ソヨゴ|花や実の時期や特徴、シンボルツリーにおすすめの理由
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ソヨゴの花咲く時期や実のなる時期と特徴、シンボルツリーにおすすめの理由、合わせて植えたい下草まで、詳しく紹介します。
目次
ソヨゴとは?基本情報
- 学名:Ilex pedunculosa
- 別名:フクラシバ
- 科名・属名:モチノキ科モチノキ属
- 分類:常緑高木
ソヨゴの特徴
ソヨゴは、モチノキ科モチノキ属の常緑高木です。日本では関東地方以西、四国や九州に自生している、身近な場所で見かける木。あまり根を張らず、比較的乾燥している場所でも育つことや、生長がゆっくりで手入れが楽なことから、シンボルツリーとして好まれます。
ソヨゴは、光沢のあるグリーンの葉と赤い果実が美しいのが特徴です。果実には2~4cmの長い柄があり、葉の間からぶら下がるように実っている姿はさくらんぼのような可愛らしさがあります。雌雄異株なので赤い実をつけるのは雌株です。また雄株が近くにないとうまく結実しないこともあります。
ソヨゴの名前の由来
ソヨゴという和名の由来は、風によってさわさわと葉擦れの音を立てることから「(風に)そよぐ」が変化してソヨゴとなったとされています。
ソヨゴの花言葉
ソヨゴの花言葉は「先見の明」
先見の明とは、何事かが起こる前にそれを見抜く、見通す力のことです。例えば先手先手でビジネスを成功させる人のことを「あの人は先見の明がある」などと表します。ちょっとかっこいい花言葉です。
ソヨゴの花を知ってる?咲く季節や特徴
ソヨゴはとても小さくて地味な花を咲かせます。注意して確認しないと咲いていることに気がつかないくらいの小さな花です。ソヨゴの花の咲く時期や特徴を紹介します。
ソヨゴの花咲く時期
ソヨゴの花咲く時期は、5月~6月です。初夏の風が吹き始めた頃に葉の間に小さな花を咲かせます。光沢のある葉の間から小さなグリーンがかった花を咲かせます。
ソヨゴの花の特徴
ソヨゴの花は直径5mm程度、色はグリーンに近い白です。ソヨゴは雌雄異株なので、それぞれに花が咲きます。雄株の花は枝の先に密集するように咲くのに対して、雌株の方が花数が少ないのが特徴です。雌株の花には2~4cm程度の長い柄があります。
ソヨゴの実の時期や特徴
ソヨゴは小さな赤い実が可愛らしい庭木。先にもお話しした通り、ソヨゴは雌雄異株なので実が付くのは雌株です。ソヨゴの実について紹介します。
ソヨゴの実がなる時期
ソヨゴの実が赤く熟すの時期は、10月から1月。秋も深まり、紅葉が始まった頃に葉の間からちらちらと赤い実が見えるようになり、その後、枝の先に真赤なサクランボのような実がたくさん実ります。
ソヨゴの実の特徴
ソヨゴの実は、長い柄があるのが特徴です。個体差がありますが、柄の長さは概ね2~4cm程度。ソヨゴの実の直径は1cm足らずと小さく、柄の先にぶら下がるように付きます。周囲の落葉樹が紅葉し始めた頃に小さく真赤な実を付ける姿はとても可愛らしく、しばらく眺めていたくなるほどです。
赤く熟した実を食べに鳥たちがやってくるので、秋から冬の間はちょっと賑やかになります。鳥にとってはご馳走のようですが、人間は食用にはできません。
ソヨゴの実が落ちる?
