ラベンダーを使ったセンスのいい寄せ植え6選|組み合わせと作り方のポイント

戸松敦子
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ラベンダーを使ったセンスのいい寄せ植えをご紹介!初夏に花茎を伸ばして青紫色の小花を穂状につけるラベンダーは、見た目が爽やかで香りも良く、大変人気があるハーブです。園芸家の先生に教わったラベンダーを使った寄せ植えや、ラベンダーの種類、センス良く作るポイント、苗の組み合わせや管理のコツについてもお話しします。
目次
ラベンダーとは
ラベンダーはシソ科の常緑低木(ハーブ)で、原産地は地中海沿岸地域です。
ラベンダーの花は香りが強く、古くからお風呂や衣類の香りづけに利用されてきました。ラベンダーの精油はリラックス効果や抗菌作用などがあり「万能の精油」ともいわれ、アロマテラピーでもっとも広く使われています。美しい花を咲かせ、優雅な香りを漂わせるラベンダーは「ハーブの女王」とも呼ばれています。花の色は薄紫や濃い紫、白などがあります。ラベンダーという名の語源は、lavareという「洗う」を意味するラテン語にあるそうです。
もともとは乾燥した気候のやや荒れた土地に自生する植物なので、日なたと水はけの良い用土を好みます。高温多湿を避けて、花後は早めに花茎を切り、風通し良く育てることが大切です。
非常に種類が多く、香りを楽しむのに向くもの、丈夫で花壇の観賞に向くものなど様々あり、耐寒性や耐暑性もそれぞれ異なります。育てる環境や目的に合った品種を選びましょう。
ラベンダーの種類と性質
イングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)
イングリッシュラベンダーは、古くから人々に愛されてきたラベンダー。寒さに強く、高温多湿に弱い性質があります。イングリッシュラベンダーは暖地で育てるのには不向きで、北海道のような寒冷地でよく栽培されている種類です。細い綺麗な紫色の花穂が特徴的で、香りが高く精油の原料に多く利用されています。花期は5月~6月頃です。
フレンチラベンダー
フレンチラベンダーは、ウサギの耳を思わせる花穂が特徴的です。香りはやや弱いのですが、花壇での観賞用やドライフラワーに向いています。フレンチラベンダーは耐暑性があり、暖地でも比較的栽培しやすいラベンダーと言われています。花期は5月~7月頃です。
フレンチラベンダー
- フレンチラベンダーの花はとても特徴的で、細く伸びた茎の先端に稲穂状に花が付きます。最大の特徴は花穂の先についた葉。葉だけれど緑色ではなく、紫色や白い色をしています。細長い花びらにも見えるこの葉。これは苞葉(ほうよう)と言い、花穂を守るために葉っぱが変異したものです。4枚ほどの苞葉が花穂の先端についており、ウサギの耳のようにも見えます。花色も豊富で、紫系、ピンク系、ブルー系、ホワイト系などがあります。香りはやや弱いですが、花が散った後も苞葉が残り、長い期間鑑賞できます。ドライフラワーにも向いています。ラベンダーの中では暑さに強く、耐寒性もあり丈夫です。蒸れに弱いので、花後に切り戻しをして風通し良く育てると、毎年楽しむことができます。
レースラベンダー
レースラベンダーは、レースのように細かな切れ込みが入った葉と、3つに分かれている花穂が特徴的なラベンダー。
四季咲き性があるので、終わった花を摘んで剪定しておくと繰り返し咲きます。花穂の部分が美しくなくなったら、花穂の茎を下にたどり、脇芽の少し上の所でカットします。
レースラベンダーはラベンダー特有の香りはしないので、花を楽しむ園芸種として用います。少し寒さに弱いので、冬は霜の当たらない軒下などに置きましょう。
レースラベンダー
- レースラベンダーは、葉に入った細かい切れ込みがレースのように見えることから名づけられました。レースラベンダーは、いわゆるラベンダーの香りはしません。観賞用に作られた園芸種なので、ハーブとして利用するには不向きな品種です。花とレースのような葉が美しく、花姿そのものを楽しむ方が多いようです。 四季咲きなので条件があれば冬でも咲いてくれるのがうれしいところ。葉に細い銀色の柔毛が密生しているのが特徴的で、他のラベンダーとすぐに見分けがつきます。花だけでなく、葉を観賞できるのもレースラベンダーの魅力です。 高温多湿に弱いというラベンダーの仲間の特徴を備えつつ、寒さも苦手という少しデリケートな品種ですが、ポイントをおさえて上手に育てると一年を通じて長い期間花が楽しめ、毎年咲かせることができるラベンダーです。
ラベンダーを使ったセンスのいい寄せ植えを作るポイント
3ポットでできる可愛い寄せ植え
