ベランダ菜園の初心者さんにおすすめの野菜やハーブなど!何度でも収穫がポイント| エディブルガーデン3月
古幡真恵
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Illustration:小野寺葉月
自宅のベランダで家庭菜園を1から始める初心者さんにおすすめしたい野菜・ハーブ・エディブルフラワーを紹介します。おすすめのポイントは、初めての方でも育てやすくて、しかも何度でも収穫が楽しめること。種のまき方から収穫が終わった後の作業まで、初心者の方に寄り添う育て方を詳しく説明します。
目次
- 1から始める初心者さんのベランダ菜園
- ベランダ菜園を始めるために用意するものはこれ!
- イタリアンパセリの育て方のコツ
- ナスタチウムの育て方のコツ
- ラディッシュの育て方のコツ
- スイスチャードの育て方のコツ
- ベビーリーフの育て方のコツ
- ベランダ菜園の初心者さんはいろんな種類を少しずつ
1から始める初心者さんのベランダ菜園
家庭菜園をしている人との会話で「素敵な暮らし方だね」とか、「採れたて野菜おいしそう!」で終わってしまうなんてもったいない。「何育ててるの?」、「それってどんな品種?」と一歩踏込んだ会話をしてみると知らなかった世界が広がります。
「忙しくて」とか、「なんだか大変そう」なんていうお決まりのあきらめ方はやめにして、今年は本気で家庭菜園生活を初めてみませんか。
どんなベランダ菜園を目指すのか
「本気で〜」だなんて少し驚かせてしまいましたが(笑)、ベランダで家庭菜園を始めるのに、そんなに気負いは必要ありません。シンプルに考えて、「土」と「種」さえあればいいのですから。それに、今では何でも揃う100均に行けば、あっという間に土やプランター、種などの園芸用品が揃います。
まずは、ベランダで家庭菜園を始めるにあたって、先月号で紹介した「5W2H」で、あなたが求めている家庭菜園の形を明確にしてみましょう。
今回の5W2H
・When(いつ)→週に1度程度のお手入れ
・Where(どこで)→自宅のベランダ
・Who(誰が)→初心者
・What(何を)→育てやすい野菜やハーブ
・How(どのように)→プランター1個、狭いベランダでも育てられる
・Why(なぜ)→野菜やハーブを育てて、それを料理に使いたい
・How many(いくつ)→いろいろな種類をちょっとずつ育ててみたい
以上の「5W2H」の条件から、Botapiiのエディブルガーデンでは、ベランダで家庭菜園を1から始める初心者におすすめしたい野菜・ハーブ・エディブルフラワーを紹介します。
▼先月号のエディブルガーデンはこちらをご覧ください!
ベランダ菜園を始めるために用意するものはこれ!
マンションにお住いの方に大人気のベランダ菜園ですが、小さな野菜しか育てられないと思っている方はいませんか?じつは、ほとんどの野菜やハーブがベランダで栽培することができるんです。育ててみたい野菜があるなら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
▼日当たり別おすすめ野菜ならエディブルガーデン3月の作業をご覧ください
ベランダ菜園を始める前の注意事項!!
