではないかと推定されています。 河津桜は、関東ではまだ寒い早春の2月頃から開花し、春の訪れをいち早く報せてくれる桜です。色も濃く明るいピンクであることも併せて人気が高く、最近では個人の庭や公園、街路樹などにも多く利用されるようになってきました。
枝垂れ桜(シダレザクラ)
- 花期:3月~4月
- 樹高:10m以上
枝垂れ桜(シダレザクラ)はバラ科の落葉高木。枝を下垂させて花を咲かせる姿が美しい桜の仲間です。花色は白、淡いピンク、濃いピンクなど。八重咲き種もあります。
- 枝垂れ桜(シダレザクラ)は糸桜(イトザクラ)とも言い、エドヒガンの枝が細く枝垂れるように垂れ下がったものを指します。枝垂れ桜(シダレザクラ)の中でも花色が濃いものを紅枝垂れ(ベニシダレ)、花が八重咲きのものを八重紅枝垂れ(ヤエベニシダレ)と呼びます。 枝垂れ桜(シダレザクラ)はソメイヨシノより少し早い、3月後半から咲き始めます。花は薄紅色から濃いピンク、一重咲きから八重咲きまであります。枝を大きく枝垂れさせるのが特徴で、花が咲いている優美な姿は思わず見とれてしまうほどです。 枝垂れ桜(シダレザクラ)は種からも発芽しますが、面白いことに親と同じ枝垂れる株は少ししか出てこないので、エドヒガンの幹に枝垂れ桜(シダレザクラ)を接ぎ木をして作られています。
染井吉野(ソメイヨシノ)
- 花期:3月~4月
- 樹高:10m以上
染井吉野(ソメイヨシノ)はバラ科の落葉高木。日本でもっとも多く植えられている桜といえば、この染井吉野(ソメイヨシノ)です。
シデコブシ
- 花期:3月~4月
- 樹高:10m以上
シデコブシはモクレン科の落葉高木。白やピンクの香りの良い花を咲かせます。花径は6~7cm、開くと花芯が見えるのが特徴です。
ハクモクレン
- 花期:3月~4月
- 樹高:10m以上
ハクモクレンはモクレン科の落葉高木。白く香りの良い花を咲かせます。花径は10~15cm、花びらはガクを入れて9枚、上向きに花を咲かせるので花芯は見えません。
ライラック
- 花期:4月~6月
- 樹高:2~5m
ライラックはモクセイ科の落葉高木。紫やピンク、白の香りの良い花を咲かせます。高温多湿が苦手なので、風通しの良い場所に植えるようにしましょう。
- ライラックは4月~6月に開花する落葉小高木で、葉はハート形、花は円錐形に小花が房咲きになります。ライラックの花は、紫色、薄紫色、ピンク色、白色などの一重や八重の花をつけます。香りがよいので、世界中で愛されている花木です。 ライラックはフランス語でリラ、和名は紫丁香花(ムラサキハシドイ)といい、ハシドイは日本に自生する近縁種の落葉小高木のことです。ライラックは冷涼な気候を好み、特に夏の夜温が下がるところを好みます。日本では東北北部や北海道、本州の高原地帯が適地といえます。ライラックは風通しがよく、湿気の少ない環境を好みます。暖地に植える場合は西日が当たらない日当たりのよい場所を選んで植えましょう。 ライラックの属名のSyringa(シリンガ)はギリシア語で笛やパイプを意味するsyrinxに由来し、枝の髄の部分をくりぬいて管にし笛をつくって古代ギリシャでは羊飼いたちがライラックの笛を吹いていたそうです。トルコではこれをパイプにしていたそうです。
トキワマンサク(ベニバナトキワマンサク)
- 花期:4月~5月
- 樹高:3~5m
トキワマンサク(ベニバナトキワマンサク)はマンサク科の常緑高木。ピンク色のリボンを裂いたような特徴的なフォルムの花を咲かせます。葉の密度が高いので目隠しとしても人気のある花木です。
- トキワマンサクはマンサク科の常緑樹。4月~5月にピンクや白の花が一斉に開花し、遠くから見ると木全体が花に覆われているように見えるほど華やかです。 病害虫に強く丈夫なトキワマンサクは、和風、洋風どちらの雰囲気にも合い、街路樹や公園樹、マンションなどのエントランスの植栽としてよく利用されています。芽吹き力が強く刈り込みに耐えるため、生け垣として使うこともできます。 糸状の細い花びらの集合体が花となっている一風変わった見た目をしています。濃いピンクの花を咲かせるベニバナトキワマンサクは、トキワマンサクの変種です。トキワマンサクの色は、白、ピンク、紅、絞りなどがあり、這性、しだれ樹形、二季咲きなど、様々な咲き方の品種が流通しています。
ハナミズキ
- 花期:4月~5月
- 樹高:10m以上
ハナミズキはミズキ科の落葉高木。春に白やピンクの花を咲かせます。夏のグリーン、秋の紅葉、秋から冬の赤い実と、四季を通して観賞できる美しい花木です。
