キランソウ
- 早春に山野や道端などで見かけるキランソウはシソ科キランソウ(アジュガ)属の多年草です。道端や庭先など、身近なところに自生しているので雑草として扱われることが多い植物です。園芸種としてアジュガの名前で出回っているセイヨウジュウニヒトエの仲間になります。キランソウの大きな特徴は地面を這うように生長するところです。セイヨウジュウニヒトエは花穂を上に伸ばすように生長するので、違いがすぐにわかります。 葉は深いグリーンで産毛があり、株元からロゼット状に広がります。春になると葉の上に小さな濃い青紫色の花を咲かせます。花の形はシソ科特有の唇状で、上下に分かれています。花茎は伸ばさずに葉の上にちょこんと花を咲かせるという趣きです。雑草として扱われがちですが、花の可愛さからファンも多い植物です。 ジゴクノカマノフタという別名の由来は、昔キランソウが薬草として万能とされていたことから付いた名前です。ジゴクノカマノフタという名前はインパクトがありますが、キランソウが万能薬とされていたことと、地面を這うように生長することから、地獄の釜に蓋をして死者を通さないくらいだという意味だそうです。アロエなどもそうですが、植物にはイシャイラズやイシャゴロシなどという別名を付けられたものが少なくありません。