グラジオラス
- グラジオラスは、アヤメ科の球根植物です。アメリカで盛んに品種改良が行われ、今では5000を超える品種があるといわれています。草丈150cmにもなる背の高い品種から、60cm程度の矮性種まであるので、好みの種類を選ぶことができます。グラジオラスには、夏咲き種と春咲き種があります。ここでは、流通が多い夏咲き種について紹介します。 花は大きく、色は多彩で、すらりと伸びた花茎に整然と並んで咲く姿は凛として、勇ましささえ感じます。鋭い形の葉とともに欧米では「剣のユリ(Sword lily)」という名前でも呼ばれています。学名の Gladiolus もラテン語で剣を意味します。江戸時代にオランダ人が持ち込んだことから「オランダアヤメ」の和名がつけられました。 本当は「球茎」 便宜上、「球根」と言われていますが、グラジオラスの場合は「球茎」が正しい呼び方です。球根とは養分をたくわえた根が大きくなたものですが、球茎とは茎の一部が肥大化して変化したもの。同じように球茎で増える植物にはアヤメ、サトイモ、コンニャク、クロッカスなどがあります。脇に付く小さな球根状の芽を「木子(きご)」と呼びます。 生育時期 市販のグラジオラスの大半は冬になると葉を枯らし、球根の状態で休眠期に入ります。一方、原産地・南アフリカでは冬に生育し、夏に休眠するタイプのグラジオラスもあります。こうしたタイプは東インド会社によってヨーロッパにもたらされ、秋植え、春咲きの品種として定着しました。クリーム色でとがった花びらの「トリティス」は代表的な春咲き品種です。 グラジオラスのアレンジメント まっすぐに伸びたグラジオラスの花茎はフラワーアレンジメントの主役としても、アクセントとしても役立ってくれます。また、花びらのひとつひとつを外し、ワイヤーでつなげてボタンのように大きな八重咲きの花に見せる「グラメリア」という技法もあります。手間はかかりますが見ごたえ抜群のアレンジメントです。グラメリアの技法をユリに用いたものを「リリメリア」、バラなら「ビクトリアンローズ」と呼びます。