- ハナミズキはミズキ科の落葉樹で、桜(ソメイヨシノ)が咲き終わるころ、白やピンクの美しい花が開花します。北米原産でアメリカを代表する花のひとつで、別名「アメリカヤマボウシ」とも呼ばれています。 昔は桜やイチョウなどが多かった街路樹ですが、令和4年4月現在、東京都内の街路樹で一番多いのがハナミズキです。樹齢が古くなると10m以上まで生長しますが、桜やイチョウほど大きくならないのも最近の街路樹として利用される原因かもしれません。現在は全国各地に分布し、極端に寒さの厳しい地域以外なら栽培可能です。寿命は桜と同じく80年程度と言われています。 花だけでなく、花が終わった後に出てくる葉も美しく、枝は横に広がるように生長します。 秋になると赤い実がなり、紅葉した後に落葉します。落葉樹の中では、色づきだすのと葉が落ちるのが早いほうです。自然樹形が美しく、花、葉、実、紅葉、樹形と、一年を通して見どころの多い樹木なので、街路樹のほか庭木にもよく利用されます。
ドウダンツツジ
- 花期:4月~5月
- 樹高:2~5m
ドウダンツツジはツツジ科の落葉樹。春に釣鐘型の白い花を咲かせます。近縁種にピンクの花を咲かせるサラサドウダンもあります。夏のグリーン、秋の紅葉も美しい花木です。
モッコウバラ
- 花期:4月~5月
- 樹高:5m以上
モッコウバラはバラ科のつる性半常緑樹。春にカスタードクリームのような淡いクリーム色や白の花を咲かせます。つるバラですが、自分から絡みついてはいかないので、誘引が必要です。
モッコウバラ
- モッコウバラは中国原産の常緑低木、一季咲きのつるバラです。モッコウバラは非常に強健で、病害虫の被害の少ない育てやすいバラです。 モッコウバラの開花期は4~5月です。花色は白かカスタードクリームのような淡い黄色で、咲き方には一重と八重咲きがあります。直径2~3cm程度の小ぶりな花を、枝の先に5~10輪くらい房のようにたわわに咲かせます。春に枝先が花の重みで弓なりにたわんで開花している姿は美しく、道行く人の目を捉えます。 モッコウバラは強健であると同時に生育も旺盛で、10mくらいにまで生長します。花が終わったら早めに剪定を行い樹形を整えることと、適宜誘引を行い枝が暴れないように管理する必要があります。
バラ
- 花期:4月~5月、9月~10月
- 樹高:3m程度
バラはバラ科の落葉樹。花色は、赤や白、黄色、オレンジ、ピンク、紫、その他複色など多様です。春だけに開花する一季咲きの他、秋にも咲く二季咲き、四季咲き種もあります。
カラタネオガタマ
- 花期:4月~5月
- 樹高:3~5m
カラタネオガタマはモクレン科の常緑高木。春に梨やバナナを思わせるような香りの良い花を咲かせます。花色はクリーム、赤紫などです。
初夏~夏に咲く花木9種
エゴノキ
- 花期:5月~6月
- 樹高:7~15m
エゴノキはエゴノキ科の落葉高木。春に白く星型の花を咲かせます。株立ちのエゴノキは華奢な印象が美しく、シンボルツリーとして人気があります。
エゴノキ
- エゴノキとは、樹高は7~15m前後になる落葉高木で日本にも広く分布しています。雑木林などにも自生している他、庭木としても親しまれています。樹皮は暗紫褐色でつるんとしてなめらかです。 エゴノキの葉は長さ4~8cmで互生します。5~6月頃に直径2cmほどの5弁の白い花が鈴なりにぶら下がって咲き、独特の美しさがあります。エゴノキの花の散り方は、花びらを散らさずに、咲いていた形のままで落下していきます。白い花がくるくると回りながら落ちていく姿は、とても可愛らしい趣きがあります。秋早めに果実が熟して、1果に1つだけ入っている種を出します。 株立ちのエゴノキは華奢な幹と風が抜けるような涼し気な姿が美しく、シンボルツリーとして人気があります。暑さ、寒さに強い丈夫な樹種で自然樹形のままで整うのも、庭木として人気の理由です。緑陰樹にはなりませんが花が美しいので公園や緑地にも植えられます。ピンクの花が咲く品種もあります。
スモークツリー
- 花期:5月~6月
- 樹高:3~5m
スモークツリーはウルシ科の落葉高木。ふわふわとした羽毛のような花が魅力の花木です。花色は淡いグリーンや紫など。葉色もグリーンの他、深みのあるボルドーカラーの品種があります。
常緑ヤマボウシ
- 花期:5月~7月
- 樹高:5~10m
常緑ヤマボウシはミズキ科の常緑高木。初夏に白い花を咲かせます。枝をあまり広げないので、狭いスペースでも育てやすい庭木です。
ジャカランダ
- 花期:5月~6月
- 樹高:3~15m
