可憐な春の草花、勿忘草(ワスレナグサ)とは?育て方や楽しみ方
金子三保子
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春に小さくて可愛い花を咲かせる勿忘草(ワスレナグサ)の育て方や楽しみ方をご紹介します。
目次
勿忘草(ワスレナグサ)とは?
勿忘草(ワスレナグサ)は、春に小さなかわいい花を無数に咲かせるムラサキ科の一年草。自生地では多年草として分類されますが、暑さと過湿を嫌うので夏越しできないことから日本では一年草として分類されています。環境に合えば、こぼれ種でも増えるほど性質は丈夫な草花です。もともとガーデニング用として流通しているのは草丈の低いものでしたが、最近は矮性種のほか、高性種や花のサイズが大きめなもの、斑入り品種など種類が豊富になりました。苗のほか、切り花としての流通も年々増えています。
ひとつひとつの花は米粒サイズの小さな花ですが、水色の小さな花が4月~6月、無数にブルーの花が開花している光景はとても素敵です。育て方が簡単なので、春のお庭に取り入れてみませんか?
▼勿忘草(ワスレナグサ)の育て方
▼勿忘草(ワスレナグサ)の花言葉
勿忘草(ワスレナグサ)の入手方法
勿忘草(ワスレナグサ)は、種か苗で購入します。花色は青のほか、白やピンクがあります。青系の品種は、矮性をはじめ高性で切り花に向く品種、花が大きめなど品種が豊富です。
勿忘草(ワスレナグサ)の種まき
こぼれ種で発芽した勿忘草(ワスレナグサ)
9月後半~10月が勿忘草(ワスレナグサ)の種まきの季節です。(寒冷地は春)
勿忘草(ワスレナグサ)の種まきは、庭や花壇に直まきをするか、たくさんの苗が必要な場合は、セルトレイやポットにまいて育苗します。
勿忘草(ワスレナグサ)の種は嫌光性種子なので、種をまいたら必ず土をかけましょう。嫌光性とは、発芽に光を必要としない性質です。種をまいたら光を遮ることが必要です。
勿忘草(ワスレナグサ)の苗の流通
勿忘草(ワスレナグサ)の苗は、年明けあたりから徐々に出回りはじめます。葉が生き生きとした緑色で、花がこれからの若い苗がおすすめです。たくさん花が咲いている苗より、一番花が咲き始めているような若い苗を早めに植え付けた方が春までたくさんの花を楽しめます。
勿忘草(ワスレナグサ)の植え付け
勿忘草(ワスレナグサ)の栽培環境
勿忘草(ワスレナグサ)は日当たりと風通しが良い場所が好みの環境です。半日陰くらいでも栽培可能ですが、日当たりの良いところで管理した方が花つきは良くなります。
勿忘草(ワスレナグサ)の土
蒸れや過湿に弱いので水はけの良い土を好みます。極端な水切れによる乾燥にも弱いので、ある程度の水保ちも必要です。
鉢植えは、草花用の培養土で問題なく育ちます。元肥として緩効性の肥料を入れて植え付けます。最近の培養土は元肥入りも多いので、確認してから元肥を入れるかを判断してください。
植え付け方
最近は同じ勿忘草(ワスレナグサ)でも品種によって草丈がさまざまです。苗を購入したら草丈を確認して、その丈にあった位置に植え付けましょう。冬に植え付けする場合は午前中に行いましょう。
鉢植えにするなら、ポットのサイズより1~2周り大きめな鉢に植え替えましょう。寄せ植えの材料としても人気です。勿忘草(ワスレナグサ)に合わせる草花は、日当たりを好む開花期間が同じ草花を選びます。
地植え、鉢植えとも植え付けが終わったら、優しい水流でたっぷりと水を与えてください。
▼春の寄せ植え作りのコツ
勿忘草(ワスレナグサ)の日々の育て方
勿忘草(ワスレナグサ)の水やり
地植えの勿忘草(ワスレナグサ)は、根付いてからの水やりは必要ありません。鉢植えの水やりは、鉢の表面の土が渇いたらたっぷりとやるようにします。水切れを起こすと、急に弱ることがあるので注意しましょう。
冬に流通している草花なので、水やりは午前中に行うと安心です。夕方になって水を与えると、根が凍って弱ってしまうことがあるため注意してください。
勿忘草(ワスレナグサ)の肥料
肥料は草花用の肥料なら液体でも固形肥料でも構いません。商品によって効果が持続する期間が違うので確認してから使用しましょう。ただし、勿忘草(ワスレナグサ)は肥料が多すぎると葉ばかりが茂りやすくなるので、記載してある容量より少なめに施し、様子を見ながら管理していきます。
地植えの勿忘草(ワスレナグサ)は、肥沃な土で周囲の草花や木の花が無肥料で咲いているようなら特に与える必要がない場合もあります。
たくさんの花を咲かせるコツ|花がら摘み
終わった花はこまめに摘み取っておくと花の開花期間が伸びます。勿忘草(ワスレナグサ)は環境があうと、こぼれ種で繁殖する可能性がある草花です。花がらを摘むと種はできないので、こぼれ種を狙う場合は、終わった花をそのままつけておきます。
花が終わったらどうする?
東京だとまめに花がらを摘んでいると6月くらいまで咲き、梅雨入りの頃に寿命を終えます。日本では一年草として扱われているため、一通り花が終わったら苗を抜き取り、夏から秋にかけて咲く草花とチェンジしましょう。こぼれ種を期待する場合は、苗は抜かずに自然に枯れるまでそのままにしておきます。
宿根ワスレナグサとして流通しているものは、夏越しさえできれば宿根化するので、花が終わったら全体的に草丈の半分程度切り戻し、夏越しさせます。無事夏を越すと、晩秋ごろに株元から新しい葉が続々と芽吹いてきます。そのころに傷んだ葉を取り去っておくときれいな見た目になります。
宿根草タイプも寿命としては短命な部類です。絶やしたくない場合は、種を採って更新していくとよいでしょう。
勿忘草(ワスレナグサ)の種の性質
勿忘草(ワスレナグサ)の種はざらざらとしているので、洋服などにくっつく性質があります。種ができる時期に園芸作業をしていると、靴下やズボンなどに種がついていることがしばしば。ときには我が家の犬の毛の中にまで忍び込んでいることも……。俗に言う「ひっつき虫」です。こうして新たな場所へ繁殖していきます。
勿忘草(ワスレナグサ)のシーズン最後の楽しみ方
同じ季節に咲く花、花菱草と勿忘草(ワスレナグサ)
勿忘草(ワスレナグサ)は小ぶりで主役級の草花ではありませんが、多種類の草花の寄せ植えにもとても重宝です。
シーズンの終わりごろの勿忘草(ワスレナグサ)は丈が伸びてきます。抜き取る直前に生けて楽しむこともできます。
▼勿忘草(ワスレナグサ)と同じ時期に咲く野草のアレンジ
勿忘草(ワスレナグサ)は、一度植え付けてしまえば、育て方はとても簡単です。環境に合えば、こぼれ種でどんどん増える可能性もあるのも楽しみのひとつ。とてもかわいい春の花なので、春の庭に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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