- ナンテンは、赤い実がお正月の花材として欠かせないメギ科の常緑低木で、古典園芸植物の一つです。日本では関東以西で自生し、栽培も容易なことから、個人の庭や寺院、公園などに植栽されています。5月~6月に真白な花を咲かせ、11月~12月に真赤な実をたわわに実らせます。ナンテンは、冬でも濃い緑が茂る様子や赤い実をつける特徴から縁起物として好まれ、古くから魔除け、厄除け、無病息災を願い、多くの家庭で栽培されてきました。 和名の「南天」は、中国名をそのまま日本名にしたのが由来です。ナンテンという名前の音が、難を転じる「難転」や「成天」を連想させることから、縁起の良い木とされ、不浄をはらうために玄関やお手洗い、鬼門と呼ばれる方角に方位よけとして植えられるようになりました。 実を焼酎、氷砂糖とともに漬け込んだ南天酒は咳止めや喉の痛みなどの民間薬として利用されてきたほか、「南天のど飴」として販売されています。 お赤飯や煮物、魚など、料理の上に乗せられるナンテンの葉は、縁起物としてだけではなく、防腐や殺菌を目的として使われています。

































