キュウリをベランダ菜園で収穫!育て方とプランター栽培のコツ
LOVEGREEN編集部
このライターの記事一覧
キュウリの病害虫
キュウリのかかりやすい病害虫と対策をご紹介します。
ウリハムシ
最初に気付くのはこんなふうに穴が空き、その周りが少しずつ枯れていく様子です。8月に入り、ウリ科の野菜にこのような葉の食害を見つけたら、おそらくウリハムシの仕業です。
このようにウリハムシの食害を受けると、次第に葉がボロボロになっていきます。
ウリハムシとは
ウリハムシとは、別名「ウリバエ」ともいわれる甲虫類(こうちゅうるい)の一種です。
ウリハムシの成虫は、浅い土中で越冬し、4月下旬から7月上旬ごろまで、大好物であるキュウリやズッキーニなどのウリ科の苗に飛んできて、土の表面や浅い土中に卵を産みます。
その孵化してから3~5週間の間、ウリハムシの幼虫はキュウリやズッキーニなどの根を食害し、また地中に戻り、今度は蛹(さなぎ)となります。1~2週間後、蛹(さなぎ)から成虫となって8月頃に多発します。そして、9月下頃に草むらなどに移動して越冬します。
つまり、8月が成虫のウリハムシの大発生の季節となります。
こちらはキュウリの葉の裏に隠れたウリハムシ。こちらのウリハムシの体の色は全体的に茶色です。
同じウリ科のズッキーニの葉を食害するクロウリハムシ。この種類は、頭が黄色、体が黒色をしています。
ウリハムシモドキ
ウリハムシにとても良く似たウリハムシモドキ。体の色は、全体的に黄色いか、お尻の部分が黒くなっているもの、黒色など様々な種類がいます。ウリハムシよりも広食性のため、マメ科やアブラナ科の野菜等も食害します。
ウリハムシの対策
家庭菜園で育てている場合は見つけ次第駆除することで、被害はいくぶんか収まります。
ウリハムシが私たちに攻撃してくることはないので、お子様と一緒に安心して捕獲してください。カブトムシなどの甲虫類の仲間ですから、見た目もそんなに怖くはありません。
寄せ付けない対策
害虫を防ぐ手段として、キラキラした光を反射するものをものを嫌う害虫の特性を使い、シルバーマルチを敷いておく方法があります。ご家庭でのプランター栽培なら、簡単にアルミホイルなどで苗の根元を覆うことも一つの方法です。
\シルバーマルチと虫とりはさみで対策/
もう一つは、ウリハムシの侵入を防ぐために、苗を寒冷紗などに入れておき、成虫が卵を産みつけないようにする方法も効果的です。
ウリハムシの苦手な植物
バジル
ハムシ類は好きな匂いを嗅ぎ分けて、好みの野菜を食害する性質を持っています。一緒に香りの強いバジルやパセリなどのハーブを植えることで、ウリハムシのキュウリへの食害を減らすことが期待できるようです。
うどん粉病
キュウリの病害虫で圧倒的に多いのは、うどん粉病です。日当たりが悪く、風通しの悪い環境で、乾燥すると発生しやすいため注意が必要です。
うどん粉病対策
万が一発生してしまったら、重曹を500倍程度に希釈し葉にスプレーします(濃度が濃すぎると逆に葉を痛めてしまいますので注意しましょう)。うどん粉病が全体に広がってしまう前に、この希釈した重曹水で洗い流すようにスプレーしましょう。
べと病
べと病は梅雨時などの多湿時で、肥料切れや株の生育が衰えた時に多発します。葉の表側から見ると葉脈に区切られた黄色い角形の斑紋が見え、症状が進むと葉全体に広がります。うどん粉病と同様に密植を避け、草勢が衰えないように肥料切れに注意しましょう。
キュウリ収穫後の抜き取りについて
キュウリは6月から収穫を続けてきたので、同じ春夏野菜の中でも一番苗が疲労しているようにみえます。
みなさんの育てているキュウリの調子はいかがですか?
