香水にも使われている!香りの良い春の花とその香水6選

山田智美
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春は香りの良い花がいっぱい!そんな春の花の中でも、香水に使われるほど香りの良い春の花と、それぞれの花が使用されている香水を紹介します。
春は気分もわくわく軽やかになる季節。花の香りを纏って(まとって)お出かけしませんか。
目次
色も香りもきれいなライラック
- 学名:Syringa vulgaris
- 科名:モクセイ科
- 分類:落葉高木
フランス語ではLilas(リラ)。薄紫や白、ピンクの小花の集合体を房状に咲かせます。甘く優しい芳香の花を、枝の先にたわわに咲かせる姿が印象的です。露地で花が咲くのは5~6月。切り花では12月頃から出回ります。
可憐な花姿と香りの良さから、普遍的な人気の春の花です。
▼ライラックの詳しい育て方はこちら
- ライラックは4月~6月に開花する落葉小高木で、葉はハート形、花は円錐形に小花が房咲きになります。ライラックの花は、紫色、薄紫色、ピンク色、白色などの一重や八重の花をつけます。香りがよいので、世界中で愛されている花木です。 ライラックはフランス語でリラ、和名は紫丁香花(ムラサキハシドイ)といい、ハシドイは日本に自生する近縁種の落葉小高木のことです。ライラックは冷涼な気候を好み、特に夏の夜温が下がるところを好みます。日本では東北北部や北海道、本州の高原地帯が適地といえます。ライラックは風通しがよく、湿気の少ない環境を好みます。暖地に植える場合は西日が当たらない日当たりのよい場所を選んで植えましょう。 ライラックの属名のSyringa(シリンガ)はギリシア語で笛やパイプを意味するsyrinxに由来し、枝の髄の部分をくりぬいて管にし笛をつくって古代ギリシャでは羊飼いたちがライラックの笛を吹いていたそうです。トルコではこれをパイプにしていたそうです。
ライラックが使われている香水
- Champs-Élysées/GUERLAIN(シャンゼリゼ/ゲラン)
- Guilty/GUCCI(ギルティ/グッチ)
可憐なスズラン
- 学名:Convallaria majalis
- 科名:スズラン亜科
- 分類:多年草
小さな白い花を俯くように咲かせるスズラン。可憐な花姿とすっきりとした芳香が人気です。野花のような控えめな雰囲気も相まって、ブライダルブーケにも使用されることの多い花です。
露地で花を咲かせるのは、4月の下旬から5月上旬ですが、切花では2月くらいから出回ります。
甘ったるさの無いすっきりとした香りが人気です。
▼スズランの詳しい育て方はこちら
スズランが使われている香水
- Muguet Porcelain/ HERMES(ミュゲ ポースレン/エルメス)
- Eternity/Calvin Klein(エタニティ/カルバンクライン)
- CHAMP DE FLEURS COLOGNE/L’ARTISAN PARFUMS(シャン ド フルール/ラルチザンパフューム)
- Relax Eau de White Floral/JILL STUART(リラックス オード ホワイトフローラル/ジルスチュアート)
春の訪れを告げるスミレの花
- 学名:Viola
- 科名:スミレ科
- 分類:多年草
春の訪れを知らせるように、早春から咲き始めるスミレの花。草丈短く、切ってしまうとあまり長持ちしない花ですが、それでもスミレのブーケは人気があります。
「スミレ色」「バイオレット」と言えば、深く濃い紫色を指す言葉。「スミレ」、「バイオレット」は女性の名前に使われることが多く、世界中で女性らしい可憐な花だと愛されていることがわかります。
ほのかに香る、甘い香りが魅力です。
▼スミレの詳しい育て方はこちら
スミレ(すみれ・菫)
- スミレという名前は、スミレ科スミレ属の総称のように使われていますが、本来は「スミレ」と名付けられたViola mandshuricaのことを指します。mandshuricaとは中国を意味する言葉ですが、スミレは日本原産の植物です。日本の風土に馴染みやすく、非常に育てやすい植物です。 スミレの花は形が特徴的で、花の後部が突き出して細長い袋状となっており、ここが蜜を分泌する蜜房となっています。スミレという名前の語源は、その花の横から見た姿が大工が使う墨入れ(墨壺)に形が似ていることから付いたと言われていますが、諸説ありますので定かではありません。 スミレは日本に自生する多年草で、野山や森以外に街中でも見かけられます。典型的な虫媒花で、その花の蜜を求めてやってきた昆虫の体に付着した花粉が、次の花に移動して授粉するという仕組みです。けれど、実際にはこの方法で結実することは少ないと言えます。春の開花期を過ぎた夏から秋、環境がよければ冬でも、閉鎖花と言って蕾の段階で自家受精して結実します。スミレが花を咲かせていないのに、種を作っているのを見かけるのはこのためです。