ベランダで植物を栽培する際に、そのベランダが南向きか北向きかということも、重要なポイントですが、一番大切なことは室外機の位置です。
植物は風通しの良い環境を好みますが、不自然な強い風、しかも熱風は禁物です。ただでさえ、プランターという小さな器で植物を育てるため、土の乾燥が激しく、植物が弱りやすい環境を作ってしまいます。できるだけ室外機の風に当たらない環境で植物を育てるようにしましょう。
また、避難通路をふさいでしまうこともNG。ベランダのどの場所で育てることができるのか、初めに確認しておきましょう。
5つのおすすめ野菜・ハーブ・エディブルフラワー
「ベランダ菜園をはじめたい!」という勢いはあるのだけど、何を育てていいのか全く思いつかない方におすすめしたい野菜やハーブを紹介します。
初心者さんが最初に育てる野菜やハーブは、「育てやすい」「病害虫の被害が少ない」「暮らしに取り入れやすい」という3つのことが重要なポイントとなります。
1. イタリアンパセリ
イタリアンパセリは育てやすいだけでなく、長い期間育てられるので、毎日の暮らしにたくさん取り入れることができるハーブです。
2. ナスタチウム
ナスタチウムは、花・葉・茎・種全てを食べることができるので、育てていてワクワクさせてくれる食べられる花です。
3. ラディッシュ
収穫するまでの日数が少ないので、短期間で収穫の楽しみを実感することができる野菜です。いつものサラダにラディッシュを入れるだけで、食卓まで明るくしてくれる野菜です。
4. スイスチャード
イタリアンパセリ同様、長く育てられる野菜です。軸の色がカラフルなので、ガーデニング感覚で楽しむことができる野菜です。
5. ベビーリーフ
いろいろな種類の種がミックスして入っているので、色や形の違う葉がアクセントとなるところが魅力です。
始める前に揃えておきたい6つのベランダ菜園グッズ
次に家庭菜園を始める前に、最低限用意するものについて紹介します。今は100均でほとんどの園芸用品が簡単に揃います。一方で、最初から便利で、質の良い商品を用意することもおすすめです。デザイン性にも優れているので、ベランダのオシャレな雑貨としても活用できます。
1. プランター
プランターの種類もたくさんあるので、何を選ぶか迷ってしまいますよね。プランターの選定は、まずは育てる作物を決めることから始めます。
▼例えば、人気のミニトマト栽培にどんな準備が必要なのか?詳しくはコチラ
◆プランターを選ぶ際のチェック項目
1. 育てる作物は深根型 or 浅根型
2. デザイン性重視 or 機能性重視
作物によって根が深くまで生長する深根型、浅く広い浅根型があるからです。最低でもどのくらいの深さや奥行きがあればいいのか考えましょう。
そして、ベランダで栽培するのですから、お部屋から見えるベランダの風景って大事ですよね。シャビー感のある木箱や最近人気の不織布のプランターなど、お好みのプランターを選んでください。
2. 培養土
「土が素晴らしければ、家庭菜園は半分くらい成功したもの同然!」といってもいいくらい「土」というのは栽培することにおいてとても重要です。なぜなら、有機物が多く含まれた土には、作物の生長を助ける微生物が盛んに活動しているからです。このおかげで、作物は健康に育つことができます。他にも、水分を多く必要とする作物は保水性の高い土質を心がけ、反対に排水性を高めて湿害を防ぐことも、使用する土を選ぶことで可能になります。
しかし、初心者の方にはそれらを把握しながら土質を整えていくのは少し難しいですね。そのため、各社から「培養土」といって野菜の栽培に適したバランスの良い土が販売されています。
◆土を選ぶ際のチェック項目
・通気性・排水性・栄養バランスの整った土質
・メーカー名、所在地が明記されているもの
▼初めてさんの土やプランターの準備については、エディブルガーデンの2月(2017年)の作業で詳しく紹介!
