花屋が解説！ 紫陽花の切り花のおしゃれな生け方、飾り方、長く楽しむ方法
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紫陽花の切り花の生け方、飾り方をご紹介します。基本的な水あげ、長く楽しむ方法、紫陽花守りの作り方や飾り方まで。花のある暮らしを楽しみましょう。
目次
紫陽花の生け方の基本を解説
お庭で摘んだ紫陽花、買ってきた紫陽花、どちらにも共通の基本の生け方を紹介します。紫陽花は、水が落ちやすいという特徴があります。下記のひと手間をかけることで、水の吸い上げが良くなります。
1.余計な葉を取る
最初に紫陽花の余計な葉を取りましょう。理由は、葉がたくさんついているとかさばってしまって生けにくい、また葉から水分が蒸発するのを防ぐためです。
2.茎の中のわたを取る
紫陽花の茎のなかにはわたのようなものが詰まっています。
ナイフやカッターがあればベスト、なければハサミで斜めに大きくカットします。ナイフやハサミの先を使ってわたを掻き出しましょう。
このわたを取り除くと、茎の中の道管から水をたくさん吸い上げることができるようになります。
3.深水に浸ける
紫陽花は水が大好きな花、深水で生けるのが基本です。茎の中の道管から水を吸い上げますが、茎の表面からも微量ながら水を吸収しています。花器の半分以上、2/3くらいまでたっぷりと水を入れてください。
紫陽花を長く楽しむ方法
紫陽花は、切り花にしても長く楽しめる花です。それでも時々、突然ぐったりと萎れてしまうこともある気難しい面もあります。
紫陽花のみずみずしく美しい姿を長く楽しむ方法を紹介します。
紫陽花は花器の水の鮮度が大切
紫陽花を長く楽しむために、水の鮮度はとっても重要。水が傷んでくるとバクテリアが発生しやすくなります。水と一緒にバクテリアを吸い上げてしまうと、紫陽花が傷んで萎れてしまいます。
花器の水は毎日交換しましょう。この時、0.5～1cm程度茎を切り戻して、切り口の鮮度を保つことも大切な作業です。
新鮮な水と切り口でバクテリアの発生を防ぐようにすれば、紫陽花を長く楽しめます。
紫陽花が萎れた時の対処法
紫陽花は、突然ぐったりと萎れてしまうことがあります。そんな時は、思い切って茎を5cm程度大きく切り戻し、深水に浸けてみましょう。
手順は、まず紫陽花を新聞紙で包んでから、茎を大きく斜めにカットし、中のわたを取り除きます。そのまま花首まで浸るくらいの深水に入れておきます。数時間から半日ほど経ってシャキッとしていたら取り出して、好みの花器に生けましょう。
紫陽花のおしゃれな飾り方
紫陽花は、小さな花が集まって毬のようなフォルムを形成している花です。紫陽花の特徴を活かして、いろんな飾り方を楽しんでみましょう。
紫陽花をオーナメントのように飾る
紫陽花だけを数本まとめて、大きく生けてみましょう。小花やグリーンを合わせずに紫陽花だけを生けることで、フォルムを強調する、印象的な飾り方です。テーブルの中央や、フォーカルポイントに飾れば、オーナメントのような存在感を発揮します。
紫陽花と草花の軽やかな飾り方
紫陽花と庭で摘んだような草花やハーブの組み合わせは、風を感じるような軽やかな雰囲気を楽しめる飾り方です。
紫陽花とつる植物の伸びやかな飾り方
紫陽花とつる植物の組み合わせは、大きな花の塊がほぐれていくような軽やかさを感じさせます。つるの先を流れるように遊ばせて。紫陽花のフォルムとつるの曲線を活かした、静と動の対比を楽しめる飾り方です。
紫陽花を小房に分けて飾る
紫陽花を小房に分けて、小瓶やキャンドルホルダーに生けてみましょう。紫陽花は小花の集合体なので、小房に分けても様になります。テーブルの上にランダムに並べたり、窓辺のようなスモールスペースに置いたり。遊び心を感じる飾り方です。
紫陽花を水に浮かべて涼しげに飾る
紫陽花の花を小房に分けて水に浮かべる、涼しげで華やかな飾り方です。ちょっとしたおもてなしにもおすすめです。
紫陽花をドライフラワーにするコツ
紫陽花をドライフラワーにして楽しむためのコツを紹介します。
ドライフラワーにできる紫陽花とできない紫陽花がある？
