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「LOVEGREEN編集部」が監修している植物|植物図鑑

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LOVEGREEN(ラブグリーン)の編集部アカウントです。ガーデニング、家庭菜園、インドアグリーンなど、幅広い植物ジャンルに精通したメンバーが在籍し、実際の栽培経験にもとづく花・植物の育て方や楽しみ方記事、お庭の取材記事、植物にまつわる企画などを配信しています。

オニユリ

  • オニユリは原種のユリのひとつで、耐寒性、耐暑性に優れることから、日本の至る所で野生化しています。オニユリの背丈は100~200cm程度、オレンジ色の花には斑点があり、花弁はそっくり返ったような印象的な見た目をしています。発色の良い花は、夏の野山でよく目立ちます。 オニユリの特徴的なところと言えば、むかごができることです。むかごは、葉の上にひとつずつでき、これをまくと3~4年で開花します。見た目がとても似ているコオニユリには、むかごはできません。 また、オニユリの球根は「ユリ根」と呼ばれ、薬用や食用にもされています。ユリ根はオニユリ、コオニユリ、ヤマユリの鱗茎のことをいいますが、最近流通しているのはコオニユリがほとんどのようです。

  • 葛は、日本の山野及び街中の公園や空き地などで見かけるつる性の多年草、読み方は「くず」です。秋の七草の一つに数えられています。薬用や食用に利用される傍ら、繁殖力が強く、駆除が困難な雑草としても扱われている、身近な野草です。 葛は、赤紫色のフジに似た花を咲かせます。大きさは1~2cm程度のマメ科特有の蝶形花が集まって咲き、ぶどうジュースのような甘い香りがあります。色鮮やかで香りの良い花を咲かせますが、葉が大きく、よく茂るので、葉に隠れて見えないこともあります。空き地や河原など、身近な場所に茂っているのに、花の記憶がないという人も多いのではないでしょうか。 葛のつるは太く丈夫で、3枚の小葉からなる大きな葉を茂らせます。葉や茎に産毛のような細かい毛があります。土中に太い根を伸ばし、山芋のような塊根を形成するのも特徴です。根は太く長いので駆除が困難と厄介がられることもありますが、実は良質なでんぷん質が豊富で、食用や薬用にされる有用植物です。葛の根からは、葛根湯(かっこんとう)や葛湯(くずゆ)などの生薬が作られています。他にも、葛粉(くずこ)、葛餅(くずもち)、葛切り(くずきり)などの和菓子の原料にもされています。 葛の葉の裏の色は白っぽく、風に吹かれて葉裏が見えることから裏見草(ウラミグサ)と呼ばれ、「恨み」とかけて枕詞に使用されます。

彼岸花

  • 彼岸花は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の球根植物。秋になると、田畑の畔、神社や寺院の参道、身近な道路の脇などで、燃えるような真赤な花を連ねるように咲かせます。彼岸花は地下に鱗茎を持ち、分球で増えるので、密に群生しています。遠くから見ると、たくさんの真赤な花がかがり火のように咲いている様子が幻想的です。 彼岸花は、秋になると30~50cmの花茎を真直ぐに伸ばし、その先に数個の花を放射状に咲かせます。花一つ一つを見ると、花びらは細く縁が少し波打っていて、先端が反り返り、しべ類が飛び出すような独特のフォルムをしています。彼岸花の特徴は、花が咲き終わってから葉が出てくるところです。花が咲いていた場所に濃いグリーンの細い線のような葉を伸ばします。この頃には花は枯れてなくなっているので、多くの人はそれが彼岸花の葉だと気づかないようです。 彼岸花に白い花は咲く? 彼岸花は、基本的に真赤な花を咲かせますが、まれに白花もあります。真赤な彼岸花が群生している中で、ポツンと白い花が咲いているようなケースは非常に稀な突然変異です。 白といっても白に近い淡い黄色の花は、シロバナマンジュシャゲと呼ばれる彼岸花とショウキズイセンの交雑種です。シロバナマンジュシャゲも彼岸花と同じころに開花し、群生します。シロバナマンジュシャゲからは多くの園芸品種が作出されていて、白の他にピンクや、黄色の花を咲かせるものなどがあります。 彼岸花は種子を作らない? 彼岸花は、その昔に中国から渡来したと考えられています。中国では種子を作るものが確認されていますが、日本に分布している彼岸花は、種子を作ることはなく分球で増えていきます。 彼岸花には毒がある? 彼岸花は、地下の鱗茎に有毒のアルカロイドを含みます。墓地や田畑周辺で彼岸花を見かけるのは、昔はこの毒でネズミなどから大切な穀物や遺体を守るために植えられていたそうです。 彼岸花の名前や別名の由来 彼岸花にはたくさんの別名があります。彼岸花という名前は、秋の彼岸近くに開花することから名付けられました。曼珠沙華(まんじゅしゃげ)という別名は、仏教で天界に咲くと伝えられている花に由来します。死人花(しびとばな)という別名は、この花が墓地や寺院の近くに多いからです。火事花(かじばな)という別名は、赤い花を炎に見立て、家に持ち込むと火事になると言って忌み嫌ったことが由来だそうです。 彼岸花とリコリスの違いは? 彼岸花は Lycoris radiata のこと、リコリスとはヒガンバナ属の学名 Lycoris をカタカナ読みしたものです。ヒガンバナ科の植物は園芸品種が多く、切り花や鉢植えで愛され、リコリスという名前で流通しています。園芸品種には、黄色やピンクなど、明るい色の花を咲かせる品種もあります。

