チューリップの球根の植え方、植える時期、球根の保存法【チューリップの育て方】
金子三保子
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チューリップの球根の植え方や特徴、花が終わったあとの球根の保存法などチューリップの育て方を詳しくご紹介します。
球根の植え方のポイントさえつかめば育て方は簡単です。今年は球根からチューリップを育ててみませんか?
チューリップの育て方・目次
- チューリップとは?
- チューリップは品種が豊富
- チューリップの育て方|球根を植える時期と場所
- チューリップの球根の植え方!
- チューリップって水栽培はできるの?
- チューリップの球根の植え方|基本は一品種植え
- チューリップの寄せ植え
- チューリップの育て方|日々の管理
- チューリップの育て方|花が終わったあとの球根の保存法
- チューリップの球根の入手はお早めに
チューリップとは?
- 学名:Tulipa
- 科名:ユリ科
- 属名:チューリップ属
- 分類:球根
チューリップは、秋に球根を植えて春に花が咲く球根植物。春の花の中で最も知名度の高いチューリップは、庭や花壇、公園の植栽に使われ、春の風景に欠かせない花です。
チューリップは品種が豊富
秋植え球根の中で、おそらく一番品種が豊富なのがチューリップではないでしょうか。国際的に登録されているチューリップの品種数は数千品種に及び、毎年新しい品種が作出されます。花の色は皆さんもよくご存知の赤、白、黄色をはじめ、ピンク、紫、オレンジ、黒、茶系、複色など豊富。咲き方も、ユリ咲き、パーロット咲き、フリンジ咲き、八重咲きなど多種多様です。
たくさんの品種があるチューリップには系統があり、同じチューリップでも品種によって開花時期と草丈に違いがあります。
チューリップの開花時期
大きく分けると早生、中生、晩生の3つに開花時期が分類されます。
早生種 3月下旬~4月中旬
中生種 4月中旬~4月下旬
晩生種 4月下旬~5月上旬
*地域やその年の気候によっても差があります。
それぞれのチューリップの品種の開花時期は、球根が入っている袋に記載されています。お庭の花木や宿根草の開花時期にあわせた品種を選ぶと、開花時期が重なり素敵な空間に仕上がります。
チューリップの丈
チューリップの丈も品種によって様々です。
丈の短いチューリップ:20~30cm。切り花よりは花壇に植えるのに適している品種。
一般的な丈のチューリップ:40~50cm。切り花にも向く品種。
草丈のあるチューリップ:50~60cm以上。晩生種に多い。
球根が入っている袋に草丈が書いてあるので確認してから植え付けましょう。
1品種のチューリップの球根を鉢植えに植える場合は、丈をそれほど気にしなくてもよいのですが、花壇などの庭に球根を植える場合は、それぞれのチューリップの草丈を確認した上で、丈にあった場所に植え付けると周囲と調和した空間になります。
チューリップの育て方|球根を植える時期と場所
チューリップの球根を植える時期
チューリップの球根の植える時期は、その年の秋の気温によって一定ではありません。それぞれの地域の「紅葉の見ごろ」が球根を植える時期のわかりやすい目安になります。
遅くても年内には植え付けを済ませましょう。チューリップは、球根を植えてから寒さを経験することによって花芽が形成されます。適切な時期に球根を植え、生長のための期間を作ってやりましょう。
地植えのチューリップの球根の植え付けは、10cmほど間隔をあけて植え付けます。深さは球根3個分が目安です。浅すぎると、根が生長してくると地上に球根が飛び出てくる恐れがあります。
ただし、鉢植えのチューリップは、根が伸びるスペースも必要なため、浅植えで植え付けます。
チューリップの土
水はけが良く肥沃な土に植えましょう。鉢植えは、草花用の培養土で栽培可能です。最近はチューリップ専用の土も販売されています。
チューリップの球根を植える場所
チューリップはたくさんの品種があり、品種によって草丈がかなり違います。花壇に植え付ける時は、丈と開花時期を確認しましょう。
チューリップの球根の植え方
チューリップの球根の特徴
チューリップの球根の形
チューリップの球根は小さな玉ねぎのような見た目をしています。
先のとがった方が上です。ピンクの丸をつけた所から花茎、下のお尻の部分から根が出てきます。とがった部分を上にして植えましょう。
チューリップの球根を植えるときは球根の向きに注目!
チューリップの球根をよく見てみてください。ぷっくりと膨らんでいる部分と平べったい部分があります。
球根を植える時は、ぷっくりとした側と平べったい側の向きを揃えて植えましょう!
チューリップの一枚目の葉は、平べったい側から出てくる性質があります。向きを揃えるときれいに葉の向きが揃います。
特に鉢植えに密植して球根を植えた際、球根の向きがバラバラだと葉がぶつかりあって生育的に問題が出たり、風通しが悪くなります。少しの手間で見た目にも球根のためにもなるのでお試しください。
チューリップって水栽培はできるの?
「チューリップの水栽培は難しい……」と言われていますが、ちょっとしたひと手間を加えれば水栽培ができます!