抜き取る時期が分からない方へ…
育てているのは皆さんです。好きな時期に抜き取ることが一番だと思いますが、迷っているなら次のポイントに注意して抜き取る時期を決めましょう。
8月中旬~下旬頃の判断
・キュウリがウリハムシなどの病害虫により、弱っているなら抜き取る。
・収穫量が落ち、苗に力が無くなっているなら抜き取る。
・まだまだキュウリの苗が元気な場合、育てる場所に余裕があるなら、そのまま抜き取らずに育てる。場所に余裕がなく、9月から秋冬野菜の栽培をスタートさせたいのならキュウリの苗を抜き取る。
抜き取り作業
さて、抜き取ることが決まったら、さっそく作業を始めましょう。
大きく生長したキュウリの苗を適当な大きさに分けて切っていきます。
これで、抜き取り完了ですが、ゴミ袋に入れて破棄する前に、必ず見て欲しいところがあります。
抜き取った苗の根の観察
抜き取ったキュウリの苗の根をよく見てみると、上の画像のように太い根と細い根があります。どちらの根も表面に凸凹のない、きれいな根をしています。
アップで見るとよくわかります。このように根の表面がきれいな根であれば、抜き取るだけで問題ありません。
ネコブセンチュウ
上の画像をご覧ください。根の部分に大小のこぶのようなものが出来ています。
このような根は、ミニトマトやキュウリ、ナスなどのナス科に発生しやすい「ネコブセンチュウ」かもしれません。
ネコブセンチュウとは
土の中に生息する1mm以下のセンチュウで、植物の根の養分を吸います。その被害部分が大小のこぶのような形になります。センチュウに侵された根は、充分な水分や養分を吸収することができず最後には枯れてしまいます。
センチュウの大きさが1mm以下のため、肉眼で早期に発見することは難しく、このように作物を抜き取るタイミングに、しっかりとセンチュウの存在を確認する必要があります。
ちなみに…マメ科の根のコブは根粒菌!
枝豆の根
ちなみに、上の画像は枝豆の根の部分です。こぶのようになっている個所は、ネコブセンチュウではありません。マメ科特有の根粒菌というものです。
根粒菌とは
この粒の中には根粒菌という微生物が存在しています。この根粒菌の働きは、大気中の窒素からマメ科の作物の中に植物の三大栄養素のひとつである「窒素」を取り入れる働きをするものです。
つまり、根粒菌はマメ科の作物へいい影響を与えるものです。ネコブセンチュウとは全く異なりますので、注意しましょう。
ネコブセンチュウだったなら
皆さんが抜き取ったキュウリの苗はいかがでしたか?
ネコブセンチュウだった方は、思い返してみて下さい。生育期間中も何だか調子が悪いと感じていませんでしたか?その原因は、ネコブセンチュウの仕業だったかもしれませんね。
ネコブセンチュウの除去
①被害を受けた根の除去。
レーキや土ふるいで、被害を受けた苗の根を全て取り除きましょう。
②太陽熱で消毒。
被害を受けた土を透明ビニール袋に入れ、水分を含ませ、封をします。
直射日光に2~3日ずつ両面に日を当てます。
小さいプランターなら、こんなふうに丸ごとビニール袋の中に入ります。
抜き取った後の作業
抜き取りが終了したら、秋冬野菜に向けて準備を開始しましょう。本格的な土壌改良は、来年の春夏野菜の植え付ける前にしますので、今回は軽く整えるような作業になります。
1 プランター内の土をほぐす
2 有機石灰を入れる
有機石灰をおすすめする理由
有機石灰とは、牡蠣殻などの貝殻化石を原料とする石灰肥料のことです。使用されるものによってアルカリ分が異なります。
消石灰や苦土石灰よりもアルカリ分が少なく、効果も穏やかなため速効性はありませんが、有機石灰を撒いた後すぐに種まき・定植ができるため石灰を使い慣れていない初心者の方にはおすすめの石灰です。
また、有機石灰は、土が酸性に傾くと、土中に溶けて中和しますが、中性であればそれ以上溶けることはありませんので、入れすぎの場合も安心して栽培を続けられます。
3 元肥投入
これで準備は終了です。安心して秋冬野菜を植え付けられますね。
\有機石灰と腐植酸入り肥料で準備!/
キュウリの栽培は楽しかったですか?
みなさんのキュウリは、みずみずしいキュウリでしたか?それとも曲がりキュウリでしたか?
夏の暑い季節の採りたてのキュウリの味は、何本食べても飽きないおいしさです。みなさんのベランダでもプランターでキュウリを育ててみてくださいね♪
▼編集部のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「キュウリをベランダ菜園で収穫!育て方とプランター栽培のコツ」の記事をみんなにも教えてあげよう♪