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「LOVEGREEN編集部」が監修している植物|植物図鑑

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モモ(桃)

  • モモ(桃)は、バラ科サクラ属の落葉高木です。樹高は3~8mに達し、花が美しく、果実はほのかな紅色で香りが良く、甘くみずみずしいのが特徴です。植え付けから数年で成木になり、大きな実を収穫できますが、病害虫が多く栽培には摘果や袋かけ、薬剤散布の手間と技術が必要です。極早生種から晩生種までたくさんの品種がありますが、初心者は早生種の方が栽培しやすいようです。中国では3000年以上前から食用として栽培されており、日本には中国から渡来したと考えられています。伝わった時期は不明ですが、縄文遺跡から種が出土しているので、日本でもずいぶん古くから食用とされていたようです。ヨーロッパには紀元前に伝わっており、ローマ帝国の書物にも登場します。学名の persica はペルシアを意味する言葉で、ペルシアにゆかりのある果物だと考えられていたことがうかがえます。日本に伝わった時期は不明ですが縄文遺跡から種が出土しています。

スイートピー

  • スイートピーは、マメ科のシチリア島原産のつる性一年草または宿根草。巻きひげを絡ませながら2m近くまで伸び、長い花柄の先に蝶形の花がつきます。芳香があり、別名ジャコウレンリソウ(麝香連理草)と呼ばれています。品種数が多く開花時期によって冬咲き種、春咲き種、夏咲き種に分けられます。また矮性種もあります。種や苗として最も流通しているのは、春咲き品種です。 切り花の流通も多く、11月ごろから春咲き品種の出回りが始まります。もともとカラーバリエーションが豊富な花ですが、特殊なインクを吸わせて作る染めの花もあります。 近年、染めの技術が飛躍的に進化し、一見、染めとは思えないニュアンスのある色合いのものも流通しています。 こちらの図鑑では、主に春咲き品種の育て方をご紹介します。

イワシャジン(岩沙参)

  • イワシャジンは、キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草です。秋に釣鐘型をした紫色の花を咲かせます。山地の岩場に根を張り、細い葉茎を下垂させるように伸ばしてたくさんの花を咲かせる姿は、楚々とした風情があり、人気のある山野草です。 イワシャジンの名前の由来は、根がツリガネニンジンの根に似ていることによります。沙参とはツリガネニンジンの根から作られる生薬のこと。さらに補足すると、ツリガネニンジンの根は、高麗人参に似ていることから沙参という名がついたのだそうです。  

ネジバナ(捩花)

  • ネジバナは、ラン科ネジバナ属の多年草。日本に自生する原種のランで、らせん状に下から花を咲かせるのが特徴です。芝生などの湿った明るい草地を好み、人里近くに自生します。よく見ると非常におもしろいフォルムの花ですが、周囲の草に紛れるように生えているので、雑草として扱われてしまうことがほとんどのようです。 ネジバナは、地際近くに数枚の小さな葉を出し、その中心から花茎をまっすぐに伸ばして、らせん状に花を咲かせます。1つの花は5mmほどですが、カトレアのようなフォルムをしています。花色はピンクが一般的ですが、稀に白花もあります。真直ぐな茎に絡みつくように花を咲かせる姿は独特で、山野草愛好家の間で人気の植物でもあります。 あまり寿命の長くない多年草なので、気が付くと消えてしまっているようなこともあります。地植えにしておけば、こぼれ種で周辺からまた現れることがあるので、結果的に長く楽しめます。ただし、種からの発芽はうまくいかないことも多く、意図的にまいた種からは発芽せず、こぼれ種で予期せぬところから発芽したりするのがおもしろいところです。 身近な場所で見られるネジバナの多くは、晩春から夏まで花を咲かせる春咲き型ですが、9月~10月頃に開花する秋咲き種もあります。また、開花期の違う2種が同じ場所に混ざって咲いていることもあります。 ネジバナの花の巻き付き方は、一定ではありません。右巻きもあれば左巻きもあります。中には、らせん状にねじれないものや、途中からねじれ方が変わるものもあります。この特徴から「ねじり草」「ネジレバナ」「ネジリバナ」などの呼び名もあります。別名のモジズリ(綟摺)は、ねじ模様に染めた織物に似ていることに由来します。

矢車草(ヤグルマソウ)

  • 矢車草(ヤグルマソウ)は、ユキノシタ科ヤグルマソウ属の大型の多年草です。日本や中国など東アジアに6種類が分布していますが、日本に自生するのは、この矢車草(ヤグルマソウ)1種のみです。半日陰の湿った場所を好み、雑木林の中や斜面で群生しているような草花です。 矢車草(ヤグルマソウ)という名前の由来は、5枚に分かれた葉の形状を鯉のぼりの矢車にたとえたことによります。直径30~40cmで、縁に大きな鋸歯のある小葉を5枚、手のひらを広げたように展開します。葉の間から真直ぐに伸びる花茎は1mほどまで伸び、先端に円錐状の花穂をつけます。花びらはなく、色は白、直径1cm前後の小さな花をたくさん咲かせます。独特な佇まいが美しい花で、大きく存在感もあるので、庭植えとしても好まれます。

