バジルの育て方~種まき、植える時期や収穫量を増やすコツ
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バジルの育て方~種まき、苗選びから植える時期や植え方、収穫量を増やすコツをご紹介します。育て方の基本を知っておくとひと苗で秋までたくさんのバジルを収穫できます!
目次
- バジルの育て方|種まきの時期や苗の流通
- バジルの育て方|植える時期と植え付け方
- バジルの育て方|適した土、肥料、水やり
- バジルをたくさん収穫するためのコツ|摘心、切り戻し剪定のタイミングとやり方
- バジルの収穫|時期、どこを剪定したらいい?
- バジルは品種が豊富
- バジルの保存法|冬越しはできる?
バジルの育て方|種まきの時期や苗の流通
最も多く流通するスイートバジルをはじめ、多くの種類が流通しています。バジルは、種から育てる方法と苗で購入する方法があります。
バジルの種まき
バジルは種の発芽には20℃以上の温度が必要なので、種まきは4月下旬から5月の気温が安定して遅霜の心配がない頃にまきましょう。
地植えにしたい場合は、ポットで苗を育てた後に定植するか直まきにします。種が重ならないようにまき、光発芽性*なので覆土はせずに十分に水を与えます。日に当てて乾燥させないように管理し、本葉が2~3枚出てきたら混み合った部分を間引きします。間引きしたバジルのベビーリーフは、料理に使いましょう。
*光発芽性とは? 種の発芽に光が必要な植物の性質。
バジルの苗の選び方
葉の色が生き生きとした緑色で、茎が太く節が詰まっている苗を選びましょう。最近、バジル苗の出回りが早まる傾向にあり、4月上旬から販売されているのを見かけますが、露地栽培で育てるならゴールデンウィークの頃以降に買うことをおすすめします。
バジルは寒さには弱いので、寒の戻りで寒さにあたってしまうと葉が黒くなり、最悪の場合枯れてしまいます。4月の中旬くらいまでの夜間の気温が低い日は、バジルにとっては耐えられない寒さだからです。もし4月中旬までに苗を買ってしまった場合は、ゴールデンウィークの頃までは夜間だけ室内に取り込んだ方が安全です。
バジルの育て方|植える時期と植え付け方
バジルは、お日様が大好きなハーブです。日当りと風通しの良いところで育てましょう。4月の間は気温が急に下がる日もあるので、定植は5月以降の方が安全です。
購入した苗はポットから根鉢を崩さないように取り出し、苗の土の表面が隠れる程度に植えます。植え付け後は、水をたっぷりと与えましょう。
市販のバジルの苗は、写真のようにポットの中に複数の芽が植えられていることが多いようです。最終的には良い芽をひとつ残して育苗します。それ以外の芽は、ハサミで根元から切り取り、料理に利用しましょう。
夏に向かうにしたがって、上にも横にも生長します。株間は十分に取り、生長後に風通し良く育つようにします。
バジルの育て方|適した土、肥料、水やり
土
バジルは、保水力の高い有機質に富んだ土を好みます。肥えた土なら何もしなくてもすぐに植え付け可能です。
土壌改良が必要な場合は、植え付け前に土を耕す準備が必要です。畑の土が酸性に傾いている場合は、まず植え付けの2週間前位には石灰を入れ、耕しましょう。その1週間後に完熟堆肥と元肥を入れ土になじませます。土の酸度は、市販の酸度測定液などを使うと安価で簡単に調べることができます。窒素分を含む肥料は、石灰と合わさることで窒素分がアンモニアガスとなって消失してしまうため、同時に使用してはいけません。
なお、この場合の石灰とは「消石灰」や「苦土石灰」をさします。牡蠣殻などの「有機石灰」ではそのような化学反応は起きないので、どうしても日数がない場合は「有機石灰」「完熟堆肥」「有機肥料」を使うと同時に混ぜ込むことが可能で、すぐに種まきや植え付けができます。
鉢やプランターで楽しむ場合は、市販のハーブや野菜用の培養土を利用しましょう。
肥料
植え付け時の元肥と生長期の5月~9月にかけては、ハーブ用の肥料を規定の量と頻度で与えます。バジルは肥料切れを起こすと下の方の葉が黄色く変色して落ちてくるので注意しましょう。
水やり
地植えの水やりは、基本的には自然に任せるので必要ありません。ただし、土が割れるほど乾燥が続く場合は、様子を見て与えましょう。
