綺麗な花には毒がある!?身近で危険な植物たち

LOVEGREEN編集部
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「綺麗な花には棘がある」なんて言いますよね。それと同じように、身近な植物にも毒を持っている植物はたくさんあります。毒を持っている植物と知らずに植えていて、子どもやペットがうっかりいじってしまったら!なんて考えると怖いですよね。そうならないためにも、身近な毒を持っている植物を紹介します。
目次
トリカブト
毒のある部分:全草
症状:下痢・嘔吐・麻痺・呼吸困難など
トリカブトは毒がある植物として有名ですよね。古くからその毒性は知られていて、毒矢に塗って使われたとの記録も残っています。花粉にまで毒があるので要注意。日本三大有毒植物の一種。あとふたつは「ドクゼリ」と「ドクウツギ」。
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トリカブト(鳥兜)
- トリカブトはキンポウゲ科トリカブト属に分類される北半球の温帯~亜寒帯原産の植物です。日本には約30種類ほどのトリカブトがあり、いずれも有毒です。 トリカブトは日本三大毒草(トリカブト、ドクゼリ、ドクウツギ)の一つで、根を始めとした全草に毒があります。 このように毒を持つ植物の代表格として知られるトリカブトですが、実は生け花で広く用いられる、ポピュラーで育てやすい園芸種でもあります。 そのため、毒草と聞いて栽培できるの?と思う方もいらっしゃると思いますが、トリカブトは花や葉の美しさから園芸品種が多くあり、売買も育てるのも問題ありません。 漢方では附子(ぶし)としてトリカブトの根が使われています。 開花時期は8月~10月で、湿度が高い森に主に生えています。 多年草で、冬は地上部を枯らして越冬します。20cmほどの矮性種から1mを超えるものまで、種によって草丈は様々です。 名前の由来にもなったように、兜のように見える独特の袋状をした花を咲かせます。 これはミツバチなど虫たちが奥まで入り込むことで効率的に授粉できるようにした工夫です。 ただし、花粉にも毒があるので、トリカブトが咲く季節になると養蜂家たちはミツバチを巣箱から出さないようにするそうです。
ジギタリス
毒のある部分:全草
症状:頭痛・吐き気・下痢など
釣鐘型の花を咲かせる、ガーデニングでは使われることの多い植物です。強心作用もあるため、昔は薬用のハーブとして使われていたようです。毒は全草にありますが、特に葉に多いそう。
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ジギタリス
- ジキタリスはイングリッシュガーデンの定番として人気の花です。ベル状の花が穂状についた花穂がすっと伸びて咲く姿は存在感抜群です。ジギタリスはバラと開花時期が同じなので、バラに合わせる草花としてもよく使われます。花の色は紫を中心に、白、ピンク、イエローなどがあり、次々に新色が登場しています。ジギタリスは本来は宿根草ですが、日本では暑さに弱いため春まきの二年草として扱われます。夏越ししやすい東北から北では、秋に種まきして2年越しで立派に生長させることができます。丈夫なので環境に合えば毎年、こぼれ種が発芽して開花します。 ジギタリスは品種がとても豊富で、品種によって背丈も様々です。高性のものは2m近く、矮性のものは30cm程度と品種によって背丈が様々です。ジギタリスと言えば、花にブロッチ(斑点、斑紋)があるものが一般的ですが、最近はブロッチがない品種も登場しています。
スイセン
毒のある部分:全草
症状:嘔吐・下痢・頭痛・皮膚炎など
早春に咲く球根植物で、ガーデニングでは定番の植物です。花の少ない時期から花を咲かせるため、花壇などによく利用されていますが、葉がニラ、球根がタマネギにまちがえられ、毎年数件の誤食の事例がある植物です。特に球根に毒があります。
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水仙(スイセン)
- 水仙(スイセン)は、早春に花を咲かせる春を告げる球根植物のひとつです。白と黄色以外にピンクや緑、オレンジなど、色とりどりの花が咲きます。水仙(スイセン)の園芸品種の数は数万品種もあり、とても種類が豊富です。品種によって一本の茎から一本の花が咲く種もあれば、日本水仙のような房咲き種もあります。最近では八重咲種など、新品種の水仙(スイセン)が毎年のように登場します。水仙(スイセン)は、主に冬咲きと春咲きの品種が多いですが、中には秋に咲く品種もあります。 水仙(スイセン)は、数年間は植えっぱなしで管理でき、環境が合えば球根が年々増えていくのでガーデニング初心者にはおすすめの球根の花です。球根をまとめて植え付けておくと、年々分球し、とても見事な空間となります。日本全国には、たくさんの水仙(スイセン)の群生スポットが存在します。
すずらん
毒のある部分:全草
症状:嘔吐・下痢・不整脈など 酷い場合は心肺停止
