サトイモ(里芋)
- サトイモはとても古くから栽培されている野菜です。日本では稲作以前の縄文後期にはすでに存在していました。山の芋に対して、里で育てられるためサトイモ(里芋)と呼ばれるようになりました。 サトイモは土の中にできる芋を食べるのですが、根のように見えて実は茎が肥大した地下茎を主に食用としています。株の中心に親イモができ、その周りに子イモ、孫イモがつきます。品種によって、親イモを主に食べるもの、子イモを主に食べるもの、親イモ・子イモ両方食べるもの、葉柄(ずいき)も食べられるもの、葉柄(ずいき)のみ食べるものがあります。産地や栽培状況によって草丈の大きさも葉の大きさもかなり変わります。 サトイモは高温多湿を好むため、地上部は霜に当たると枯れてしまいます。そのため、寒冷地である北海道での収穫は困難だといわれています。病害虫に強く日陰でもある程度育ち、土質も選ばないためとても栽培しやすい野菜です。ただ、乾燥にはとても弱いので水切れには注意しましょう。 サトイモは、親イモに子イモがたくさん付くことから、豊作や子孫繁栄の象徴とされ「子宝に恵まれるように」という願いを込めてお正月のおせち料理にも使われます。「八つ頭」という品種は、親イモと子イモがくっついていて、頭が8つあるように見えることからその名が付いていますが、末広がりの「八」が付いていることもあって縁起物とされ、「人の上(頭)に立てるように」という出世祈願としておせち料理に加えられることもあります。