ジャカランダはノウゼンカズラ科の落葉高木。初夏に紫色の花を咲かせます。熱帯地方原産ですが、日本でも温暖な地域では屋外で越冬できます。樹高が低く育てやすい矮性種もあります。
ジャカランダ
- ジャカランダはノウゼンカズラ科の落葉高木です。初夏に青紫色の花を咲かせます。葉は鳥の羽のような繊細な形状をしています。ジャカランダは世界3大花木のひとつとされています。世界三大花木とは、鳳凰木(ほうおうぼく)、火炎木(かえんぼく)ともうひとつが紫雲木(しうんぼく)という和名を持つジャカランダです。 ジャカランダは熱帯地方の乾期に花が咲き、花後か花と同時に新芽を出します。暑さには強く寒さには弱い性質を持っています。ある程度の高木にならないと花が咲かないので、日本ではジャカランダの花の鑑賞は難しいとされてきました。最近では日本国内でも温暖な地方では満開のジャカランダを見られます。 原産地は南米ですが、ポルトガルでは大航海時代に南米から入ってきたものが根付いたと言われており、ポルトガル人にとっても特別な花です。日本人が春の桜を心待ちにするように、ポルトガルでは青紫のジャカランダの花が愛されているそうです。 ジャカランダは温暖な気候を好むため、関東以北の露地では越冬が難しいと考えられています。小さなサイズの鉢植えのジャカランダは、観葉植物として親しまれています。小さな鉢植えのジャカランダは花は咲きませんが、明るいグリーンの葉に観賞価値があります。
タイサンボク
- 花期:5月~7月
- 樹高:20m以上
タイサンボクはモクレン科の常緑高木。初夏に白く香りの良いを咲かせます。大きくなる木ですが、樹高が低く育てやすい矮性種もあります。
ナツツバキ
- 花期:6月~7月
- 樹高:5m以上
ナツツバキはツバキ科の落葉高木。夏の初め頃に白いツバキに似た花を咲かせます。シャラの木という別名でも流通しています。
- 夏椿(シャラの木)は、6月頃にツバキに似た白い花を咲かせるツバキ科の落葉高木です。夏椿(ナツツバキ)という和名は、ツバキに似た花を夏に咲かせることから名付けられました。 9月~10月頃には小さな実ができ、熟すと先が裂けて種子が出ます。 夏椿(シャラの木)は日本原産で、東北以南の山地に自生しています。葉の形は先がとがったタマゴ形、葉は明るい黄緑色で葉脈がはっきりして、新緑や紅葉も楽しめる樹木です。幹は灰褐色でなめらかでサルスベリに似ています。 シャラの木(沙羅の木)という名は、この植物がお釈迦様が入滅するときに近くに生えていたサラソウジュ(沙羅双樹)に似ていることに由来すると言われています。サラソウジュは寒さに弱く日本では育ちにくいため、日本の寺院などにはサラソウジュに似ているシャラの木が植えられてきた歴史があるそうです。最近は、花や葉、幹の美しさからマンションのエントランスの庭木、個人宅のシンボルツリーや庭木としてもよく使われています。
サルスベリ
- 花期:7月~10月
- 樹高:3~10m
サルスベリはミソハギ科の落葉高木。別名を百日紅というくらい開花期間が長い花木です。花色は白、ピンクの濃淡、紫などがあります。
- サルスベリは、夏から秋まで長く開花するミソハギ科の落葉樹です。自然樹形でも形が整いやすく手入れが楽なので、庭木の他に公園や街路樹などでも人気があります。枝を大きく横に広げて、その先にたわわに花を咲かせ、花にも樹形にもボリュームがあり遠くからでも目立ちます。 サルスベリの花は非常に開花期が長く、真夏の暑い中でも休むことなく開花し続けます。ピンク濃淡、赤、白、紫、複色など花色が豊富で、銅葉など葉に特徴のある品種も登場しています。 サルスベリの特徴は木の肌にもあります。樹皮はザラザラしていますが、一度樹皮が剥がれ落ちると白い木肌が見え、その部分はつるつるしています。この木肌はサルが木に登ろうとしても滑って落ちてしまいそうなのが「サルスベリ」の名前の由来です。
デイゴ
- 花期:6月~10月
- 樹高:5m以上
デイゴはマメ科の落葉高木。夏に真赤な花を咲かせます。熱帯地方原産の花木で、温暖な地域では屋外で越冬が可能です。地植えにするととても大きくなります。
フェイジョア
- 花期:7月~8月
- 樹高:5~6m
フェイジョアはフトモモ科の常緑高木。夏に花を咲かせます。白い花びらは肉厚で、中心から赤いしべが飛び出している、印象的な花です。
フェイジョア