◆使用済みの培養土の活用法
また、以前野菜を育ててみたことがあるけれど、そのまま放置しているプランターや土がある方にも朗報です!使用していた土を再生して、再び使うことができるんです。
▼初心者の方にも簡単なプランターの土の再生方法ならコチラ
3. 移植ゴテ
家庭菜園も慣れてくると、世界的な園芸メーカーの菜園グッズに手を伸ばしたくなりますが、私もその一人。移植ゴテに関しては、耐久性が高く、固い土にもサックリ土に入るので、同じ作業をしていても、やっぱりメーカーがしっかりしたノウハウで作られたものは疲れないんですよね。
でも、ベランダ菜園なら固い土を扱うことはほとんどないので、購入しやすい移植ゴテでもOK。可愛いデザインの移植ゴテがたくさんありますので、ワクワクするようなものを選んでください。
4. ジョウロ
ジョウロも移植ゴテと同じように選ぶときには頭を悩ませますが、どんなジョウロでも構いません。
しかし、ジョウロは使い続けてくると「ハスの実」といって出てくる水の量を加減してくれる部分の繊細さや、ジョウロの水差しの長さが気になり出します。柔らかくて、均一な水量、まいた種を水やりで乱さない性能の良いジョウロは使っていて心地の良いものです。
5. グローブ
特に粒子の細かい土を扱うときは、何度手を洗っても爪の中が黒くなってしまうので、グローブはマストで揃えておきたいグッズです。私がグローブを選ぶ時は、すぐ穴の空いてしまう指先の補強がされているか、自分の手のサイズにぴったり合っているかをポイントにして選んでいます。ぶかぶかのグローブは作業がしづらいので、結局グローブを脱ぐことなってしまうんですよね。使いすて感覚でグローブを選ぶなら、作業のしやすい薄手の天然ゴム製の手にぴったりとフィットする手袋が作業しやすいのでおすすめです。
6. ハサミ
収穫や間引き、枯れた葉を取り除くときに菜園専用のハサミを使用します。もちろん事務用のハサミでも切れないことはありませんが、紙が切りづらくなってしまいます。
そして、ハサミを使用する時に重要なことは「清潔なハサミを使うこと」なんです。「切り口」って人間も同じですが、バイキンが侵入しやすいところです。不衛生なハサミを使用することで、病気を招くことがありますので、菜園専用のハサミを用意しましょう。
▼室内・ベランダ・お庭別〜ガーデニング初心者が「最初に揃えるガーデニングツール」から、「あると便利なガーデニングツール」、「ゆくゆくは購入したいツール」の3つの段階で必要なアイテムについてはコチラの記事をご覧ください。
イタリアンパセリの育て方のコツ
イタリアンパセリはセリ科の植物です。春から栽培をはじめて、1年以上育て続けることができるハーブです。
育てる時のポイントは、イタリアンハーブの苗が疲れないように花芽を摘み取ること。こうすることで、長期間栽培することができる大変お得なハーブです。
また、栽培する場所は半日陰でもOKなので、日当たりのあまり期待できないベランダでも挑戦する価値はありますね。
イタリアンパセリの種まき
根が深くまで伸びるイタリアンパセリは、できれば深めのプランターで育てます。発芽適温は20℃前後なので、暖かい地方は3月以降、だいたい4〜5月の種まきが良いでしょう。
イタリアンパセリの種は、好光性種子といって光を好みます。種をまく際は、深く埋めすぎないよう軽く覆土するか、手で土に種をおさえるようにして発芽を待ちます。この時、種を乾燥させることのないように。発芽まで優しく種に水を与えましょう。
・種まき時期:4〜5月
・種のまき方:点まき3〜4粒
プランターの置き場所
イタリアンパセリの生育適温は15〜20℃なので、ポカポカ陽気が当たるような環境が好まれます。
・春や秋〜冬は暖かな日が差すところ
・夏は直射日光を避け、明るめの半日陰
イタリアンパセリの間引き
