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秋の七草の撫子|花の季節や特徴、種類を紹介

秋の七草の1つである撫子について、花の季節や特徴、名前の由来、大和撫子の意味、種類について紹介します。

目次

撫子の特徴

撫子の特徴

  • 学名:Dianthus
  • 科名・属名:ナデシコ科ナデシコ属
  • 分類:多年草

撫子の特徴

撫子とは、ナデシコ属からカーネーションを除いたものの総称です。秋の七草の1つに数えられ、万葉の時代から愛されてきた花です。

ナデシコ属は世界に300種ほどあり、ヨーロッパからアジア、南アメリカの温帯や亜熱帯に分布しています。日本にはそのうち4種が自生し、1種が帰化しています。撫子の花は、花びらは5枚、縁に切れ込みが入った独特のフォルムをしていて、色はピンクや白、赤などがあります。茎に太い節があり、この節の部分から容易に手折ることができます。つまり、折るつもりがなくても簡単に折れてしまうので、扱いには注意が必要です。

日本で昔から撫子と呼ばれ愛されてきたのは、カワラナデシコという品種です。細い茎とレースがほつれたような花びらの繊細さが特徴の可憐な花で、河原や開けた草原など、身近な場所に自生しています。

撫子の名前の由来

撫子の名前の由来

撫子という名前は「撫でてあげたいくらいかわいい花」という意味だといわれています。また、学名の Dianthus は、ギリシャ語で神々しいという意味の「dios」と、花という意味の「anthos」に由来します。和名も学名も、花の魅力が由来となっているようです。

生薬として利用される際は、「瞿麦草(くばくそう)」と呼ばれます。

大和撫子とは?

大和撫子とは、日本女性を賛美する際に使用される言葉です。撫子は、万葉集の時代から日本で愛されてきた花であり、昔から魅力ある女性の例えとして使用されてきました。

古くは、撫子といえばカワラナデシコのことでしたが、後に中国からセキチクという撫子の仲間が渡ってきたことで、カワラナデシコを「大和撫子(ヤマトナデシコ)」、セキチクを「唐撫子(カラナデシコ)」と呼び分けるようになりました。

撫子の花言葉

撫子の花言葉

撫子の花言葉は「無邪気」「純愛」

撫子の色別の花言葉

ピンクの撫子の花言葉は「純粋な愛」

赤の撫子の花言葉は「純粋で燃えるような愛」

白の撫子の花言葉は「器用」「才能」

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撫子の花の季節

撫子の花の咲く季節

撫子の花が咲くのは春から秋、4月~10月です。撫子は、品種により開花時期が異なります。カワラナデシコやエゾカワラナデシコなどは夏から秋、ビジョナデシコやセキチクは晩春から初夏、四季咲きのものは、気候が合えば、春から秋まで咲いています。

撫子はいつの季語?

撫子は、初秋の季語とされています。秋の七草に数えられているのは、夏から秋に咲くカワラナデシコです。

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撫子の種類

カワラナデシコ

撫子の種類

  • 学名:Dianthus superbus var. longicalycinus

カワラナデシコは、昔から日本に自生する多年草。万葉集に詠まれているのは、このカワラナデシコだと言われています。

草丈40~80cm、花びらの縁にほつれたような切れ込みが入るのが特徴です。

エゾカワラナデシコ

エゾカワラナデシコ

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  • 学名:Dianthus var. longicalycinus

エゾカワラナデシコは、カワラナデシコの変種。ガク筒の長さがカワラナデシコよりも短いのが特徴です。

タカネナデシコ

タカネナデシコ

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  • 学名:Dianthus var. speciosa

タカネナデシコは、花径6~7cmの大きな花を咲かせる高山植物。日本以外に、アジアやヨーロッパでも自生しています。

シナノナデシコ

シナノナデシコ

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  • 学名:Dianthus shinanensis

シナノナデシコは、日本固有種で、中部地方の開けた場所に自生します。草丈15cm程度と小ぶりで、花びらの切れ込みが浅いのが特徴です。

ビジョナデシコ

ビジョナデシコ

ビジョナデシコ

  • 学名:Dianthus barbatus

ビジョナデシコは、ヨーロッパ原産のナデシコ。花茎に先に複数の花を、毬のように咲かせます。

セキチク

セキチク

  • 学名:Dianthus chinensis

セキチクは、中国から渡来したナデシコ。カーネーションの親となった品種だともいわれています。

ハマナデシコ

ハマナデシコ

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  • 学名:Dianthus japonicus

ハマナデシコは、海岸を好んで自生します。花茎の先に複数の花を咲かせるのが特徴で、園芸品種も豊富です。

テマリソウ

テマリソウ

  • 学名:Dianthus barbatus

テマリソウは、花を咲かせないグリーンのボールのようなフォルムが特徴。ビジョナデシコの改良品種で、切り花としてブーケやアレンジメントにも使用されます。

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撫子の育て方

撫子の育て方

場所・用土

日当たりと水はけの良い環境を好みます。

水やり

根付いてからは降雨に任せます。乾燥が続くようなときは、様子を見て水やりしましょう。

鉢植えは、表土が乾いたらたっぷりと水やりしましょう。加湿が苦手なので、過度な水やりに注意してください。

肥料

開花中は追肥をした方が花付きがよくなるので、希釈した液肥などを施しましょう。

病害虫と対処法

株が蒸れると病害虫の原因となります。風通し良く管理するようにしてください。

剪定

蒸れが苦手なので、雨の多い時期は適宜剪定をし、風通しが良くなるように管理してください。花が終ったら半分程度まで切り戻したり、込みあった箇所を透かすようにします。

冬越し

撫子は、冬は地上部を枯らして休眠します。枯れた葉茎は地際まで切り詰めるようにしましょう。

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優美な日本女性に例えられるような撫子の花。秋の七草にも数えられる撫子を、育てて飾って愛でてみませんか。

 

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