- フェイジョアは、高さ5~6mになるフトモモ科の常緑小高木で、庭木や生垣にも用いられます。葉は長さ5~7cmの卵形の楕円形で革のような光沢があります。葉の裏面には綿毛が密に生えて銀白色です。7月~8月に直径4cm程度の花が咲きます。分厚い花弁の外側は白い綿毛が生え、内側は薄紫色、鮮やかな赤いおしべが特徴的です。エディブルフラワーとして食べることもできます。フェイジョアの果実は卵状の楕円型で灰緑色。果肉はパイナップルのような香りがあり、生食やジャムにして食べられます。フェイジョアは別名をパイナップルグアバといい、日本には昭和初期にアメリカから渡来しました。暖地性の樹種ですが、寒さにも強く成木ではマイナス10度にも耐えられます。
秋に咲く花木4種
ハギ(萩)
- 花期:7月~9月
- 樹高:1~1.5m
ハギ(萩)はマメ科の落葉低木。夏から秋にかけて、白や紫、赤紫などの花を枝いっぱいに下垂させるように咲かせます。秋の七草の一つです。
- ハギ(萩)は秋の七草にも入っているくらい古くから日本で好まれてきた落葉低木です。秋の花というイメージが強いハギ(萩)ですが、実は夏の盛りから咲き始めます。ハギ(萩)の花は夏から咲き始めて、初秋には満開になります。 ハギ(萩)の樹形は、枝垂れるように伸ばした枝に直径1~1.5㎝程の赤紫色のマメの花をたくさん咲かせます。単色ではなく僅かにグラデーションがかかったような色合いをしているので、花の表情に複雑さが出ます。枝垂れた枝に赤紫色の花を咲かせて風に揺れる姿は美しく、秋を感じさせる花です。赤紫色の花が一般的ですが、白花種もあります。 非常に生育旺盛で、短く切り詰めてもすぐに大きく枝を伸ばします。他のマメ科の植物と同じように根に根粒菌を保持していますので、土壌を肥沃にする特性があります。
キンモクセイ(金木犀)
- 花期:9月~10月
- 樹高:5~6m
キンモクセイ(金木犀)はモクセイ科の常緑高木。香りの良いオレンジ色の花を咲かせます。常緑で葉の密度が高いので目隠しとしても人気があります。
- 金木犀(キンモクセイ)は、秋に甘い香りを漂わせながらオレンジ色の小花が開花するモクセイ科の常緑樹です。庭木としての他、公園や街路樹としても利用され、甘い香りのする花は秋の訪れを知らせてくれるような存在です。金木犀(キンモクセイ)のオレンジ色の小花をいっぱいにつけた姿は、日差しを受けると名前の通り金色に輝いて見え、秋の風物詩となっています。 金木犀(キンモクセイ)の名付け親は、植物学の父と呼ばれ、NHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者の牧野富太郎博士で、学名にもMakinoの名があります。また、遠くまで香りが届くことから古くは「千里香」とも呼ばれていました。 金木犀(キンモクセイ)の花は食用にもなり、原産地・中国では花を砂糖漬けやシロップ、リキュールなどに利用します。中国茶の桂花茶(けいかちゃ)は、金木犀(キンモクセイ)の花を乾燥させたお茶です。
ムラサキシキブ(紫式部)
- 観賞期:9月~11月
- 樹高:2~3m
ムラサキシキブ(紫式部)はシソ科の落葉低木。初夏にピンク色の小さな花を咲かせ、秋に紫色の果実を実らせます。果実は食用にはできませんが、観賞用として好まれます。
- ムラサキシキブ(紫式部)は、秋に実る紫の実が美しい日本原産の落葉低木です。古くから山地の湿地や森林に自生しています。葉の色は実がなりだす初秋は緑、秋が深まってくると徐々に黄色く色づき、紫色の実と葉の色合いが目を引きます。その美しい実から英名ではJapanese beautyberryとも言われています。実は葉が落葉した後もしばらくついていますが、冬に自然に落下します。 ムラサキシキブ(紫式部)の近縁にコムラサキがあり、流通上はコムラサキも含めてムラサキシキブ(紫式部)として販売されています。園芸店で販売されているムラサキシキブ(紫式部)はコムラサキの方が多いため、個人宅や公園などの公共スペースの植栽で見られるのはほとんどがコムラサキです。それぞれは樹高や実の付き方に違いがありますが(下記参照)育て方に違いはありません。
マユミ
- 観賞期:10月~11月
- 樹高:2~6m
マユミはニシキギ科の落葉高木。秋に外側はピンク、中は朱色の美しい果実を実らせます。果実は食用にはできませんが、観賞用として好まれます。
冬に咲く花木3種
ボケ(木瓜)
- 花期:11月~5月
- 樹高:1~3m
ボケ(木瓜)はバラ科の落葉低木。冬から春にかけて、白やピンク、赤などの花を咲かせます。枝にトゲがあるので、生垣として好まれます。
