春まきダイコン(大根)のとう立ち|家庭菜園の失敗例と対策

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戸松敦子

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ダイコン(大根)の種を春にまくと、収穫する前に「とう立ち」して花が咲き、根が太く育たないことがあります。今回はそんな失敗例の紹介と、対策についてお話しします。

撮影協力/アグリス成城

目次

春まきダイコン(大根)のとう立ちとは?

ダイコン とう立ち 花

ダイコン(大根)の花

「とう」は花を咲かせる茎のことで、花芽がついた茎が伸びた状態のことを「とう立ち」と言います。

トマトやナスなどの野菜は、実を収穫するために必ず花を咲かせる必要がありますが、ホウレンソウやダイコンなどの野菜は、花が咲いてしまうと葉が硬くなって美味しくなくなったり、根の生長が止まってしまいます。通常は花を咲かせる前に収穫する野菜が、花芽をつけて茎を伸ばしてしまったことを「とう立ち」と呼ぶことが多いです。

花芽ができる原因は野菜によって違うのですが、ダイコンは、種が水を吸って芽が動き出したときから低温に一定期間さらされ、その後気温が上がり日が長くなるととう立ちします。

ホウレンソウなどの長日植物は日が長くなると花芽ができたり、シソなどの短日植物は日が短くなると花芽ができたり、トマトやナスのように日の長さに関係なく一定の大きさに育ったら花芽をつけるものなど様々です。

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春まきダイコン(大根)を育てた様子

ダイコン 種まき

3月15日

耐病総太りという品種のダイコン(大根)の種をまきました。

土を耕して有機元肥を混ぜ込み、株間20cmくらいで、一カ所に3~4粒ずつまきました。

 

ダイコン 大根 種まき

3月15日

防寒と虫よけのために不織布をかけて、たっぷり水やりしました。

その後、雨の日は除いて2~3日に一回水やりを続けました。

 

ダイコン 種まき

4月2日

寒の戻りがあったり、嵐のように雨風が激しい日があったからか、ゆっくり発芽しました。

芽が3本出ている場所は、1本間引いておきました。

間引くとき、子葉の形が整っているものを残すと根の形が良く育つそうです。

 

ダイコン 種まき

4月12日

一カ所に2本ずつ、本葉が4~5枚くらいになりました。

 

ダイコン 種まき 間引き

4月12日

どちらを間引くか悩みながら、じっくり見て一カ所に1本残しました。追肥して土寄せをしました。

間引き菜は、いつも通り美味しくいただきました。(^^)

▼間引き菜を使ったレシピはこちら

 

ダイコン 種まき

4月19日

だいぶ生長してきました。不織布をかけて育てているので虫食いも無く葉がきれいです。

 

ダイコン 種まき

4月30日

そろそろ不織布が窮屈になってきました。まだ根がそれほど大きくなっていないので、収穫は次回にしようと思いました。

不織布をはずして、ニームや天然成分由来の虫よけスプレーをかけて葉を守ります。

この日に葉っぱごと全部収穫していたら、丸ごと全部美味しく食べられたかも。今さら遅いですー(笑)

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春まきダイコン(大根)のとう立ちの様子

ダイコン 種まき

5月12日

12日間も畑に行かなかった自分が悪いのですが、見事にとう立ちして花が咲いてしまいました!(泣)

自分の区画と気付かずに通り過ぎそうになったくらいの変わりようでした。やってしまいました。

これって、4月に土手に咲いていたハマダイコンの景色に似ていますね(笑)もう笑うしかありません。

▼ハマダイコンの記事はこちら

 

ダイコン 種まき

5月12日

肝心な根の部分は大きく育っていません。こんな立派に花を咲かせていたら、根が大きくなるわけがありませんよね。

 

ダイコン

5月12日

気持ちを切り替えて、柔らかくて美味しそうな花茎と小さなダイコン(大根)を収穫しました。(^^)

年始に大根ひっこぬき大会でお子さんたちが重そうにひっこぬいていたダイコン(大根)をイメージして種まきしたのですが。秋まきでリベンジしましょう。

▼大根ひっこぬき大会の記事はこちら

 

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とう立ちしたダイコン(大根)の味は?

ダイコン 花芽

とう立ちしたダイコン(大根)の花茎は、柔らかいところをさっと茹でてお浸しにしました。菜の花に似た味で美味しかったです。ハマダイコンにも似ています。

根の部分はお味噌汁に使いましたが、少しだけ皮の内側が硬くなってきていました。皮を厚めにむくか、大根おろしにすると気にならない感じです。

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春まきダイコン(大根)をとう立ちさせない対策

トンネル用支柱を40~50cm間隔に畝の周りにしっかりと土中に差し込みます。その上からレンガなどで風に飛ばされないように押さえます。

春まきのダイコン(大根)をとう立ちさせない対策として➀➁があります。

➀とう立ちしにくい品種の種を使う。

➁トンネル支柱を使って、ビニールトンネル栽培をする。

種まきしたときから低温にあわせないようにして、かつ、日中には高温(25~30℃くらい)になるようにすることでとう立ちを防ぎます。

不織布や寒冷紗、防虫ネットは通気性があり、ビニールと比べて保温性が低いため、とう立ちを防止するまでの保温効果は期待できないようです。日中に高温にするためにはビニールを使った方が良いと言われています。

家庭菜園で気軽にダイコン(大根)を育てるには、秋まきがいいのかもしれませんね。

▼トンネル支柱の使い方はこちら

 

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戸松敦子

グリーンアドバイザー、ハンギングバスケットマスター、野菜ソムリエ、家庭菜園検定2級。園芸業界で植物全般を幅広く学び経験してきました。LOVEGREEN編集部では主に寄せ植えやリース作り、ボタニカルピープルなどの取材を担当。人が植物と心地良く暮らし、その幸せの連鎖が世界中に広がっていくことを願います。趣味はママさんサッカー。都大会優勝を目指して日々練習しています。

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