アケビ(木通)
- アケビは、春に花を咲かせ、秋に甘く食用になる実を実らせるつる性の落葉樹。つるを伸ばし、周囲の木などに絡みつきながら3m以上に生長します。柔らかな葉とつるが魅力ですが、株元は木質化します。春に花が咲いた後に一斉に芽吹く葉は、密度高く茂るので生垣にも利用されます。 アケビの花は、1本の茎に雄花と雌花の両方が咲くのが特徴で、色は紫色や薄紫色、白色などがあります。3枚の花びらは正確にはがく片で、半透明で厚く、蝋細工のような光沢があり、ほんのりと芳香がします。雄花と雌花の見分け方は、花が大きいのが雌花、小さな花が複数個まとまって咲いているのが雄花です。 果実はピンク色や紫色で、10cm程度の瓜の様な形をしており、熟すと果皮が割けて白色のゼリー状の果肉を覗かせます。果肉の中にある無数の黒いものは種で、果肉には甘みがあります。この甘い果肉を鳥が食べて、中の小さな種を吐き出すことから、遠くまで子孫を残すことに成功しているようです。アケビは、果実が実るまで3年はかかると言われています。さらに、1本では結実しにくいという特徴があり、公園や山野で花や葉は見かけるのに果実にはお目にかかれないということがよくあります。