ヤブカンゾウ
- ヤブカンゾウは、ワスレグサ科ワスレグサ属の多年草。有史前に中国から渡ってきた帰化植物だとされ、日本各地に自生しています。ユリに似たオレンジ色の八重咲きの花は大輪で、一日花という特徴があります。日が暮れると萎れてしまうことから、英名は Daylily と名付けられています。野の花とは思えないほど、鮮やかで豪華な花を咲かせることが評価され、アメリカで園芸種が盛んに作られ、ヘメロカリスという名で流通しています。 ヤブカンゾウは、草丈60~80cm、真直ぐに伸びた茎の先に数個の花を咲かせます。開花時期は7月~8月、直径8~10cm程度の大きな花を咲かせます。花の色はオレンジ色で、濃淡には個体差があります。しべ類が変化して花びらとなっている八重咲きで、種子を作りません。仲間のユウスゲやノカンゾウは一重咲きなので、見分けることができます。 ヤブカンゾウの花は、食用や生薬として利用されることも有名です。中華料理で出てくる金針菜とは、ヤブカンゾウや他のワスレグサ属の花のつぼみです。また、根も生薬として利用されます。 ヤブカンゾウの別名ワスレグサは、この花が日々の悲しみや憂い事を忘れさせてくれるほど美しいことに由来しているとされ、万葉集にもうたわれています。


