ころんと小ぶりで可愛らしい白い花と、鮮やかな緑色の葉が美しい球根植物です。一般的に知られている植物ですが、すずらんの葉には青酸カリの15倍もの強い毒があると言われています。花粉が食べ物に落ちてしまっただけでも毒性を発揮します。
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スズラン(鈴蘭・すずらん)
- スズラン(鈴蘭・すずらん)は春に開花する多年草です。漢字で書くと「鈴蘭」ですが蘭の属性ではありません。自生するものでは、中部地方より北側の涼しい高原などに生えています。葉は緑色で幅5cm前後のものが2,3枚生えてきます。葉の間から真直ぐに花茎が伸びてきます。葉の長さは10cmほどですが、花茎はそれよりも長く生長します。そして、花茎から10個ほどの花を咲かせます。スズラン(鈴蘭・すずらん)というその名前の通り鈴のようなフォルムの花を下向きに咲かせます。スズラン(鈴蘭・すずらん)の花は真っ白で直径は1cmに見たない程小ぶりです。可憐で素朴なその姿が多くの人に愛されています。
福寿草
毒のある部分:全草
症状:嘔吐・下痢・呼吸困難・心臓麻痺など
早春の寒い時期から芽をだし、花を咲かせます。「福寿草」の名前から縁起物としても知られる植物です。トリカブトに並んで注意が必要。同じくキンポウゲ科の植物は毒を持っているものが多くあります。
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フクジュソウ(福寿草)
- フクジュソウ(福寿草)は、北海道から九州までの照葉樹林の林床に自生している草丈15~30cmほどの宿根草です。根茎が短く、やや太い根を持ちます。早春に芽を出して開花しその後、葉をのばしますが、晩春になると葉が枯れて秋まで休眠します。 フクジュソウ(福寿草)の花色は黄色ですが江戸時代から花の美しさが着目され園芸品種が多数選抜育成され、白、黄褐色、紫褐色、橙紅色などがあり花形も一重~八重、万八重と変化に富みます。鉢植えで栽培されるほか日本庭園の石組に添えられています。 フクジュソウ(福寿草)の別名はガンジツソウやガンタンソウといい、正月用に本来の花期よりも促成栽培されて出荷されています。花言葉や花の名前から、お正月の寄せ植えなどに縁起の良い植物としても使用されています。
クリスマスローズ
毒のある部分:全草
症状:皮膚炎・水泡・不整脈など
冬のガーデニングで人気の植物です。手入れの際に触ったりするとかゆみが出ることもあります。学名の由来はギリシャ語の「殺す食べ物」。心臓毒などの成分も含まれています。ヨーロッパでは狩猟の際に矢じりに塗る毒として使われていました。
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クリスマスローズ
- クリスマスローズは、クレマチス、ラナンキュラス、アネモネなどと同じキンポウゲ科の植物です。クリスマスローズは、冬の花が少ない時期に花を咲かせる常緑の植物です。 日本ではヘレボルス属を全てひとくくりにクリスマスローズと呼びますが、本来のクリスマスローズはクリスマスの頃に開花する「ヘレボルス・ニゲル」を指す名前です。 他には咲き方や色が豊富な「ヘレボルス・オリエンタリス」や、グリーンの特徴的な花の形状が面白い「ヘレボルス・フェチダス」等、たくさんの種類があります。 クリスマスローズにはグリーンの葉を低く繁らせた中から茎を長く伸ばす有茎種と、茎の低い無茎種があります。 クリスマスローズ・ニゲル
シクラメン
毒のある部分:根・茎
症状:嘔吐・下痢・痙攣・皮膚炎・胃腸炎など
冬の植物として、庭や室内でごく一般的に栽培されています。シクラメンは室内栽培が基本なので、小さいお子さんなどが目を離したすきにいじってしまわないように気をつけましょう。
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シクラメン
- シクラメンはサクラソウ科シクラメン属の球根植物です。冬に室内で育てる花鉢の代表と言える花で、お歳暮や贈答用にもよく用いられます。寒い冬の時期に、室内を上品に明るく彩ってくれます。 シクラメンは、青々としたハート形の葉が茂り、葉の中央に細い茎を伸ばして頂点に花を咲かせます。花色は赤やピンク、白、紫などがあり、花びらは丸弁で反り返るようにして咲くのがスタンダードタイプ。愛好家の多いシクラメンは品種改良や新種開発も盛んで、今では数多くのシクラメンが存在します。花びらの形も、フリル咲き、フリンジ咲き、八重咲きなど多様にあります。株のサイズも両手で抱える大株のシクラメンもあれば、手のひらに乗ってしまう小さなミニシクラメンまで存在します。最近は香りが楽しめる品種も注目されています。 ミニシクラメンの中から、特に耐寒性の強い系統を選抜し、冬に屋外でも育てられるように改良されたものがガーデンシクラメンです。小さいシクラメンを屋外で育てる場合は、耐寒性があるかどうか(ガーデンシクラメンかどうか)の確認が必要です。
これらの植物の中には漢方などに薬用として使われてきた植物や害虫対策などに使われるものもあります。毒性があるからといって、植物には罪はありません。気をつけさえすれば問題はないので、ガーデニングの参考にしてみてください。