紫陽花にはきれいなドライフラワーにできるものと、できないものがあります。これは品種の問題ではありません。咲いている時期と花の水分によります。咲き始めから満開の時期の紫陽花は水分が多く、きれいなドライフラワーになりません。吊るしておいてもしわしわになってしまいます。枯れてしまう少し前、花がくすんだ秋色に変化し始めたころが適期です。
ドライフラワーにできない紫陽花
こんな紫陽花はきれいなドライフラワーになりません。
・咲き始めから満開の時期の紫陽花
・みずみずしく、色鮮やかに咲いている紫陽花
・咲き始めの真白なアナベル
ドライフラワーにできる紫陽花
きれいなドライフラワーにできるのはこんな紫陽花です。
・乾燥し始めた紫陽花
・くすんだ秋色に変化し始めた紫陽花
・咲き進んでグリーンに変化したアナベル
紫陽花をきれいなドライフラワーにするコツ
紫陽花をきれいなドライフラワーにするなら、秋が適期です。湿気が多い季節は花がうまく乾燥しにくく、色も鮮やかに出ません。空気が乾燥し始めた頃に、秋色になった紫陽花を吊るして乾燥させましょう。秋色紫陽花は、1週間程度できれいなドライフラワーになります。
紫陽花守りの作り方
紫陽花守りとは
紫陽花守りとは、紫陽花の花で作るお守りのこと。正月飾りや節分のヒイラギのように玄関や部屋の入口に飾って、魔除けとします。
紫陽花守りの意味や縁起は、地域によって様々です。「玄関に吊るしておくと疫病を防ぐ、魔除けになる」「天井から吊るせばお金に困らない」など。他にも商売繁盛の祈願などもあるようです。つまり、家族の幸せや魔除け、金運アップなど幸せを願って飾る、昔から伝わってきた気軽なおまじないです。
紫陽花守りの飾り方
紫陽花守りの飾り方は、花が下向きになるように高い位置から吊るすだけです。
紫陽花守りを飾る場所
飾る場所は、玄関、リビング、部屋の入口、トイレなど。人が集まるような場所を選びましょう。
紫陽花守りを飾る日
紫陽花守りを飾る日は諸説あります。概ね、6月1日と6月の6が付く日、つまり6日と16日、26日だと言われています。他にも、土用の丑の日に飾るという説もあります。
紫陽花守りの作り方
材料
- 半紙などの和紙
- 水引や麻ひも
- 紫陽花
作り方
① 紫陽花の枝を長めに残して切り、余計な葉を取り除く
② 半紙や和紙で包み、根元を水引や麻紐で結ぶ
③ 中に願い事を書いた紙を忍ばせてもよい
紫陽花守りの作り方には細かいルールはありません。紫陽花と一緒に好みの草花を束ねてみるのも華やかさが増します。インテリアとしても楽しめるような素敵な紫陽花守りを作ってみましょう。
切り花やドライフラワーで楽しめる紫陽花の種類
紫陽花
紫陽花は、梅雨の時期に盛りを迎える花。花色は、ピンク、紫、青、水色、各色の濃淡、複色など。生花はたっぷりの水で生けるのがコツです。色がくすみ始めた秋色紫陽花はきれいなドライフラワーになります。
ガクアジサイ
ガクアジサイは、外側に大きな花、内側に小さな花が集まった日本固有種の紫陽花です。紫陽花の花のように見える部分は実はガクが変化したもので、中の小さなものが本来の花です。
ヤマアジサイ
ヤマアジサイは、花も株全体も少し小ぶりな紫陽花。名前の通り、紫陽花の野生種です。花が小ぶりなので、小さな花器にも合わせやすいのが魅力です。
アナベル
アナベルは、アメリカアジサイという別名もある紫陽花の仲間。咲き始めはライムグリーン、咲き進むにつれ真白な毬のようになって、最後はグリーンになっていきます。グリーンになってからのアナベルは乾燥しやすく、ドライフラワーとして楽しめます。
ノリウツギ（ピラミッドアジサイ）
ノリウツギは、ピラミッドアジサイとも呼ばれる、円錐状の花穂が特徴の紫陽花の仲間。ミナヅキもノリウツギの仲間です。秋にくすんだピンクに色づく品種などもあり、ドライフラワーとして楽しめます。
カシワバアジサイ
カシワバアジサイは、花も葉も大きく存在感がある紫陽花の仲間。葉のフォルムが柏に似ているのが名前の由来です。大きな花は、切り花にしても楽しめます。
紫陽花の切り花を生けて飾って楽しむ方法を紹介しました。無機質なインテリアのなかに、みずみずしい花があると、視覚から癒されるような贅沢を楽しめます。紫陽花を飾って、花のある暮らしを楽しみましょう。
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