- ボケ(木瓜)は早春から春にかけて梅のような花を咲かせる落葉低木で、盆栽として大変人気の高い植物です。また、花の美しさから庭木としても人気があります。ボケ(木瓜)の枝には鋭いトゲがあるので、生垣としても利用されてきました。 ボケ(木瓜)の血筋は少々複雑で、日本に古くからあるクサボケや中国のカラボケ、チョウセンボケ、マボケなどを利用し江戸時代に品種改良が盛んにおこなわれた結果、現在の「ボケ(木瓜)」と呼ばれている植物ができあがりました。最近では日本ブームでヨーロッパでも盛んに品種改良が進んでおり、今までなかったような大輪の派手なボケ(木瓜)も生まれており、日本に逆輸入されています。 一般に早春から咲き始める品種が多いなか、11月頃から咲き始める寒木瓜や四季咲きの品種もあり、四季を通じて楽しむことができます。
サザンカ(山茶花)
- 花期:10月~4月
- 樹高:5m以下
サザンカ(山茶花)はツバキ科の常緑低木。冬から春に白やピンクの花を咲かせます。常緑で葉の密度が高いので目隠しとして人気があります。
- サザンカ(山茶花)はツバキ科の常緑低木です。花や葉の特徴はツバキによく似ていて、間違えられることの多い庭木です。サザンカ(山茶花)は耐寒性が強く常緑で、日向から半日陰まで植え付け可能なので、庭木として人気の樹種です。 サザンカ(山茶花)の葉はツバキに比べて小さく、葉の縁にはギザギザがあり、葉に厚みがあります。枝には毛が生えています。サザンカ(山茶花)の開花期は10~4月の寒い時期です。花は一重咲きが多いですが、八重咲きもあります。サザンカ(山茶花)の花は、雄しべがツバキの花のように筒状にはならず、花も平たいのが特徴です。 サザンカ(山茶花) は花首からぼとりと散るツバキと異なり、花びらが一枚ずつ散っていきます。
ツバキ(椿)
- 花期:11月~4月
- 樹高:5~20m
ツバキ(椿)はツバキ科の常緑高木。冬の厳寒期を休んで秋から春まで花を咲かせます。常緑で葉の密度が高いので目隠しとして人気があります。
- 椿(つばき)は日本を代表する花木で、海外でも近年非常に人気の高い樹木です。椿(つばき)は日本の書物、万葉集に記述があるほか、縄文時代の遺跡からも椿の種などが発見されており歴史の古い樹木です。常緑高木で照葉を一年中楽しめ、昔から盛んに園芸品種の作出が行われ、花色、花形、葉の形など多様な品種が栽培されています。特に花の少ない冬に見事な美しい花を咲かせることから、茶花(ちゃばな)の中でも格の高い花で「茶花の女王」とも称されます。また、その種子から採られる「椿油」は髪や肌に良いことから様々な化粧品に用いられています。椿(つばき)の木材は強度が高く質が均一であることから、印鑑や漆器、彫刻の材料として用いられており文化的にも重要な樹木の一つです。
低木の花木26種
アセビ(馬酔木)
- 花期:2月~4月
- 樹高:1~3m
アセビ(馬酔木)はツツジ科の常緑低木。春に白やピンクのかんざしのような花を咲かせます。
- アセビ(馬酔木)は日本各地に自生するツツジ科の常緑低木です。庭木としても人気があり、個人の庭から公園、街路樹として広く利用されています。初春、沈丁花が咲く頃に白く小さな壺状の花をカンザシのように、房状に咲かせます。白花の他に赤花種もあります。顔を近づけるとほのかに芳香があるのも特徴です。光沢のある明るいグリーンの葉を手のひらを広げたように放射状に付けます。 街中で見かけるアセビ(馬酔木)はきちんと刈り込まれ、樹形が整えられていますが、山野では大きく生長し枝が暴れたようになっている姿も見かけます。 漢字の「馬酔木」は文字通り、馬がこの木を食べると酔ったようになってしまったことから当てられた漢字です。アセビ(馬酔木)には毒性があると言われているので、口に入れることのないように気を付けてください。
沈丁花(ジンチョウゲ)
- 花期:3月~4月
- 樹高:1~1.5m
沈丁花(ジンチョウゲ)はジンチョウゲ科の常緑低木。春に白やピンクの花を咲かせます。沈丁花(ジンチョウゲ)は香りが良いことでも有名です。
- 沈丁花(ジンチョウゲ)は香り高い花を咲かせる春の代表的な樹木で、春の沈丁花(ジンチョウゲ)、夏の梔子、そして秋の金木犀を合わせて三大香木と称されます。沈丁花(ジンチョウゲ)はジンチョウゲ科の常緑低木で、春先に小さな花が毬のような塊になって枝先に咲きます。花が白い品種を「シロバナジンチョウゲ」、花の外側が淡紅色になっているものを「ウスイロジンチョウゲ」と言います。ちなみに、葉の外側に斑が入っているものを「フクリンジンチョウゲ」と呼びます。 沈丁花(ジンチョウゲ)の特徴と言えば香り高い花。「沈丁花」という名前は、花の香りが沈香(ちんこう)に似ていることと、十字型の花が丁子(クローブ)に似ていることに由来しています。沈丁花(ジンチョウゲ)の原産は中国と言われており、室町時代にはすでに栽培されていたという記述があります。 沈丁花(ジンチョウゲ)の樹高は1m~1.5mほどで、枝が良く分岐するので特に剪定をしなくても丸くこんもりとした樹形を保ちます。沈丁花(ジンチョウゲ)は雌雄異株で、雄株と雌株があります。日本で流通している沈丁花(ジンチョウゲ)の多くは雄株なので、実を見る機会はめったにありませんが、赤い可愛らしい実を付けます。ただし、実は猛毒ですので口に入れないように注意しましょう。
