ヤブガラシ
- ヤブガラシは、日本在来種のブドウ科ヤブガラシ属のつる性多年草。ヤブガラシという名前の由来は、藪を枯らしてしまうほどはびこる様子に由来します。別名は、貧乏葛(びんぼうかずら)といって、庭の手入れができないような家ではびこるからだそうです。 ヤブガラシは、自家不和合性といって、自家受粉しないのでほとんど結実しません。まれに実ができることがあって、黒い光沢のある小さな実を実らせます。実ができにくいのに、なぜそんなにはびこるのかというと、地下茎でどんどん広がっていくことによります。冬は地上部が枯れてなくなりますが、春から新芽を出し、夏の間に勢いよく繁茂します。 ヤブガラシは、6月~8月に、5mm足らずの小花を平たく集合させた花を咲かせます。花は咲き始めは淡いグリーン、のちにピンク、咲き進むに従ってオレンジ色へと変化します。このため、1つの花のかたまりの中でピンクとオレンジ色の花が咲いている様子を楽しめます。また、暑い夏にたくさんの花を咲かせることから、蝶々などの虫たちが蜜を求めて集まっている、美しい光景を見かけます。ヤブガラシの葉は、4~8cmの小葉数枚からなる掌状で、葉と対生するようにつるや花がつきます。春の新芽は茹でて食用にされる他、根や茎は生薬として利用されます。