根菜とは?|種類を一覧で紹介。基本の根菜レシピまで
山田智美
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根菜について、基本の説明、種類一覧、根菜のようでそうでない種類、煮物やおいしいレシピまで。根菜に詳しくなれます。
目次
根菜とは
根菜とは、土の中にある部分を食用とする野菜の総称です。根菜という呼び方をするので、「根を食用としている」ように思われがちですが、土中で生育する茎(地下茎)を食用とする野菜も含まれます。ただし、土中で生育している葉は、根菜には区分されません。
根菜の種類
根菜の種類と、調理の際のちょっとしたコツも紹介します。
カブ(蕪)
カブは、アブラナ科の根菜。普段食用にする球形の部分は、正確には根ではなくて胚軸(はいじく)という、茎の一部です。根はその下に付いている細いひげ状の部分になります。ほとんどが水分なので、カロリーは低く、消化の良い野菜。生でサラダや漬物、煮物やスープにして食べます。煮込み過ぎると形が崩れてしまうので、火加減はほどほどにするのが調理のコツです。
ゴボウ
ゴボウは、キク科の根菜。土中に長く伸びた根を食用にします。ゴボウを食べるのは日本人くらいと言われ、外国では珍しい根菜のようです。ゴボウの香りとうまみは皮のすぐ下にあります。泥を水で洗い落して、皮は包丁の背でこそぐようにむきます。すぐに茶色く変色するので、切ったそばから水にさらすのがきれいに仕上げるコツです。
サツマイモ
サツマイモは、ヒルガオ科の根菜。食用にするのは根が肥大化した部分です。甘くほくほくとした食感が特徴で、スイートポテトや大学芋のようにおやつにもなれば、天ぷらのようにごはんのおかずにもなる頼もしい存在です。薩摩藩から伝わったので、サツマイモと呼ばれていますが、もとは沖縄から薩摩藩に伝わった野菜だという歴史はあまり浸透していません。
サトイモ(里芋)
サトイモは、サトイモ科の根菜。肥大化した地下茎を食用にします。ねっとりとした食感が特徴で、茹でたり、揚げたり、焼いたりと、加熱調理して食べます。サトイモを扱う際のコツは、泥を水で洗い流し、乾かしてから皮をむくと、手がかゆくなりません。
ジャガイモ
ジャガイモは、ナス科の根菜。地下茎の先端の、ころころと肥大化した部分を食用にします。ジャガイモの芽の部分にはソラニンという毒素があるので、包丁でこそぐようにして取り除きます。また、でんぷんを多く含んでいるので、水にさらしてから調理すると、煮物は型崩れが防げ、フライドポテトはカリッと仕上がる、ちょっとしたコツです。
ダイコン(大根)
ダイコンは、アブラナ科の根菜。肥大化した根を食用にします。生でも、加熱しても食べることができます。ダイコンの使い分けのコツは、葉は刻んで汁の具や炒め物に、上の方は甘味があるので、サラダやダイコンおろしなど生食に、真ん中は煮物に、下の方は辛みがあるので、漬物や汁の具に向いています。
ニンジン(人参)
ニンジンは、セリ科の根菜。肥大化した根を食用にします。生で歯ごたえを楽しむサラダ、煮込み料理、炒め物の具、すりおろしてハンバーグのタネに混ぜたりと、用途の多さが魅力です。ニンジンの葉も、香りが良い葉野菜として食用にできます。個人的には、ニンジンの葉と新タマネギのかき揚げがおすすめです。
ビーツ
ビーツは、アカザ科の根菜。丸く肥大した根を食用にします。ロシア料理のボルシチには欠かせない野菜で、あのスープの甘味と鮮やかな色は、ビーツによるものです。生ではかたくて食べられませんが、加熱すると独特の香りと甘味を楽しめます。オーブンなどで、皮ごとゆっくりと加熱してから、煮込んだりサラダにしたりと調理します。加熱したビーツの皮をむくと、真赤な水分が流れ出てくるのでちょっと怯みますが、これがビーツが「食べる輸血」と呼ばれる理由です。
レンコン(蓮根)