▼水栽培でチューリップを成功させるコツ
▼原種チューリップも水栽培できます
チューリップの球根の植え方|基本は一品種植え
初めてチューリップの球根を鉢植えに植える方は、まずは1品種を1つの鉢に植えることをおすすめします。理由は最初にご紹介したチューリップの開花時期が品種によって様々で、同じ鉢に植えても開花が咲きそろわないことがあるからです。
せっかく色々植えたのに、開花時期がまったく違った……というのは残念ですよね。球根植えに慣れてきて、だいたい咲き揃う品種が感覚的にわかってきたら、異品種植えにもチャレンジしてみてください。
チューリップの寄せ植え
異品種のチューリップを組み合わせて作る寄せ植え
チューリップの開花時期は、大きく分けて、早生、中生、晩生の3つに分けられます。この開花時期が違う異品種の球根を組み合わせてひとつの鉢に植え付けると、次から次へと違うチューリップが咲く寄せ植えを作ることができます。この時の球根の植え方のポイントは、開花時期が違う球根を鉢の中でバランスよく配置することです。偏って植えこんでしまうと、鉢の半分が開花して半分が開花していないといった見た目になってしまうので注意しましょう。
ダブルデッカー・トリプルデッカー
チューリップ数品種やムスカリなどの他の球根植物、ビオラなどをひとつの鉢に植え付けることを言います。まず初めにチューリップの球根を植えて、土をかけてから草花苗を植えこみます。
球根植物は芽が出るまで鉢の上が寂しいので、チューリップとビオラのような開花期間が長い草花を一緒に植え付けます。ダブルデッカーは二層、トリプルデッカーは三層植えのことなので、ある程度大きくて深さのある鉢が必要です。開花が見事に揃ったときは、とても見事な寄せ植えになります。
チューリップの球根だけだと冬の間は葉だけなのに対して、冬から花が開花時期のビオラなどを一緒に植えこむと、冬も観賞価値のある鉢植えになります。また、球根の芽が出てくるまでの土だけの鉢だと、ついつい水やりを忘れがちなのが、花があることによって水やりをする習慣がつくのと、水やりのタイミングもわかる利点があります。
▼チューリップのダブルデッカーの寄せ植えをご紹介しています。
チューリップの育て方|日々の管理
チューリップの置き場所
チューリップの球根は、日当たりと風通しの良い場所に植え付けます。チューリップの生長には寒さと日光、適切な水分が必要です。
ただし、鉢植えのチューリップは、つぼみに色が出てきたら日当たりの良い場所から半日くらい日が当たる場所に場所を移動すると、若干ですが開花期間を伸ばすことができます
チューリップの日常の管理
チューリップは、一度植え付けてしまえば特別な日常の管理は必要はありません。鉢植えのチューリップは、土の表面が乾いてきたら水やりをしましょう。チューリップは、冬の寒さに当てることによって花芽ができます。寒さを感じさせることが、チューリップの球根にとっては大切です。
水やり
土が乾いてしまうと球根が育ちません。鉢植えのチューリップは、球根から葉が出るまでに時間を要するので、水やりを忘れがちになります。土が完全に乾かない様に水をやりましょう。チューリップは乾燥も大敵です。
地植えにしたチューリップは、球根が腐ってしまう可能性があるので水やりをする必要はありません。
肥料
植え付け時の元肥として固形肥料を入れて植え付けます。その後の鉢植えのチューリップの追肥は芽が出始めたら液体肥料を10日に1回くらい与えるようにします。
チューリップの開花期間
チューリップの開花期間は1週間~2週間と短めなので、他の草花と組み合わせて植栽すると絶え間なく花を楽しめる空間となります。特に花壇にチューリップの球根を植える時は、チューリップが終わってからも、花壇が急にさみしくならないように、下草などの植栽を工夫するとよいでしょう。
チューリップの育て方|花が終わったあとの球根の保存法
チューリップが咲き終わったときの目安
チューリップの花の咲き終わりは、花びらが開きっぱなしになり、薄くしわしわになります。
咲き終わったチューリップの花は、球根に栄養を行き渡らせるために花がらを摘み取りましょう。摘み取る範囲は花のみ。花茎と葉は光合成に必要なので剪定する必要はありません。
チューリップの球根の掘り上げは、5月後半~6月半ばまでの晴れた日が最適です。終わったチューリップの花を取り去った茎と葉は光合成をしつくして枯れていきます。掘り上げる見た目のタイミングは、チューリップの葉が茶色く(黄色く)なった頃が球根を掘り上げる時期です。掘り上げた球根は、風通しの良い場所で保管して秋に植えなおします。
チューリップの球根って植えっぱなしではダメなの?
チューリップの球根は、植えた年以降は球根のサイズが最初の半分くらいのサイズになることが多いようです。充実した花を咲かすことのできる球根にまでならないことが多いので、毎年球根を購入するのが一般的です。
球根の花の中には、植えっぱなしでも球根が自然に分球して毎年開花するものもありますが、チューリップの球根は植えっぱなしで翌年同じような花が咲くかというと、なかなか難しいようです。
ただし、植えっぱなしで絶対に咲かないかというと、そんなことはありません。植えた年の花色とは変わったり、花のサイズが小さくなったりしますが、翌年も咲くこともあります。チューリップの球根を掘り上げて管理するスペースがない場合は、実験的に植えっぱなしで咲くかどうか試してみてはいかがでしょうか。
鉢植えのチューリップは鉢の中の少ない土で育てているので、地植えのチューリップよりも咲かない確率が高いでしょう。
チューリップの球根の入手はお早めに
チューリップをはじめとした球根類の流通は、長い期間販売される花苗に比べて、季節限定の売り切り商品として販売されることがほとんど。お店の規模にもよりますが売り切れたら再入荷の可能性が少ない商品です。人気の品種のチューリップの球根から売り切れていくので、球根は早めに確保することをおすすめします。
▼チューリップの咲き方をご紹介しています
今回ご紹介したチューリップの球根の植え付け時に、球根の向きを揃える植え方を意識すると、開花した時がとても美しくなります。
球根を植えてから実際の開花まで半年近くにわたり、芽が出た瞬間、葉っぱが生長していく様子、茎が伸びてつぼみを発見したとき、開花……と、生長の過程を楽しむことができます。
球根は、植え方のポイントさえつかめば育て方は簡単です。素敵な品種がたくさんあるチューリップ。今年は球根から育ててみませんか?
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