寄せ植えの組み合わせを考えるのが難しいときは、色違いのフレンチラベンダーを3種類合わせるだけでも可愛い寄せ植えができます。
ラベンダーと好きな2ポットを合わせても気軽に寄せ植えができます。
3ポットの組み合わせでも、選ぶ苗によって雰囲気ががらっと変わりますね。3ポットで作る寄せ植えは、バランスが取りやすくて時間が無い時でもさっと作れるので本当におすすめです。
テーマをイメージして苗を組み合わせる
「華やかに」「ナチュラルテイストに」「小さなハーブガーデン」「ブルー×ホワイトガーデン」など、テーマをイメージして苗を組み合わせることが大切です。ラベンダーと同じように、日なたと水はけの良い用土を好む植物を合わせると育てやすいです。
互いに引き立て合う苗をセレクト
例えば、茎が細く真っすぐで、細い小葉をつけるイングリッシュラベンダー(コモンラベンダー)には、ふんわり大きな花を咲かせるペチュニアやサフィニア、クローバーの丸い葉や葉の面が大きいシルバーリーフを組み合わせると互いに引き立て合って美しく仕上がります。
ラベンダーを使ったセンスのいい寄せ植え6選
ベンチプランターを使ったリトルガーデン
木製のベンチプランターにフレンチラベンダーと白&ブルーの花を合わせ、ライムとシルバー色のカラーリーフをちりばめました。苗を12ポット使ったダイナミックな寄せ植えです。
寄せ植えに使っている植物
高さを活かしたテラコッタの寄せ植え
花の寄せ植えレッスン!|どんな組み合わせにする?2
フレンチラベンダーとレースラベンダーに、高さのあるシルバーリーフのフェアリーピンクを合わて背景を作り、株元にオステオスペルマムやカラーリーフなどをあしらった豪華な寄せ植えです。玄関に飾るウェルカムコンテナにぴったりですね。
寄せ植えに使っている植物
ブリキの器に可愛くアレンジ
バッグの形をした可愛いブリキの器に、イングリッシュラベンダーと薄紫&白の花、シルバーリーフと銅葉色のクローバーを合わせました。母の日や誕生日のプレゼントに贈っても喜ばれそうな寄せ植えですね。
寄せ植えに使っている植物
オール多年草で長く楽しめる寄せ植え
レースラベンダーとフレンチラベンダーに、多年草の草花を合わせた寄せ植えです。レースラベンダーの細い茎と枝垂れるハツユキカズラ、細くてくるんとしたミスキャンタスの葉が、しなやかに流れる美しいアクセントになっています。すべて多年草を使っているので、上手に管理すると長く楽しめます。
寄せ植えに使っている植物
初夏の香りを運ぶ寄せ植え
花の寄せ植えレッスン | 初夏をはこぶフレンチラベンダーの寄せ植え
フレンチラベンダーに、ヘリオトロープなどの良い香りがする草花を合わせて寄せ植えを作りました。作っているときも良い香りに包まれて幸せな気分になれます。
寄せ植えに使っている草花
小さなキッチンガーデン
イングリッシュラベンダーに、ミントやパセリなど少しずつ収穫して料理に使うことができるハーブを合わせました。見た目の美しさも楽しめるように、銅葉色のバジルをアクセントに使ったり、シルバーグリーンやライム色の葉をセレクトするなど工夫しています。
寄せ植えに使っている植物
ラベンダーを使って寄せ植えを作ろう♪
今回はラベンダーを使った寄せ植えを6種類ご紹介しました。北海道の初夏を彩る風物詩にもなっているラベンダーは、花が美しいだけでなく良い香りで心も癒してくれるハーブ。寄せ植えにして育てると、水やりのときに少しふれるだけでフローラルな香りに包まれて気持ちが落ち着きます。初夏にラベンダーを使った寄せ植えを作ってみませんか。
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ラベンダー
- ラベンダーは地中海沿岸原産の常緑低木。ハーブの女王とも呼ばれ、癒しのフローラル系の香りが人気のハーブです。ヨーロッパでは古くから栽培され、お風呂や衣類の香りづけなど日常の暮らしの中で利用されてきました。花の色は薄紫や濃い紫、白があり、葉には芳香があります。ハーブとして蒸留して得られたオイルは香水などの成分となり、花を乾燥させたものはポプリやハーブティーとして利用できます。 ラベンダーの語源は、lavareという「洗う」を意味するラテン語だと言われています。その精油はリラックスや精神安定にも使われており、とても人気があります。「万能の精油」ともいわれ、アロマテラピーでもっとも広く利用される精油です。ラベンダーにはイングリッシュラベンダーやフレンチラベンダーなど種類がたくさんあり、種類ごとに精油が作られているため、ラベンダーと名のつく精油はたくさんあります。 ラベンダーは地中海沿岸が原産地のため、高温多湿を嫌う性質です。風通し良く、蒸れないように世話をすれば次第に大株になり、良い香りのする花を毎年咲かせて楽しませてくれます。