レンコンは、ハス科の根菜。肥大化した地下茎を食用にします。ハスは、水の上に長く茎を伸ばし、美しい花を咲かせる水生植物です。レンコン以外にも、茎や実を食用にします。レンコンの調理のコツは、空気に触れるとすぐに黒ずんでくるので、切ったそばから酢水に浸すことです。変色を防ぎ、食感を残すことができます。
ヤマイモの仲間
ヤマイモは、ヤマノイモ科の根菜。肥大化した根を食用にします。ヤマイモのむかごは、葉の付け根にできるものなので、根菜ではありません。ヤマイモは、独特の粘りが特徴で、生ですりおろしたり、千切りにしたりします。加熱調理してもおいしく、煮物や揚げ物で楽しめます。手を酢水に浸してから切るのが、かゆくなるのを防ぐコツです。
根菜のようで根菜ではない種類
土の中の部分を食用とするのに、厳密には根菜に分類されない野菜を紹介します。農林水産省で根菜に区分されていないだけで、小売店では、根菜として扱われていることも多々あります。根菜に区分されないからといって、何ら問題があるわけではありませんので、ご安心ください。
タマネギ
タマネギは、ヒガンバナ科の葉菜。鱗茎(りんけい)と呼ばれる、土中にある球形になった葉を食用にします。葉の部分を食用にするので、根菜には含まれません。
ニンニク
ニンニクは、ヒガンバナ科の葉菜。土中の鱗茎と呼ばれる葉を食用にするので、根菜には含まれません。
ショウガ(生姜)
ショウガは、ショウガ科の香辛野菜。土中の地下茎を食用にします。地下茎ですが、区分は香辛野菜です。
ユリネ(百合根)
ユリネは、ユリ科の葉菜。オニユリやコオニユリの鱗茎を食用にするので、根菜には含まれません。
根菜の煮物のレシピ
油も、うま味調味料も使用しない、シンプルな根菜の煮物のレシピです。
材料
- ゴボウ 1/2本
- サトイモ 3~4個
- ニンジン 1/2本
- レンコン 5~6cm
- シイタケ 2~3枚
- こんにゃく 1枚
- 鶏肉 150~200g
- かつお節(だし用パックに入れておく) 適宜
- 水 ひたひた程度
- 酒 大さじ2
- みりん 大さじ2
- しょうゆ 大さじ2
- (酒、みりん、しょうゆは1:1:1が基本の分量です。好みで調整してください)
作り方
・ゴボウは洗って、皮をそいで斜めに切る
・サトイモは洗って皮をむき、熱湯で2~3分ゆでて、ざるに上げておく
・ニンジンは洗って、皮をむいて、乱切り
・レンコンは洗って、皮をむいて、乱切り
・シイタケは半分に切る
・コンニャクは洗ってスプーンで一口大に切ったあと、塩でもんで熱湯で2~3分ゆでて、ざるに上げておく
・鶏肉は一口大に切る
1.ナベか深さのあるフライパンで鶏肉の表面に焼き目を付ける(鶏肉がくっつくようなら、適宜油を引く)
2.鶏肉を取り出し、余計な油をふき取り、すべての野菜と鶏肉を鍋に入れ、ひたひたの水を入れて、だしパックを乗せたら、中火で加熱
3.煮立ったら、コンニャクを加え、酒とみりんを回し入れ、落し蓋をして15分程度加熱
4.竹ぐしを刺してみて、野菜に火が通っていたらしょうゆを加え、10分ほど加熱して火を止めて冷ます
5.食べる直前にもう一度温め、お皿に盛る
先に根菜を油で炒めず、水から煮込むことで、野菜のだしが出ます。鶏肉とかつお節からも味が出るので、余計な調味料は必要ありません。鶏肉を先に炒めるのは、鍋の中で鶏肉同士がくっつくのを防ぐため。煮物は、火を止めて冷めていく過程で味がしみるで、この工程はできるだけ省かないようにしましょう。
胃腸が弱く、油が苦手な私が頻繁に作るレシピです。鶏肉をむね肉にすれば、カロリーを抑えることもできます。ぜひ、お試しください。
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根菜は、土中の根や茎を食べる野菜のこと。ずっしり、しっかり存在感があって、食卓の主役になれるようなものも多くあります。身近な野菜に詳しくなって、さらに料理を楽しんでください。
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