クリスマスローズ|寒さに強く上品で華やかな花
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クリスマスローズは、他の花がまだ咲かない寒い季節に美しい花を咲かせる、キンポウゲ科の耐寒性多年草。原種や園芸品種など、色や咲き方のバリエーションが豊富なので、きっとお気に入りを見つけられるはずです。クリスマスローズの花の特徴と魅力、種類、育て方、寄せ植え、花言葉、楽しみ方をご紹介します。
目次
クリスマスローズの特徴と魅力

クリスマスローズは、まだ花が少ない寒い時期に開花する常緑の多年草です。ややうつむきがちな花姿はとても上品で美しく「冬の貴婦人」という愛称がぴったりです。
クリスマスローズという名は、原種のヘレボルス・ニゲルがクリスマスの時期に咲くバラに似た花であることから付けられたと言われています。
花びらに見える部分は、本当は「ガク片」です。本来の花びらは退化して蜜腺となり、雄しべの周りにあります。花が咲き終わってもガクの部分は落ちることがないので、「ガク(学)が落ちない」=縁起が良い花として「合格の花」とも呼ばれています。ちょうど受験シーズンに咲くので、健気に咲いている姿を見ると、毎年受験生を応援しているみたいにも感じます。
クリスマスローズの種類
クリスマスローズの原種は、20種類ほどあると言われています。クリスマスローズは展示会が開催されるなど愛好家も多く、全国各地のクリスマスローズの有名生産者、育種家が、こだわりの品種を栽培しています。
花(ガク)の色は白、ピンク、緑、紫、黄、黒、アプリコットなど豊富にあり、スポットやブロッチが入るタイプ、ピンクや紫の縁取りがあるタイプ、咲き方も一重咲きや八重咲きなど多種多様に存在します。
一重咲き

オフホワイトのシンプルな一重咲きです。咲きはじめは純白でピュアなイメージで、花が終わってガクだけが残るとおしゃれな緑色に変化していきます。
アネモネ咲き

淡いピンク色のアネモネ咲き。よく見ると内側の小さな花びらにも濃いピンク色の縁取りが入っていてとても愛らしいです。
一重咲きのスポットタイプ

シックな紫色に濃い紫のスポットが入っているタイプ。花びらに見えるガクの中心に向かってスプレーを吹き付けたような斑点があります。
八重咲きのスポットタイプ

淡い緑色に紫色のスポットが入っている八重咲きのタイプ。
八重咲きのブロッチタイプ

淡い黄色に紫色のブロッチが入るタイプ。ブロッチは、花の中心から斑点が固まって広い面積に入ります。
八重咲きの黒色

クリスマスローズ・ブラックスワン。マットブラックの八重咲き品種です。花が大きく豪華で、気温が低いほど黒が濃くなって光沢を帯びます。
八重咲きのピコティ(覆輪)

白い花びらに赤紫色の縁取りが入っています。そのような覆輪のことをピコティといいますが、クリスマスローズの覆輪は絹糸のように繊細であることから「糸ピコティ」ともよばれます。
原種系の香りがあるタイプ

原種系のクリスマスローズ・ボッコネイ。ほのかにフルーティーな甘い香りがします。
原種系の有茎種

原種系のクリスマスローズ・アーグティフォリウス。有茎種のクリスマスローズで、複数の茎が立ち上がって葉を展開し、その頂部に花を咲かせるのが特徴です。
クリスマスローズの育て方
クリスマスローズは明るい日陰や半日陰を好むため、シェードガーデンや、夏は日陰で冬は日が当たる落葉樹の下などに植えるとよく育ちます。地植えでも鉢植えでも育てることができ、一年中常緑で寒さに強く、お手入れもそれほど難しくないので、初心者にもおすすめです。
鉢植えの場合、秋から春までは土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。冬は夕方に水を与えると、寒さで根が凍結してしまうこともあるため、晴れた日の午前中に行いましょう。高温多湿が苦手なため、夏は風通しの良い半日陰に移動させて、根腐れを起こさないように水のやりすぎに注意して、肥料は与えません。
クリスマスローズの寄せ植え
おしゃれな寄せ植えを作るポイント
クリスマスローズは、和風洋風どちらの雰囲気にも合う花です。
「ナチュラルテイストに」「華やかに」「シックに」「クリスマス用」「お正月のウェルカムコンテナ」など、テーマを決めると合わせる草花を決めやすいです。色をたくさん使いすぎるとごちゃごちゃして美しさが半減するため、色数は少なめにして色の濃淡をつけるとおしゃれに仕上がります。
雪どけの季節に咲く花たちの寄せ植え

クリスマスローズとムスカリを使った雪どけの季節に咲く花たちの寄せ植え
少しうつむいたクリスマスローズと可愛らしい球根のムスカリが印象的。森の中からそっと切り取ってきたようなナチュラルで可愛い寄せ植えです。冬から春へと移り変わる季節に彩りを添えます。
寄せ植えに使っている草花
- クリスマスローズ
- ムスカリ(芽出し球根)
- プリムラ
- タイム
- ビオラ
- コロキア
和風テイストの大人かっこいい寄せ植え

クリスマスローズにコデマリやクモマグサなどを合わせて、和風のお庭にも合う雰囲気に仕上げました。黒の器を使って大人っぽいかっこよさを演出しています。
寄せ植えに使っている草花
- クリスマスローズ
- コデマリ
- クモマグサ
- エレモフィラ
- ラミウム
- カレックス
- ワイヤープランツ
3ポットで作る寄せ植え

オフホワイトのクリスマスローズと淡い赤紫色のクリスマスローズに、暖かみのある赤系のパンジーを合わせました。クリスマスローズは花が終わった後もガクが残って、ガクの色の変化が美しいので、冬から春まで長い期間楽しめる寄せ植えが作れます。苗3ポットで作る寄せ植えは、苗の配置が簡単なので初心者の方にもおすすめです。
寄せ植えに使っている草花
- クリスマスローズ2種
- パンジー
クリスマスローズを暮らしに取り入れよう
切り花の楽しみ方

お庭で育てたら、花が咲いたときに切り花として室内に飾って楽しむこともできます。クリスマスローズの切り花は、水を吸い上げにくい特徴があるため、「湯揚げ」という、カットした茎の部分を熱湯に浸ける方法で水揚げすると、とても長持ちします。
アーティフィシャルフラワーの活用

生花を飾りにくい場所には、最近クオリティが向上している造花(アーティフィシャルフラワー)を飾るのも、花を一年中楽しむ素敵なアイデアです。クリスマスローズの花の質感や色など本物そっくりなものが売られているので、こんなリースを作って室内に飾るのもいいですね。
クリスマスローズの花言葉
クリスマスローズの花言葉は、「いたわり」「慰め」「追憶」「私を忘れないで」。古くから原種のクリスマスローズの香りは、人の心を癒やす効果があると言われていたことや、騎士たちが戦場に向かう時に自分を忘れないで欲しいという気持ちを込めて、恋人にクリスマスローズの花を贈ったことからそのような花言葉が付けられたそうです。
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