ヒュウガミズキ
- 花期:3月~4月
- 樹高:2~3m
ヒュウガミズキはマンサク科の落葉低木。春にクリーム色の花を、枝いっぱいに咲かせます。葉は花の後から出てきます。
ミツマタ
- 花期:2月~3月
- 樹高:2m程度
ミツマタはジンチョウゲ科の落葉低木。初春に砂糖菓子のような花を咲かせます。ミツマタという名前は枝が3つに分岐することに由来しています。
レンギョウ
- 花期:3月~4月
- 樹高:2~3m
レンギョウはモクセイ科の落葉低木。明るい黄色の花を枝いっぱいに咲かせます。葉は花の後から出てくるので、開花中は黄色の花だらけの景色を楽しめます。
ミツバツツジ
- 花期:3月~4月
- 樹高:3m程度
ミツバツツジはツツジ科の落葉低木。青みがかった薄紫色が美しいツツジです。葉は花の後から出てくるので、開花中は宙に薄紫色の花だけが浮かんでいるようで美しい花木です。
ユキヤナギ
- 花期:3月~4月
- 樹高:1~2m
ユキヤナギはバラ科の落葉低木。春に枝垂れる枝いっぱいに真白な花を咲かせます。風にそよぐ姿が美しい花木です。
ヤマブキ
- 花期:4月~5月
- 樹高:1~2m
ヤマブキはバラ科の落葉低木。春にオレンジがかった黄色の花を咲かせます。株元から枝を出して増えるので、生長するとこんもりと茂みのようになるのが特徴です。
シャリンバイ
- 花期:4月~5月
- 樹高:1~3m
シャリンバイはバラ科の常緑低木。春に白い梅に似た花を咲かせます。強健なため、生垣によく使用されます。
アベリア
- 花期:四季咲き(5月~初冬)
- 樹高:0.5~2m
アベリアはスイカズラ科の常緑低木。気候がよければ四季咲きです。花色は白の他にピンクもあります。
アベリア
- アベリアは生垣や下草、公園、川沿いの緑道、街路樹などにとてもよく使われている半常緑低木です。(一般的には常緑ですが、寒冷地では落葉する場合があります。)最近では、マンションなどのエントランスの植栽にも、アベリアを使用されているのを見かけます。 アベリアは性質が丈夫で、特別な手入れをしなくても生長する手入れが簡単な植物です。また、花の時期が5月~初冬までと、とても長く咲き続けるのも特徴のひとつです。花は白やピンクですが、花びらが散ったあとにガクがきれいに残るので、その状態も観賞価値があります。 ▼アベリアについて詳しくご紹介しています。 アベリアとは?花の季節や種類、育て方や剪定のコツまで紹介 アベリアは耐寒性が強く、強健でとても育てやすい樹木です。お庭はもちろん公園や、公道の脇など多くの場所に植えら… 山田智美 2020.09.27 庭木・シンボルツリー
サツキ、ツツジ
- 花期:5月~6月
- 樹高:0.5~1.5m
サツキ、ツツジはツツジ科の常緑低木。初夏に白やピンク、濃いピンクの花を咲かせます。非常に強健なので、生垣はもちろん街路樹としても人気があります。
セアノサス
- 花期:5月~6月
- 樹高:1~3m
セアノサスはクロウメモドキ科の落葉低木。カリフォルニアライラックという別名でも流通しています。青みがかった紫色の花が涼しげで印象的です。
カルミア
- 花期:5月~6月
- 樹高:1~3m
カルミアはツツジ科の常緑低木。初夏に金平糖のような花を咲かせます。花色は白やピンク、濃いピンクなどがあります。
マートル(銀梅花)
- 花期:5月~6月
- 樹高:1~3m
マートル(銀梅花)は太ももの常緑低木。初夏に真白な梅に似た花を咲かせます。枝葉に芳香があります。
ギンバイカ(マートル)
