- フジは、マメ科の落葉性のつる性木本。春に、薄紫や白の花を、枝から下垂させるように咲かせる姿が優美です。庭園や公園で目にする藤棚のイメージが強く、自宅での育て方は難しいようにいわれていますが、実は鉢植えでも楽しめます。根の生長が制限されることから、むしろ鉢植えの方が花付きがよくなるほどです。また、海外では、壁面につるを這わせて建物を覆うように花で埋め尽くしたり、パーゴラやアーチに絡ませている光景も目にします。 フジはつる性ですが、アサガオのようなつる性草本と違い、幹が木質化し大きくなり、何年も生育します。放っておくと何mにもなるようなつる性木本です。適宜剪定をして、大きさを整えるようにしましょう。鉢植えで育てるなら、トレリスなどに絡ませるように誘引し、花後早めに剪定します。剪定を繰り返すことで枝数を増やし、年を追うごとにたくさんの花を楽しめるようになります。 フジには大きく分けてノダフジとヤマフジの2種類があります。ノダフジ Wisteria floribunda はつるが右巻き、ヤマフジ Wisteria brachybotrys はつるが左巻きという特徴があります。 ノダフジの名前の由来となった大阪市福島区の野田は、フジの名所として有名で、毎年4月には「のだふじめぐり(ふじ祭り)」が開催されます。樹齢1200年を越え、天然記念物に指定されている埼玉県春日部市の「牛島の藤」もよく知られています。


































