レモングラスとは?育て方、日々の手入れ、収穫、冬越し、使い方

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金子三保子

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レモングラスはイネ科の多年草で、レモンの香りより少し甘い香りのするハーブ。フレッシュハーブやドライハーブとしてお茶や料理の香りづけなどに利用されます。見た目は地味なレモングラスですが、ハーブティーを飲みつけていない方でも飲みやすくておすすめのハーブです。

今回はレモングラスの日々のお手入れから収穫や使い方、保存の仕方、冬越しなどの育て方をご紹介します。

目次

レモングラスとは

  • 学名Cymbopogon citratus
  • 科名:イネ科
  • 属名:オガルカヤ属
  • 分類:多年草

レモングラスは、レモンの香りがするために「レモングラス」と呼ばれるハーブ。爽やかなレモンの香りはしますが酸味はなく、ハーブになじみのない方でも取り入れやすいハーブです。料理やお茶、精油など幅広い分野で利用され、タイ料理のトムヤンクンに使われていることでも有名です。熱帯地方原産なので高温多湿を好み、地植えにすると年々大株になり、草丈は1m以上に生長します。

レモングラス

下の部分の茎から葉が複数出て、地植えにすると1m以上の丈になります。

通常トムヤンクンなどの料理に使われるのは茎の部分。市販のドライハーブとして販売されるのは葉の部分が多いようです。最近はフレッシュハーブとして、葉と茎を付けた状態のものも若干流通しています。 

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レモングラスの苗の入手方法

レモングラス

レモングラスは苗での購入が一般的です。種も市販されていますが、一株でもとても大きくなることを考えると一般家庭では苗で購入するのが現実的です。

冬は地上部が刈り込まれるため、苗の出回りは5月くらいから。もしも4月ごろに苗を購入した際は、地面への植え付けは5月に入り霜の降りる心配がなくなってからにした方が安全です。

レモングラスは熱帯地域が原産なので、寒いのはとても苦手です。越冬には5℃以上が必要なので、日本では露地での冬越しはなかなか厳しいかもしれません。本来は多年草ですが、一年草と割り切って毎年苗を購入するという方も多いようです。ただし、温暖地なら秋までに大株に生長し、うまく越冬できれば多年草として育てることもできます。

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レモングラスの植え付け

レモングラス

レモングラスは、鉢植えでも地植えでも栽培可能です。

地植えのレモングラスは草丈が1m以上になり、横幅も大きくなります。最終的な高さや幅を考えて植える場所を選びましょう。

レモングラスは、日当たりと風通しが良い場所を好みます。すでに一般的な草花やハーブが育っている土ならそのまま植え付けることができますが、酸性土壌に傾いている場合は、事前に有機石灰などで土壌改良をしておきます。鉢植えのレモングラスは、市販のハーブ用の土で育てることができます。

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レモングラスの日々の育て方

レモングラス

水やり

地植えのレモングラスは、植え付け後、根付いたのが確認できれば特に水やりは必要ありません。ただし日照りが続き、土がひび割れするほど極端に雨が少ない場合は水やりをしましょう。

鉢植えのレモングラスは、鉢の表面の土が乾いたらたっぷりと水やりをします。

肥料

植え付ける時にあらかじめ堆肥をすきこんでから植え付けます。食用として育てている方がほとんどだと思うので、できれば有機肥料を選ぶとよいでしょう。

地植えのレモングラスは、肥えた土であれば肥料を与えなくても元気に育ちます。株の様子を見ながら追肥が必要か判断します。鉢植えのレモングラスは、夏の生長期は緩効性肥料を使用説明書に書いてある頻度にそって与えます。

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レモングラスの収穫

レモングラス

レモングラスは、使用したいときに使用したい分だけ株元でカットして使います。葉の両脇は、とても鋭いので手を切らないようにご注意ください。慣れてくれば手でちぎることもできますが、最初のうちはハサミでカットすることをおすすめします。

 

レモングラス

収穫したレモングラスはそのまま置いておくと次第に乾燥していきます。フレッシュのレモングラスとして利用したい場合は、その都度必要な分を収穫しましょう。もしくは根元から刈り取って水に生けておくと、4~5日はフレッシュレモングラスとして利用できます。何本かをまとめて刈り取ってキッチンに生けておくのもよいですね。

レモングラスはフレッシュとドライとでは香りが全然違います。どちらが好きかは人それぞれなので、香りがどう変化するか試してみてください。

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レモングラスの使い方

フレッシュハーブやドライハーブとしてお茶や料理の香りづけや精油として利用されます。タイ料理のトムヤンクンの材料として使われることでも有名です。生でもドライでも利用できますが、香りに違いがあります。

*注意点*
妊娠中、授乳中の方やイネ科のアレルギーをお持ちの方は使用できません。また、お薬を服用中の方は、お医者さんや処方薬局に確認してから使用するようにしましょう。

レモングラスティー

レモングラスティーは、香りもよく癖がないので飲みやすいハーブティーのひとつです。

作り方

レモングラス

 