鉢植えは、バジルは乾燥に弱いため、水切れを起こさないように注意します。鉢の表面の土の色に注目し、土が乾いたらたっぷりと与えましょう。水やりの時間帯は、朝早くが最適です。お日様が高くなってくる頃に与えると、温まった土の温度によって、水がお湯になり、根を傷めてしまう可能性があります。
真夏は水切れを起こしやすくなるので、夕方にぐったりとしているようなら、再度たっぷりと与えましょう。
バジルをたくさん収穫するためのコツ|摘心、切り戻し剪定のタイミングとやり方
バジルは暑い地域が原産のハーブなので、気温が高温になってくると次々と新しい葉を出して生長します。そのまま茎を切らずに伸ばしていくと、7月後半から8月にかけてが花の季節です。花を咲かせた後は、新しい葉を出すことより次の子孫である種を作ることにエネルギーが集中します。花を咲かせると葉は固くなり味も落ちるので、葉を収穫するために育てているなら、適切なタイミングに摘心という剪定作業が必要です。
摘心のタイミング
草丈が20cm程度まで生長したら、摘心してわき芽の生長を促します。やり方は地面から数えて2~3節目の少し上を清潔なハサミで切ります。
切り戻し剪定のタイミング
花の咲く時期が7月半ば過ぎから8月なので、開花よりも前の7月上旬ごろ、全体的に三分の一~半分くらいに切り戻します。
わき芽の生長を促すのと蒸れやすい季節の蒸れ防止にもなりますが、特に伸び切っていないなら行う必要はありません。剪定した葉は料理や水栽培に利用しましょう。
摘心・切り戻しのやり方
バジルは、茎の両サイドに小さなわき芽ができます。このわき芽が次の茎になっていきます。指でさしている部分(わき芽の上)を摘心剪定します。指の位置の下にある小さな葉が次第に生長し、次の葉茎となります。
葉が混み合って蒸れそうな時は、葉茎をすきこむ目的で切り戻し、すっきりとした株にするのも梅雨の頃はおすすめです。
バジルの摘心のメリット
バジルは剪定の仕方次第で、ワンシーズンで収穫できる葉の量にかなりの違いが出ます。摘心すると、今まで1本だった茎が2本になります。この摘心を繰り返すと茎が倍々に増えるので収穫量も増えます。
摘心をせずに夏に花を咲かせると、花のあとに種をつけ、新しい葉が出にくくなりますが、摘心をすると次の花を咲かせるために(子孫を残すために)新しい葉を出そうとするので、収穫できる時期が伸び、収穫量も増えます。摘心すると長くたくさん収穫できるのです。
バジルの収穫|時期、どこを剪定したらいい?
いつから収穫?
5月頃に植え付けた苗は、草丈が20cm程度くらいになるまでは苗を育てる期間です。あまりにも早く芽を摘み取ってしまうと、見た目が不格好になってしまいます。
20cm程度に生長したら、地面から3節程度残したところで摘心し、そこから摘心を繰り返しながら収穫開始です。時期としては本格的な収穫ができるのは7月頃が目安です。摘み取る時には指をさしている芽の上でカットしましょう。
バジルは品種が豊富!
シックな葉の色のダークオパールバジル
ブッシュバジル
葉っぱが小さくてブッシュ状に生長するバジル。バジリコ・ナーノという名前でも流通しています。
公園で見かけたダークカラー系のバジル。ダークカラー系のバジルは食用だけでなく、カラーリーフとしても素敵な素材です。
バジルの花色は、品種によって白や淡いピンク色があります。食用として育てる場合は花を咲かせない方がよいですが、園芸素材として使うなら自由に花を咲かせてみては?穂状のかわいい花が夏に開花します。
バジルの保存法|冬越しはできる?
バジルは、寒さがとても苦手。木枯らしが数回吹くと写真のように葉が黒くなります。写真は、寒さにやられた時の現象で、葉が黒ずみ始めている状態。あとは枯れる一方です。晩秋、木枯らしが吹く前に整理して、料理に使ったり、余ったものは天日干しなどで保存するとよいでしょう。
▼バジルがたくさん取れすぎた時や、その年最後の整理の時にドライハーブにしておくと保存がききます。
ドライバジルの作り方・天日干し
バジルは、育て方を知ると1株で収穫できる量が断然違います!
おうちで育てると必要な時に必要な量を摘んで使うことができます。採れすぎたときは、バジルソースやドライハーブに♪ 苗は秋まで出回っています。ひと苗育ててみませんか?
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