大きな株に育てるために、本葉が2〜3枚の頃弱そうなものを間引いて1本立ちにします。間引く時は、残す株の根を痛めないように、株元をハサミでカットします。間引いたイタリアンパセリはベビーリーフとしてサラダや、お肉や魚料理、パスタなどの飾り付けに使用してくださいね。
イタリアンパセリの水やりと追肥
イタリアンパセリは、乾燥に弱いので、土が乾いたら鉢底から水が出るほど与えます。たっぷり水を与えることで、イタリアンパセリの根もシャワーを浴びたようにリフレッシュするというイメージ、それが「鉢底から水がでるくらい」という水やりのポイントです。
追肥は使用する肥料によって異なるので、購入した肥料の用法を参照にして施肥します。与え過ぎてもアブラムシなどの病害虫が発生しやすくなるので、控えめに与えます。葉が黄緑色になると、肥料が足りないというサインを出していることが多いので、追肥して草勢を高めましょう。
イタリアンパセリの病害虫の駆除対策
イタリアンパセリの大敵は、セリ科の葉を好むキアゲハの幼虫です。黄緑色の体に、黒とオレンジ色の横縞が入る幼虫が1匹いるだけで、イタリアンパセリの葉が丸裸にされてしまうこともあります。
このキアゲハの幼虫は、アブラナ科の野菜には近寄らないという習性があります。アブラナ科のラディッシュなどを一緒に植えて、イタリアンパセリのコンパニオンプランツとして頑張ってもらいましょう。
日頃の病害虫対策は、木酢液やニーム、手作り虫よけスプレーなどをすると作物にとっても良い影響を与えます。
イタリアンパセリの収穫
イタリアンパセリを長く収穫するために、外葉から順々に収穫します。この時の注意点は、葉を収穫し過ぎて丸裸にしないこと。収穫した後も、必ず葉を8〜10枚ほど残しておきましょう。
花芽は早めに摘み取り、もし咲いてしまったとしてもハーブの花も食べられますので、サラダの飾り付けとしても大活躍してくれます。
また、ハーブの花って可憐な花なので、食卓に飾っても素敵ですよ。
収穫以降のイタリアンパセリの管理方法
イタリアンパセリは、年間を通して収穫できるので、コンスタントな追肥を行いますが、多すぎる追肥は逆に病気を発症させます。葉の状態を見ながら、リズムよく追肥と水やりを行い、健康に育てましょう。2年近く元気に育てられますよ。
▼今回おすすめするプランター・培養土とイタリアンパセリの種をまく位置についてはこちらをご覧ください。
ナスタチウムの育て方のコツ
ナスタチウムはノウゼンハレン科の植物です。プランター内がナスタチウムの花で華やかになるので、ガーデニングのように楽しむことができます。
ナスタチウムの花や葉、茎は食べるとピリッと辛い風味が、サラダのアクセントになって病みつきになります。蕾はケーパーの代わりに酢漬けにして食べることができるので、料理に取り入れたくなるエディブルフラワーです。
ナスタチウムの苗や種を用意する時に絶対に注意すること!
ご存知の通りナスタチウムの苗は、「園芸用」としてホームセンターなどでも販売されていますが、「園芸用」は綺麗な状態を保つために、食用に値しない農薬を使用していることが多くあります。今回のように「食用」とする場合は必ず種から育てましょう。
「オーガニック種子」や「食用に適した種」が、ネット販売で手に入ります。
ナスタチウムの種まき
ナスタチウムの根は浅根型なので、プランターの深さは特に気にしなくてもOK。発芽適温は20℃前後なので、暖かい地方は3月以降、だいたい4〜5月の種まきが良いでしょう。
ナスタチウムの種は、嫌光性種子なので種をまいた後は、種が隠れるほど(1cm位)覆土して手で軽く土をおさえます。土の表面が乾いたら、種を乾燥させることのないように、優しく水を与えましょう。
・種まき時期:4〜5月
・種のまき方:点まき3〜4粒
プランターの置き場所