レモングラスの葉を2~3cmにカットします。1~2人分ならレモングラスの葉の部分1本くらいが目安です。葉の太さにもよるので、まずは目安の量で作ってみて自分の適量を見つけましょう。

 

レモングラス

ティーポットに入れ、熱湯を入れて約3分くらい蒸らせば出来上がり。アイスティーにする場合は、氷で薄まるので濃いめに作ることをおすすめします。

 

レモングラスティー

レモングラス単体でもとても美味しいハーブティーになりますが、ミントやレモンバーム、レモンバーベナなどのハーブとブレンドすると味に深みが増して美味しくいただけます。アールグレイ、ダージリンなどの紅茶にレモングラスを少量入れて作るお茶もおすすめ。

ハーブウォータ

ハーブウォーター

最も手軽なのはハーブウォータです。レモングラス単品、もしくはミントなど数種類のハーブを組み合わせて水出しで作ることができます。

レモングラスのハーブシロップ(ハーブコーディアル)

ハーブと砂糖を煮詰めて作るシロップ、ハーブシロップ。ソーダや水、お湯で割って飲み物としてや料理の甘味料としても利用できます。

 

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レモングラスの冬越し

レモングラスは非耐寒性ハーブ

レモングラスは暑い地域が原産の植物なので、寒いのはとても苦手です。気温が5℃以上ないと越冬できないので、露地での冬越しは厳しいかもしれません。

本来は多年草ですが、日本だと地上部分をそのままにしていると寒さにやられてしまうため、掘りあげて鉢上げするのが一番安全です。ただし、温暖地で秋までに大株になっていれば、切り戻してマルチングをする方法で越冬できることもあります。

レモングラスを露地で冬越しする場合は、根元で茎をカットして苗の周りをワラや腐葉土でマルチングして管理します。鉢植えは晴れた昼間は外で構いませんが、冬の夜間は室内で管理すると安全です。頻度は落ちますが冬も忘れずに水やりをしましょう。もし越冬すれば新しい葉が出てくるのは、東京で4月の後半から5月の上旬のゴールデンウィークのころです。

ひとくちに冬と言っても暖冬の年と寒さが厳しい年があるため、一概には言えませんが実験気分で冬越し対策をして春を迎えてみてください。

レモングラスの冬越しの方法

レモングラスの冬越しは、地際で刈り込みます。

レモングラスを地際で刈り込みます。

 

レモングラスの冬越し 落ち葉で防寒

切り戻し完了

 

レモングラスの冬越し・落ち葉やワラ、腐葉土などを株にかけて、防寒します。

剪定したレモングラスの株に落ち葉やワラ、腐葉土もしくは苗帽子などを株にかけて防寒します。より確実な冬越しをしたい場合は、苗を掘りあげて適温の場所で管理する方法がレモングラスのベストな冬越し方法です。

冬越しに成功すると4月中旬~5月ぐらいに新しい葉が株元から出てきます。ハーブの芽吹きの中では一番時期が遅い部類なので、5月中旬くらいまで様子を見て、新芽が出てこなかったら新しい苗を購入しましょう。レモングラスの苗の流通は5月くらいから始まります。

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レモングラスの保存法

レモングラスを天日干し

冬越し剪定で刈り込んだレモングラスは、天日干しでドライハーブにして、食用の乾燥材を入れれば保存可能です。大量に作るときは、ドライフラワーを作るときの要領で、レモングラスを逆さに吊り下げて、乾燥させます。完全に乾燥したら、ハサミで細かくカットして食品用の乾燥材を入れて保存します。

冬越し剪定で刈り込んだレモングラスは、天日干しでドライハーブにして食用の乾燥材を入れれば保存可能です。大量に作るときはドライフラワーを作るときの要領で、レモングラスを逆さに吊り下げて乾燥させます。完全に乾燥したらハサミで細かくカットして食品用の乾燥材を入れて保存します。少量なら細かく切ってからざるなどに乗せて天日干ししても問題ありません。

レモングラスはフレッシュとドライでは香りや風味がまったく変わるので、どちらが好みか試してみてください。

冬越し剪定したレモングラスをクラフトの材料に

レモングラスの葉はリースやスワッグなどの材料に利用できます。葉の両側が鋭いので手を切らないように注意して作業しましょう。

レモングラスの正月飾り

冬越し剪定したレモングラスを使って正月のお飾りを作ってみました。

冬越し剪定したレモングラスを使って正月のお飾りを作ってみました。

 

レモングラスのお飾り

水引や実ものなどで飾り付けしたレモングラスのお飾り

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レモングラスの流通は、5月くらいから始まります。気になった方は探してみてください。

 

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フラワーコーディネーター、フォトグラファー、ライター。 2022年6月、日東書院本社より「植物のきもち ~がんばりすぎないガーデニング」出版。 ギフトや装花などのフラワーコーディネート、自身でコーディネートした作品の撮影、雑誌や会員情報誌への提案など幅広く活動中。現在は植物に関する記事の執筆にも携わる。庭仕事はライフワーク。映画「余命1ヶ月の花嫁」ブーケ製作。

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