ビオラ

  • ビオラは開花期間がとても長く、適切な手入れをすれば次々と花が咲くので、初心者でも育てやすい冬から春の一年草です。品種が多くカラーバリエーションが豊富で、毎年新品種が作りだされています。最近は、個人育種家の方々の交配ビオラも人気です。 ビオラの花径は、小輪で2~3cm、中輪で3~4cm程度で、パンジーと比べて小ぶりなのが特徴です。品種改良が進み、小指の爪くらいの極小輪サイズのものもあります。

セリ・フラミンゴ

  • セリ・フラミンゴは、セリ科の耐寒性多年草。セリは春の七草のひとつで食用ですが、セリ・フラミンゴは観賞用の園芸品種です。ピンクがかった斑入り、美しい切れ込みのある繊細な葉は、花壇や寄せ植えの草花を引き立てるカラーリーフとしても重宝します。 斑の入り方は均一ではありません。色合いは季節によって違い、初夏はクリーム色、低温期はピンクの色が濃くなります。 極端な暑さや日差し、乾燥は苦手ですが、育て方は簡単です。ランナーを出して生長していくのでグランドカバープランツにもなります。 単体でも美しい色合いをしていますが、周囲の草花の花の色によって見え方は無限で、色合わせが楽しい素材です。環境に合えば初夏に白い花を咲かせます。

ミヤコワスレ(都忘れ)

  • ミヤコワスレ(都忘れ)は、ミヤマヨメナの園芸品種です。江戸時代から栽培され、茶花としても愛されてきた、歴史のある花です。今でも、庭植えや鉢植え、切り花として流通しています。 草丈は、20~70cm程度、小ぶりな品種は鉢植えに、高性種は花壇の彩りや切り花として人気があります。花の直径は3~4cm、花色は濃い紫から淡い紫、ピンク、白などがあります。青みがかった深い紫色の花は、小さいながらに存在感があり、庭の中でよく目立ちます。 ミヤコワスレ(都忘れ)は、日当たりが良い方が花をたくさん咲かせますが、夏の直射日光が少し苦手です。花が咲き終わった頃から、直射日光を避けられるような、落葉樹の下に植えるか、鉢植えは移動させるようにして管理しましょう。

ビワ(枇杷)

  • ビワ(枇杷)は、バラ科ビワ属の常緑高木です。冬に白くて小さな花を咲かせ、初夏にオレンジ色の甘い果実を実らせます。あまり手がかからず、家庭で育てやすい果樹として人気があります。中国から渡来し、古くから愛されてきました。ビワ(枇杷)が果樹として栽培されるようになったのは、江戸末期からだと言われています。現在日本で多く栽培されている「田中」と「茂木」の2品種は、このころに渡来したビワ(枇杷)の実生変異種だと考えられています。同じく江戸時代には、ビワ(枇杷)の葉から作られた枇杷葉湯が、夏バテに効果があるということで庶民の間で大流行したそうです。 ビワ(枇杷)は、皮のように厚く固い葉を持ち、枝の先端にオレンジ色の軟毛のある果実を複数実らせます。果皮をむくと、みずみずしく柔らかい果肉のなかに黒く大きな種子が入っています。学名 Eriobotrya は、ギリシャ語の「erion(羊毛)」と「botorys(ブドウの房)」に由来し、ビワ(枇杷)の果実の表面に軟毛があること、ブドウのように複数の果実を実らせることを表しています。 ビワ(枇杷)は常緑樹ですが、厳寒期に花が咲くこともあって、寒害を受けやすいのが特徴です-2℃を下回ると被害が出やすくなるので、寒冷地での栽培は不向きな果樹です。また、樹高が高くなる木なので、幼木の頃から剪定をして、あまり大きくならないように育てます。

スミレ(菫)

  • スミレとは、スミレ科スミレ属の多年草。世界の温帯に400種類が存在していると言われています。そのなかでも56種類が自生する日本はスミレ王国です。 スミレという名前は、スミレ科スミレ属の総称のように使われていますが、本来は「スミレ」と名付けられたViola mandshuricaのことを指します。mandshuricaとは中国を意味する言葉ですが、日本原産です。日本の風土に馴染んでいるため、非常に育てやすい植物です。 スミレの花は形が特徴的で、後部が突き出して細長い袋状となっており、ここが蜜を分泌する蜜房となっています。スミレという名前の由来は、花を横から見た姿が大工が使う墨入れ(墨壺)に似ているからだといわれています。 スミレは、野山や森以外に街中でも見られます。アスファルトの隙間から花を咲かせているのを見かけるほど強健な草花です。典型的な虫媒花で、その花の蜜を求めてやってきた昆虫の体に付着した花粉が、次の花に移動して授粉にいたるという仕組みです。けれど、実際にはこの方法で結実することは少ないと言われています。春の開花期を過ぎた夏から秋、環境がよければ冬でも、閉鎖花といって蕾の段階で自家受精して結実します。スミレが花を咲かせていないのに、種を作っているのを見かけるのはこのためです。

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