ナスタチウムは日当たりの良い環境を好みますが、真夏の直射日光下では草勢が落ちてしまします。真夏のナスタチウムの育てる場所は、明るい日陰に移動してあげましょう。
ナスタチウムの間引き
本葉が2〜3枚の頃、弱そうな株を根元からハサミでカットして、1本仕立てにします。
ナスタチウムの水やり・追肥
ナスタチウムは多湿が苦手です。土が乾いたら鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。今回のようにいろんな種類を育てる場合、ナスタチウムの水不足はほとんど心配しなくてもいいかもしれません。
追肥もあまり必要としないというのが、ナスタチウムの特徴です。逆に与えすぎると、葉ばかりが茂り花をつけてくれなくなります。水やりと同じように、追肥の心配もほとんど不要です。他の植物のおこぼれをいただくような育て方でOK。
ナスタチウムの病害虫の駆除対策
ナスタチウムはアザミウマ(スリップス)やアブラムシ、ハモグリバエ、ハダニなどに注意が必要です。例えば、アブラムシの発生する原因は、窒素肥料の与え過ぎによるものが多いので、日頃の管理で防ぐことができます。
ナスタチウムの収穫
◆花(蕾)・葉・茎の収穫
花つきを良くするためにも、ナスタチウムの花が咲いたらすぐに収穫しましょう。種ができると、花つきが悪くなるので、しぼんだ花はすぐ摘み取り、苗の疲労を防ぐことが長く育てるコツです。
◆種の収穫
ナスタチウムは、花が終わると種を作ります。種は最初直径5mm弱の大きさが、直径1cm位まで膨らみます。その黄緑色の粒が熟して、黄土色に変わり、完全に熟すと、ポトリと種が地面に落ちて水分を含み、また発芽します。熟する前の直径1cm程の黄緑色のナスタチウムの種や花の蕾は、ケーパーの代わりに酢漬けにして料理に使用します。
収穫以降のナスタチウムの管理方法
真夏の暑さですっかり枯れてしまったように見えても、あきらめずにナスタチウムを切り戻してみましょう。しぼんだ花や枯れた葉、葉が多く蒸れそうな個所を切り戻してあげると、秋に草勢を取り戻してまた花が咲き始めます。
▼今回おすすめするプランター・培養土とナスタチウムの種をまく位置についてはこちらをご覧ください。
ラディッシュの育て方のコツ
ラディッシュはアブラナ科の植物です。害虫は、アブラナ科の野菜が大好きなので、種まきは害虫の被害が少ない3月に済ませることが成功のコツです。
ラディッシュの別名「二十日大根」の名前の通り、1カ月ほどで収穫できるので、初めての収穫第一号の野菜になります。
ラディッシュの種まき
小さなラディッシュが土にスッポリと埋まるくらいの深さがあれば良いので、使用するプランターの深さは浅型で十分です。発芽適温は15〜25℃位なので、春夏栽培では暖かい地方は3月以降、だいたい4〜5月。秋冬栽培では暖かい地方は9〜10月、だいたい9月位の種まきが良いでしょう。
ラディッシュの種をまく際は、深さ1cmほどのすじを作り、1cm間隔で種をまき、覆土して手で軽く土をおさえます。発芽するまでの間、種を乾燥させることのないように。発芽まで毎日優しく種に水を与えましょう。
・種まき時期:3月がおすすめ
・種のまき方:すじまきで1cm間隔
プランターの置き場所
ラディッシュの生育適温は15〜20℃なので、ポカポカ陽気が当たるような環境が好まれます。3月に種をまくことを考えると、日差しが当たる環境で育てましょう。
ラディッシュの間引き
本葉が3〜4枚の頃、株間2〜3cm位になるように間引きます。間引き菜は、サラダなどでおいしく食べることができます。この間引きの作業をサボると、ラディッシュが大きく育ちませんので忘れずに行いましょう。
ラディッシュの水やり・追肥
ラディッシュの肥大のために水は欠かせません。収穫するまでの間、カラカラに土を乾燥させないように注意しましょう。
