カタバミ
- カタバミは、カタバミ科カタバミ属の多年草。道端、空き地、アスファルトの裂け目など、身近な場所で見かける野草です。カタバミはシュウ酸を含んでいるので、噛むと酸味があります。酢漿草(すいもぐさ)という別名は、この特徴から名付けられました。また、Oxalis という属名も、酸っぱいという意味のギリシャ語に由来します。 カタバミは、地下に膨らんだ根を持ち、茎を横にほふくさせるようにして広がっていきます。葉は、ハート形の3枚の小葉、日照に反応して、閉じたり開いたりします。おもしろいのは、真夏などの強い直射日光が当たるときも葉を閉じ、半日陰になる時間になると再び開くという点です。花色は黄色、花びらが5枚で花径1cm程度の小さな花を咲かせます。日光に反応して開花するので、夜間の他、雨の日や曇りの日など日照条件の悪い時は閉じています。花の後にできる種は、長さ1.5~2cm程度の先が尖ったオクラのようなフォルムで、熟すと弾けて種子が数m先まで飛び散ります。横にほふくした茎と遠くに種子を飛ばす力で、繁殖していくのが特徴です。この繁殖力の強さから子孫繁栄の象徴とされ、武家の家紋に使用されるようになりました。反面、繁殖力が強く、また根がふくらんでいるためか引き抜きにくいというのが難点で、自宅の庭で繁茂すると厄介な野草として知られています。 カタバミの仲間には、ピンクの花を咲かせるイモカタバミやムラサキカタバミ、大きな黄色の花のオオキバナカタバミなどがあります。