秋に赤く熟したソヨゴの実は12月~2月くらいになると落ちていきます。実が落ちるのは特に病気や枯れたということではなく、自然のサイクルです。
ソヨゴの葉の特徴
風で葉擦れの音を立てるからソヨゴ。ソヨゴの可愛らしい葉の魅力を紹介します。
ソヨゴの葉の特徴
ソヨゴの葉は、全体が咲きの尖った楕円形で色はグリーン、表面にはやや光沢があります。葉の縁が波打っているのが特徴です。
フクラシバという別名の由来
ソヨゴにはフクラシバという別名もあります。ソヨゴの葉を熱すると音を立てて葉が裂けることから付いたとされています。
ソヨゴの葉の黒い点
比較的病害虫の被害にあいにくい庭木ですが、まれに黒点病の被害にあうことがあります。ソヨゴの葉の表面に黒い点を確認したら、速やかに葉を取り除き薬剤を散布するようにしましょう。
ソヨゴがシンボルツリーにおすすめの理由
常緑で丈夫なソヨゴ。シンボルツリーにおすすめな理由を紹介します。
ソヨゴの大きさ
ソヨゴの樹高は3~6m程度、大きなものでも10m程なので、大きくなり過ぎず、管理しやすいという利点があります。枝を横に大きく広げるようなこともなく、自然樹形で整うので、剪定に神経質になる必要もありません。庭の中であまり場所を取らず、育てやすい庭木です。
ソヨゴは目隠しとしても活躍
ソヨゴは葉の密度が高く、樹高も3m以上と大きいので、目隠しとして活躍してくれる庭木の一つです。葉の密度が高いといっても、びっしりと空間を埋めてしまうような樹形ではないので、枝の間から風が抜ける柔らかな雰囲気も楽しめます。
ソヨゴの株立ち
株立ちとは、株元から数本の幹が伸びている樹形のこと。株立ちは数本を寄せ植えのようにして仕立てているものもあります。ソヨゴの株立ちの多くは幹を株元で切り、数本の幹を発生させたものです。
ソヨゴの株立ちは一つ一つの幹が華奢なので、柔らかな印象になります。また1本の幹のものより生長が緩やかになるという特徴もあります。風が抜けるような自然樹形が美しいソヨゴの株立ちは、シンボルツリーにおすすめです。
虫が付きにくい?
ソヨゴは、比較的病害虫の被害が少ない庭木です。特に毛虫がつきにくいということで有名です。それでもまったく被害にあわないということはなく、日当たりや風通しが悪いとカイガラムシが付くことがあります。カイガラムシを発見したら、歯ブラシなどでこすり落としましょう。土に落ちたカイガラムシは木には登ってきません。
ソヨゴと相性の良い下草たち3種
ソヨゴは常緑高木なので、冬でもグリーンの葉を絶やさず、足元に木陰を作ります。しっかりとした丈夫な葉は雨も防いでくれます。ソヨゴの下草として植えるなら乾燥に強く日陰でも育つ植物が向いています。ソヨゴと相性の良い下草を紹介します。
ツルニチニチソウ
ツルニチニチソウは日向から半日陰まで生育します。さらに比較的乾燥にも強い植物です。ツルニチニチソウはつると言っても自ら他の植物に絡みついていくことはなく、地面をほふくするように生長していきます。ソヨゴの株元を覆うように生長していきます。
タイム
タイムは香りが良いことで有名なハーブです。料理に使うコモンタイムの他、斑入り種など葉の色のきれいな種類も豊富です。乾燥気味を好み、日当たりの良い場所から半日陰程度まで問題なく育てられます。
セダム
セダムは日向から半日陰に向いている多肉植物です。高温多湿に弱い傾向があるので乾燥気味に育てます。セダムは草丈低く、グリーンの絨毯のように生長していきます。ライムグリーンのような明るい色や斑入り種などもあるので、ソヨゴの下草として株元を明るく彩ってくれます。
ソヨゴの育て方
場所・用土
日当たりの良い場所から半日陰まで植え付けが可能です。特に用土は選びませんが、植え付け前に腐葉土を漉き込んで肥沃な土壌にしておくとよいでしょう。
水やり
植え付けてから根付くまでは表土が乾いたら水やりをします。根付いてからは降雨に任せます。
肥料
冬2月頃に寒肥として緩効性肥料を与えます。
ソヨゴの剪定
ソヨゴの剪定は2月に行います。大きくなり過ぎた枝や不要な枝を取り除き、風通しが良くなるようにします。ソヨゴは自然樹形が美しい庭木です。樹形を整えるような大きな剪定はあまり必要ありません。
一年中グリーンの葉を絶やさず、秋から冬にかけては小さな赤い実を付けるソヨゴ。夏には風に揺れる葉擦れの音が涼を感じさせてくれます。常緑樹なので目隠しや生垣にもおすすめ。病害虫の被害も少なく、育てやすいソヨゴをシンボルツリーとして迎えてみませんか。
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