スミレが使われている香水
- Insolence/GUERLAIN(アンソレンス/ゲラン)
- J’ADORE/Christian Dior(ジャドール/クリスチャンディオール)
水仙(スイセン)の爽やかな香り
- 学名:Narcissus
- 科名:ヒガンバナ科
- 分類:球根植物
水仙(スイセン)はまだ寒いうちから咲き始める、香りの良い春の球根花です。12月くらいから咲き始める早咲きの種類から、3月くらいまで咲く品種まで様々です。
目が覚めるようなすっきりとした芳香は、いつまでも顔を近づけていたいような気持ちにさせられます。
▼水仙(スイセン)の詳しい育て方はこちら
水仙(スイセン)
- 水仙(スイセン)は、早春に花を咲かせる春を告げる球根植物のひとつです。白と黄色以外にピンクや緑、オレンジなど、色とりどりの花が咲きます。水仙(スイセン)の園芸品種の数は数万品種もあり、とても種類が豊富です。品種によって一本の茎から一本の花が咲く種もあれば、日本水仙のような房咲き種もあります。最近では八重咲種など、新品種の水仙(スイセン)が毎年のように登場します。水仙(スイセン)は、主に冬咲きと春咲きの品種が多いですが、中には秋に咲く品種もあります。 水仙(スイセン)は、数年間は植えっぱなしで管理でき、環境が合えば球根が年々増えていくのでガーデニング初心者にはおすすめの球根の花です。球根をまとめて植え付けておくと、年々分球し、とても見事な空間となります。日本全国には、たくさんの水仙(スイセン)の群生スポットが存在します。
水仙(スイセン)が使われている香水
- Eau de Narcisse Bleu/Hermès(オー ドゥ ナルシス ブルー/エルメス)
- TRUE LOVE/ELIZABETH-ARDEN(トゥルーラブ/エリザベス・アーデン)
マグノリアの魅力
- 学名:Magnolia grandiflora
- 科名:モクレン科
- 分類:常緑高木高木
マグノリアとは、モクレン科モクレン属の植物の総称です。モクレンやコブシ、タイサンボク、オオヤマレンゲなど全て含まれます。
香水の原料として「マグノリア」と言われる場合はタイサンボクのことを指します。10mを越す高木で、上の方の枝にに真っ白で大輪の香りの良い花を咲かせます。
手が届かないほど上の方に花を咲かせるため香りを確認出来るチャンスは少ないのですが、タイサンボクの花には女性らしく優しい香りがあります。
マグノリアが使われている香水
- Splendida Magnolia Sensuel/BVLGARI(スプレンディダ マグノリアセンシュアル/ブルガリ)
- Linstant de guerlain/GUERLAIN(ランスタン・ド・ゲラン/ゲラン)
- FLORA BY GUCCI GARDEN GLAMOROUS MAGNORIA(フローラ バイ グッチガーデン グラマラス マグノリア/グッチ)
香りも花も優しく可愛らしいミモザ
- 学名:Acacia baileyana(ギンヨウアカシア)、Acacia dealbata(フサアカシア)
- 科名:マメ科
- 分類:常緑高木高木
ミモザは桜より少し早くから咲き始める春のお花です。明るい黄色のふわふわとした花を枝いっぱいにたわわに咲かせます。太陽を浴びて咲き誇るミモザの花は見ている者の心を明るくしてくれます。
ミモザの花には強くはない芳香があります。甘ったるさはないのですが、何だか懐かしい気持ちになるような優しい香りです。
ミモザが使われている香水
- CHAMPS-ELYSEES/GUERLAIN(シャンゼリゼ/ゲラン)
- GAGGIA/SANTA MARIA NOVELLA(ミモザ/サンタ・マリア・ノヴェッラ)
ふわりと香る花の優しい香りは、自分も周りも幸せにしてくれます。なんだか気持ちが軽くなる季節。春の花の香りを纏って(まとって)お出かけしませんか。
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