- ギンバイカ(マートル)は地中海沿岸原産の常緑低木です。春に花びらが5枚の梅に似た花を咲かせるところから、和名を銀梅花(ギンバイカ)と言います。ハーブとして扱われる場合は「マートル」という名前で流通しています。 冬にはオリーブに似た黒い果実を付けます。光沢のある明るいグリーンの葉には芳香があり、ハーブとして肉料理などに利用される他、ギンバイカ(マートル)の精油も人気があります。ギンバイカ(マートル)は古代ギリシャを始め、ヨーロッパでは昔から神聖な樹とされてきました。「祝いの木」とも言われ、ヨーロッパでは昔から結婚式で使用されてきました。日本でも枝もの花材として流通しています。 常緑で葉の密度も高いことから生垣としてもよく利用されます。斑入りの品種「バリエガタ」は、より柔らかい印象を与えます。また、樹高が1mほどで、葉も小さく比較的コンパクトに栽培できるヒメギンバイカ(姫銀梅花)という品種もあり、別名ドワーフマートルとも呼ばれています。 同じフトモモ科の植物にギンバイカ(マートル)と名前が似ているレモンマートルがありますが、ギンバイカ(マートル)はギンバイカ属、レモンマートルはバクホウシア属の別の植物です。
アジサイ
- 花期:5月~7月
- 樹高:3m以下
アジサイはアジサイ科の落葉低木。日本の梅雨を代表するような花です。花色はピンクや紫、青、そのグラデーションや複色と、とても豊富です。育てやすいので人気の花木です。
アナベル
- 花期:5月~7月
- 樹高:1~3m
アナベルはアジサイ科の落葉低木。別名をアメリカアジサイともいう、海外で品種改良されたアジサイの仲間です。咲き始めは白、徐々にグリーンに変化していく花色が魅力です。
アナベル
- アメリカアジサイやセイヨウアジサイの別名を持つアナベルは、アジサイの仲間の落葉性低木です。 初夏に20~30cmの大きな花が開花します。花色は、咲き始めはグリーン、咲き進むにしたがって白くなり、夏を過ぎると再び秋色グリーンに変化します。大きな花ですが主張しすぎることがなく、周囲の草花と調和するため、庭木として人気があります。暑さ寒さに強く育て方も容易で剪定も簡単なので、植物園やガーデンなど、さまざまな場所にも植えられています。 最近は、基本種のほか、矮性種や花が大きい品種、ピンクのアナベルなど、年々品種が増えています。 アナベルは鉢ものの他、切り花としても出回っていて、切り花やドライフラワーとしても利用されています。
カシワバアジサイ
- 花期:5月~7月
- 樹高:1~2m
カシワバアジサイはアジサイ科の落葉低木。名前の通り、柏の葉のようなフォルムの葉と、大きなピラミッド型の花が特徴です。秋の紅葉も美しく、オーナメンタルプランツとして人気があります。
ドドナエア
- 花期:6月
- 樹高:1~3m
ドドナエアはムクロジ科の常緑低木。花のように見えるのは、果実です。葉色がグリーンの品種やボルドーカラーの品種があります。
クチナシ
- 花期:6月~7月
- 樹高:1~2m
クチナシはアカネ科の常緑低木、英名はガーデニア。初夏に真白な香りの良い花を咲かせます。花は一重咲きや八重咲きがあります。
- クチナシは常緑低木で、葉は光沢のある長い楕円で濃緑色で葉脈がはっきりとしています。クチナシはの花は6月~7月に白色の花を咲かせます。花弁はフェルトのような優しい風合いをしています。香りが特徴的で甘い香りを周囲に漂わせます。 花の形は八重咲と一重咲きがあり、一重咲きの品種は秋になると橙色の実をつけ、熟しても口を開かない事から「クチナシ」の名が付いたと言われています。 お庭に植えられる方も多いクチナシですがだいたい1m~2mにほどになります。枝が詰まって葉が育つ為、垣根としてに好まれます。また、『山吹の 花色衣 主や誰 問へど答へず くちなしにして(秋が過ぎ、冬が来ても一向に口を開けない)』という歌が由来の原点ともいわれています。
ランタナ
- 花期:5月~10月
- 樹高:0.3~1m
ランタナはクマツヅラ科の常緑低木。初夏から秋にかけて色鮮やかな花を咲かせます。花色はピンクや白、黄色、オレンジなど。1株で花色を変化させるものもあります。
ランタナ
- ランタナは、クマツヅラ科の半耐寒性常緑低木。樹高は30~120cmほどです。熱帯地方原産の花で、日本では小笠原諸島など暖かい地方に分布しています。本来は常緑ですが、冬の寒さや霜に弱く枯れてしまうことがあるため、一年草扱いされる場合があります。東京以西の暖かい地域では、屋外での冬越しも可能です。鉢花やポット苗が多く流通し、園芸用として楽しまれています。 ランタナの茎葉には細かいトゲがあり、葉に触れると表面がざらついていたり、茎もチクチクします。次々とわき芽を増やし、横にこんもりと広がって生長していきます。1mm四方の小さな花が一か所にいくつもひしめき合って徐々に花が咲きます。 咲き方がアジサイに似ていますが、全く別の科の植物です。咲き進むたびに花色が変わり、色のグラデーションが楽しめるため、別名で七変化と呼ばれています。蝶に好まれる植物として、バタフライガーデンの植栽にも用いられます。