ラディッシュの病害虫の駆除対策
収穫までの日数が少ないので、病気で困ることはほとんどありません。ただ、害虫の被害が多い6〜10月は、アブラナ科の野菜を好むアオムシ、コナガ、に葉を食べられてしまったり、アブラムシが新芽に群がったりしますので注意が必要です。
ラディッシュの収穫
3月にまいたラディッシュは日当たりや温度、間引きの影響で肥大の生長に差は出るものの、遅くても1カ月半位までには収穫することができます。
収穫以降のラディッシュの管理方法
3月の前半までに種をまくと、収穫した後でも5月位まで再度種をまいて育てることができるので、春夏シーズンで2度収穫を楽しむことができます。
▼今回おすすめするプランター・培養土とラディッシュの種をまく位置についてはこちらをご覧ください。
スイスチャードの育て方のコツ
スイスチャードはアカザ科(ヒユ科)の植物です。スイスチャードが、まだ小さいうちはベビーリーフとしてサラダで食べられますし、大きくなるまで育てるとほうれん草と同じような料理の使い方ができます。軸がカラフルなのがスイスチャードの最大の魅力です。ガーデニングのカラーリーフとしても人気がある野菜です。
※スイスチャードは従来の分類ではアカザ科でしたが、DNAを用いての新しい分類ではヒユ科とされています。
スイスチャードの種まき
スイスチャードは、他の葉野菜と同じように深さや大きさはあまり気にしなくても、ほとんどのプランターで育ちますが、運よく2年ほど育つ頃には、茎も根も深くなって、浅型のプランターでは根が露出してしまいますので、はじめから少し深めのプランターを選ぶと良いでしょう。
発芽適温は15〜30℃と幅があるので、暖地では3〜10月、温暖地では4〜9月、寒冷地では5〜8月と種をまくことができる期間が長いことも特徴です。
スイスチャードの種をまく際は、深さ1cmほどのすじを作り、1cm間隔で種をまき、覆土して手で軽く土をおさえます。発芽するまでの間、種を乾燥させることのないように。発芽を揃えたいときは、あらかじめ種を一晩水に浸してから種をまきましょう。
・種まき時期:暖地では3〜10月、温暖地では4〜9月、寒冷地では5〜8月
・種のまき方:すじまきで1cm間隔
プランターの置き場所
スイスチャードの生育適温は20〜25℃。やや冷涼な気候を好みますが、耐暑性にも優れているため、置き場所であまり悩むことはないと思います。半日陰でも十分育てることができました。
スイスチャードの間引き
1cm間隔で種をまいたスイスチャードから、1箇所4本前後の芽が出てきました。良い葉形のものを1〜2本残し、本葉1~2枚の頃に3~4cm間隔に、本葉3~4枚の頃に5~6cm間隔を目安に間引いていきます。
スイスチャードの水やり・追肥
スイスチャードは多湿に弱いという特徴があるので、土が乾いたら水を与えるメリハリのある栽培を心がけます。今回のようにいろんな種類を育てる場合、スイスチャードの水不足はほとんど心配しなくてもいいかもしれません。
比較的追肥をあまり必要としていない野菜なので、葉が黄色く貧弱になった時に液肥などを与える対応で構いません。
スイスチャードの病害虫の駆除対策
病気は、多湿による立枯病の注意が必要です。害虫は、アブラナ科の野菜から比べたら被害は少ないですが、私が育てているスイスチャードはオンブバッタによく葉を食べられました。
スイスチャードの収穫
草丈が20~30cmくらいになったら、株ごと引き抜いて収穫をするか、抜かずに外葉から順次葉を摘み取るように収穫します。
スイスチャードの葉を大きく育てすぎると硬くなってしまうので、適度な大きさで順次収穫しましょう。
収穫以降のスイスチャードの管理方法
別名「不断草」と呼ばれ、暑さ寒さに強いスイスチャードは、周年収穫が可能です。そのため、株ごと収穫せず、外葉から順次収穫することで長い間栽培できるのが最大の魅力です。
スイスチャードは一、二年草なので、害虫の被害が少なく、花芽を形成しない株は、2年ほどの長い間育てて収穫することが可能です。私も茎が太くなった2年目になるスイスチャードの株を育てていますが、茎の太さに驚くほどです。
▼今回おすすめするプランター・培養土とスイスチャードの種をまく位置についてはこちらをご覧ください。
ベビーリーフの育て方のコツ
ベビーリーフとは、リーフレタスやからし菜、ルッコラなど種苗メーカーがオリジナルに集めた葉物野菜の種をまいて、幼苗のうちに収穫してサラダなどで食べる野菜のことをいいますので、決まった種類はありません。
ちなみに4月8日はベビーリーフの日ですが、幼葉(ようば)の語呂から日にちが決まったようです。
ベビーリーフの種まき
ベビーリーフの種は、各種レタス類の種がミックスされているものが一般的ですが、最近ではチコリー、小松菜、水菜、ほうれん草、セルリー、ビート、ケールなど数多くの種類の種が販売されています。購入した種袋の裏面で、種まき時期や発芽適温、種の覆土の程度などを確認しましょう。
一般に、3〜6月、9〜10月頃がベビーリーフの種をまくことができる期間です。
レタス類のベビーリーフ の種は、好光性種子といって光を好みます。種をまく際は、深く埋めすぎないよう軽く覆土するか、手で土に種をおさえるようにして発芽を待ちます。この時、種を乾燥させることのないように。発芽まで優しく種に水を与えましょう。
・種まき時期:3〜6月、9〜10月頃
・種のまき方:種が重ならないようにすじまき
プランターの置き場所
育てる種類によって多少適した温度の差はありますが、一般的に日当たりのよい風通しの良い環境が好まれます。発芽して、ある程度1本立してしまえば、半日陰くらいでも十分育ちます。
ベビーリーフの間引き
本葉が2〜4枚出てきたら、貧弱な株をハサミで根元から切り取ります。抜き取らないで間引きするのは、せっかく元気に生育している株の根を痛めないように、また間引き収穫したベビーリーフの葉についた土を落とす手間を無くし、水洗いが楽に済むようにするためです。
ベビーリーフの水やり・追肥
ある程度大きく育ったら、土が乾いたら水を与えるメリハリのある栽培を心がけます。
30日ほどで収穫できるので、追肥はほぼ必要ありません。葉が黄色く貧弱になった時に液肥などを与える対応で構いません。
ベビーリーフの病害虫の駆除対策
栽培期間が短いことにより、その分病害虫に侵される心配も少ないのがベビーリーフの特徴ですが、種をまいた後ベビーリーフの新芽が害虫に食害されるようなことがあります。再使用した土の中にもともと害虫がいた可能性が高いので、種をまく前には土の中にヨトウムシなどの害虫がいないかしっかり確認しましょう。
ベビーリーフの収穫
ベビーリーフの葉が小さいうちは柔らかく、大きい葉になると種類によっては少し苦味がでてきます。大きさ、味ともにお好みの段階でベビーリーフを収穫しましょう。
収穫以降のベビーリーフの管理方法
ベビーリーフは株ごと収穫することもできますが、1株を大きめに育てて外葉から収穫することも出来ます。ご自身のタイミングに合わせた種まき、収穫時期、収穫方法を選ぶことができます。
育てる品種によっても差はありますが、温度や日照条件により花芽ができる場合があります。花芽ができると葉が硬くなるので、株ごと抜き取り種をまき直すことをおすすめします。
▼今回おすすめするプランター・培養土とベビーリーフの種をまく位置についてはこちらをご覧ください。
ベランダ菜園の初心者さんはいろんな種類を少しずつ
揃えなければならないグッズも分かり、育てる野菜やハーブのことがイメージできたら、さっそく種をまいていきましょう!