ボタンクサギ
- 花期:6月~10月
- 樹高:1~3m
ボタンクサギはシソ科の落葉低木。初夏から夏に濃いピンクの毬のような花を咲かせます。花には甘い香りがありますが、葉には独特の香りがあります。
クフェア
- 花期:5月~10月
- 樹高:0.3~1m
クフェアはミソハギ科の常緑低木。初夏から秋に、白やオレンジ、ピンクなどの花を咲かせます。樹高が低いので花壇の縁やグランドカバーなどに使用されます。
デュランタ
- 花期:6月~10月
- 樹高:0.5~2m
デュランタはクマツヅラ科の常緑低木。夏に白や紫の花を咲かせます。開花期間が長いので、夏の間中楽しめます。屋外で越冬可能ですが、冷涼地では冬は屋内に取り込むようにしましょう。
- デュランタは青や白の小花が集まって房になり、垂れ下がって花を咲かせる熱帯花木。夏の鉢物や観葉植物としても人気があります。丈夫で開花期間が長く霜に当たらなければ屋外で冬越しできるので、暖地では庭木や生け垣としてよく使われます。暑さや乾燥に強く生育旺盛ですが、寒さにそれほど強くないので霜に当たらないように冬越し対策が必要です。 デュランタは日当たりの良い環境が大好きで、日がよく当たると花付きが良くなり、日が当たらないと花が咲かなくなります。室内で育てる際も、なるべく日当たりの良い明るい場所に置くようにしましょう。 デュランタの斑入り葉や黄金葉は、どちらかというと花よりもカラーリーフとして葉を楽しむ品種です。花が咲かない時期もその美しい葉色を楽しめます。
セイヨウニンジンボク
- 花期:7月~9月
- 樹高:1~3m
セイヨウニンジンボクはシソ科の落葉低木。夏に薄紫色の香りの良い花を咲かせます。暑い季節に涼しげな色の花を咲かせる花木です。
ムクゲ
- 花期:7月~9月
- 樹高:1~2m
ムクゲはアオイ科の落葉低木。夏に白やピンク、紫色の花を咲かせます。ムクゲの花は一日花で、朝開いて夕方にはしぼんでしまいますが、次々と花を咲かせるので、長く開花を楽しめます。
- ムクゲは夏の暑い盛りに涼やかな花をたくさんつけるアオイ科の落葉低木です。ムクゲは非常に強健で刈り込みにも耐えることから道路脇の街路樹として利用されることもあります。ハイビスカスのような南国を思わせるムクゲですが、耐寒性が非常に強く北海道でも地植えにすることができるほどです。また、ことわざで「槿花一日の栄(きんかいちじつのえい)」や「槿花一朝の夢」と言ったムクゲを冠したものがありますが、これはムクゲの花が1日でしぼんでしまうことを栄華のはかなさに掛けた言葉です。ただ、本物のムクゲの花は次々に咲くので秋まで楽しむことができます。ムクゲは初心者向けの花木で場所も気にせず植えられるので庭の寂しい部分を埋めるように植えてあげるとよいでしょう。
ハイビスカス
- 花期:5月~10月
- 樹高:1~3m
ハイビスカスはアオイ科の落葉低木。夏に南国を思わせるような花を咲かせる花木です。寒さに弱いので寒冷地や霜が降りるような地域では、室内で越冬させるようにしましょう。
ハイビスカス
- ハイビスカスはアオイ科の非耐寒性常緑低木。世界の熱帯~亜熱帯地方で広く栽培され、暖かい地域では庭木としても利用されています。5月~10月頃に華やかな花が咲き、花色は赤、黄、白、ピンク、オレンジ、紫、複色などバリエーションも豊富で、花の大きさも小さいものから大きいものまであり、その品種数は数えきれないほどです。ハイビスカスの花は、通常、朝開いて夜に閉じてしまう1日花です。最近は品種改良により、1つの花が2~3日咲くものも出てきています。 ハイビスカスは、在来系、大輪系、コーラル系の3つの系統に分けることができます。 ・在来系(オールド系)の花は、中大輪で花付きがとてもよいです。葉は大輪系より小さく、縁がギザギザしています。耐暑性は普通で、挿し木で増やすことが可能です。 ・大輪系(ハワイアン系)は、花は大輪ですが、花数は少なめ、葉は大きくて丸いものが多いです。耐暑性は弱く、挿し木で増やすことは難しいです。 ・コーラル系は、小中輪が垂れ下がって咲き、花付きがとてもよいです。葉は小さくて縁にギザギザがあります。耐暑性は強く挿し木で増やすことが可能です。 南国のイメージ感がたっぷりの花は、各地でアクセサリーなど様々なモチーフにも使用されてます。
美しい花を咲かせる花木は、眺めて美しいだけでなく、視覚から季節の移り変わりを教えてくれる存在でもあります。庭に花木を植えて愛でるのもよし、お散歩で季節の移ろいを感じるのもよし。花木に詳しくなって、もっと四季を楽しみましょう。
▼編集部のおすすめ