プランターのサイズはW:25.5cm、H:21.5cm
今回おすすめするプランターのサイズは、作物の根に合うもので、かつベランダという小さなスペースを考えて選びました。
プランターの種類もたくさんありますが、例えばマンションで栽培することを考えて、購入後の持ち運びのしやすさ、デザイン性、軽く、使用しない時は折りたたんで収納でき、捨てるときには燃えるゴミとして廃棄できる不織布プランターも取り入れてみてはいかがでしょうか。
▼不織布プランターについてはコチラをご覧ください
▼100均のグッズを使って手作り不織布プランターの作り方ならコチラをご覧ください
培養土の量は14L
用意したプランターに入れる培養土の量は、水を与えてもプランターから流れでない程度(9割)を目安に投入しましょう。用意した14Lの培養土は、2割ほど残りますが、少し残るくらいの培養土をあらかじめ用意しておいた方が、水やりや生長の過程で作物の根がむき出しになってしまった時に、培養土をつぎ足す時にすぐに使用できます。
◆◆◆培養土を使用する時の要注意事項!◆◆◆
購入した培養土を初めて使用する場合は、種をまく前に必ずたっぷりと土に水分を吸わせます。種が発芽する環境を作ってあげるために、十分な水分は欠かせません。上っ面だけの水やりでは、発芽するまでの十分な水分を保つことはできないので、最初にしっかりとプランター内の土に水分を含ませることを心がけましょう。
種をまく場所はここ!
一つのプランターで、いろんな種類を栽培するので、種をまく場所は上の画像のようにデザインしました。
線のところは「すじまき」なので、棒を使って土にすじをつけます。
星のところは「点まき」なので、ペットボトルのフタを使用して凹みをつけましょう。
育てる5つの種の大きさと形
ベビーリーフ 、イタリアンパセリ、スイスチャード、ナスタチウム、ラディッシュ、今回おすすめする5種類の種です。それぞれの種の特徴、性質を把握した種まきを心がけ、芽の揃ったきれいな発芽を目指しましょう。
好光性種子の種まき:ベビーリーフ (レタス類)、イタリアンパセリ
ベビーリーフ (レタス類)とイタリアンパセリは、「好光性種子」といって、発芽する際に光を必要とする性質をもつ種なので、種を深く埋めすぎてはいけません。軽く覆土するか、土と種を圧着させるように手で押さえつけて定着させます。
ベビーリーフ の種のまき方は「すじまき」に、イタリアンパセリは「点まき」にします。なるべく重ならないように種をまいていきますが、小さな種なので多く種をまいてしまったら、しっかり間引きをしましょう。
しっかり土を被せる種まき:ラディッシュ、スイスチャード、ナスタチウム
ラディッシュやスイスチャードは、種をまいたらしっかり土を被せるタイプの種です。
種まきの目印となる、すじを引いた後、1cm間隔で種をまいていきます。この時ピンセットを使うと、きれいに種をまくことができますよ。
水やりで種が露出してしまわないように、しっかり土を覆土します。この時の土の分量は種の大きさの2〜3倍程度。深く埋めすぎても、発芽の妨げになりますので、ちょうど良い覆土を心がけます。
ナスタチウムの種も、しっかり土を被せるタイプの種です。
ナスタチウムの種は、5つの種類の中で一番大きいので、種まき(点まき)は簡単ですね。ペットボトルの凹みを利用して、4粒程種をまきます。
ラディッシュやスイスチャードと同じように、深過ぎず、浅過ぎず、ちょうど良い加減で覆土してあげましょう。
種をまき終わったら最後に水やり
種をまき終わったら最後にもう一度水を与えます。この時、特にお手頃価格のジョウロだと、水が荒いことが多いので、せっかくまいた種が流れてしまいます。
種まき後の水やりとして適していないジョウロの代わりに、スプレーボトル(霧吹き)を使用することで、種の流出を防ぎ、土の表面を湿らせることができます。
いかがでしたか?
最近、友人が飼っている可愛い赤ちゃん猫や子犬の画像が送られてくるのですが、見ているだけで私もホッコリ癒されています。私はというと、育てている野菜の画像を送ります(笑)。ミニトマトやさつまいもなどの画像を送り、最後に収穫したものをプレゼントしたりしています。遠くにいる友人には、日持ちや送りやすいことを考えて、ニンニクをプレゼントするために家庭菜園で現在栽培中です。5月頃のニンニクの収穫が今から楽しみです。
初めてベランダ菜園で家庭菜園を始めるみなさん、自分らしいライフスタイルに合わせた家庭菜園を一緒に楽しみましょう。
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