マンサク

  • マンサクは、マンサク科マンサク属のまだ寒さが残る2月頃から、はっとするような黄色い花を咲かせ、いち早く春の訪れを教えてくれる日本原産の落葉低木。日本各地の山林にも自生していて、紅葉も美しい樹木です。 花びらは長さ約2㎝ほどの線形で、遠くまで良い香りが漂います。葉より先に花が咲くため、満開時は木一面を花が覆いつくします。派手さはありませんが、あたりの木々がまだ落葉している中での花はとても目立ちます。 マンサクは生長が遅く、狭い場所への植え付けにも向きます。耐寒性に優れ、病害虫の害も少なく育てやすいため、庭木のほか街路樹としても植栽されています。 マンサクの名は、春一番に咲く「まず咲く」という言葉が変化してつけられたと言われています。また、マンサクは、たくさんの花をつけるので、作物の豊年満作を占う植物として古くから親しまれてきました。そのことから豊年満作を祈願して名前が付けられたとも言われています。

月見草

  • 月見草は、アカバナ科マツヨイグサ属の一年草、あるいは二年草。メキシコ原産で、日本でも自生するようになった帰化植物です。繁殖力が弱かったのか、身近な場所ではあまり野生化していません。 月見草は、夜に開花し朝には萎れる一日花です。夏の夜に色は白、花びらは4枚の花を咲かせ、朝になって萎れる頃にピンクに変化します。 文豪太宰治の「富嶽百景」に「富士には月見草がよく似合ふ」という一節があります。ただし、その後に「黄金色の月見草の花ひとつ」と書いてあることから、この月見草はマツヨイグサのことだったのではないかと推測できます。      

スイレン

  • スイレンは、世界各地の熱帯、亜熱帯、温帯に約40種類分布する水生草本で、地下茎または塊茎をもっています。花や葉は、水面に浮いているように見えますが、長い葉柄を持ち、水中の地下茎まで続いています。 スイレンには熱帯性と温帯性があり、多くは熱帯地域に自生する熱帯スイレンです。熱帯スイレンには昼咲きと夜咲きがあり、花は水中から続く長い花柄を持ち、水面から高く伸びた先に咲きます。葉は広い楕円形で、切れ込みが深いのが特徴。耐寒が弱く、冬でも最低15度以上の温度と水深30cm以上の水槽が必要になります。一方、温帯スイレンの花は昼咲きのみで水面に浮くように咲きます。葉は円形で切れ込みが浅く、花と同じように水面に浮くように出ています。また、品種が少なく、5~6種ほどしかありません。

マツヨイグサ

  • マツヨイグサは、アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。宵(日が暮れてから)を待って開花するので「待宵草」というのが和名の由来です。夜に明るい黄色の花を咲かせ、翌朝にはオレンジ色に色を変えて萎れていく一日花です。 マツヨイグサの特徴は、草丈30cm~1m程度、花径は3~4cm、色は黄色、花びらは4枚です。南アメリカ原産で、江戸時代に日本に渡来し、各地で自生するようになった帰化植物です。他に近縁種のオオマツヨイグサ、メマツヨイグサ、コマツヨイグサなども自生しています。  

キク

  • キクは、皇室の紋にも使われている日本を象徴する花のひとつです。奈良時代に中国から不老長寿の薬草として渡来しました。その後、江戸時代に入ってから、花の美しさが評価され、盛んに品種改良されるようになりました。こうしたキクを「古典菊」と呼び、「江戸菊」「嵯峨菊」「美濃菊」など地名を冠してカテゴリー分けされています。スプレーギク、ピンポンマムなど、イギリスを中心に欧米で生み出された小輪でたくさんの花をつけるキクは「洋菊」と呼ばれています。 キクは、非常に種類が多く、咲き方や花びらのフォルムは様々。野花を思わせるような小菊から、一重咲きや八重咲き、大輪、中輪、小輪、スプレー咲き、色も伝統的な白や黄色にはじまり、赤、紫、茶、ピンク、オレンジ、複数の色を合わせたものなど数多くの品種があります。古典菊、洋菊どちらも丈夫で育てやすいのが特徴。品評会を目指すもよし、色とりどりの寄せ植えにしてもよし、様々な楽しみ方ができます。 キクは観賞するだけでなく、不老長寿の力を持つ薬草として重宝されてきました。9月9日の重陽の節句にはキクの花を愛で、花びらを浮かべた酒を飲み、花を包んだ布で体をふいて、無病息災や若返りを祈願したそうです。今でも重陽の節句には、キクの花を愛でる習慣が残っています。

キンミズヒキ

  • キンミズヒキは、夏から秋まで細い花茎に連なるように黄色の花を咲かせるバラ科の多年草。道端や野原、山林、林の中などいたるところで見かけ、山野草として分類されることもあります。 夏から秋にかけて赤や白の花が開花する名前が似ているミズヒキはタデ科、キンミズヒキはバラ科なので、分類は別の植物です。ミズヒキとは違い、ひとつひとつの花は小さいながらも目立ちます。 キンミズヒキの葉は、いちごやポテンティラの葉に似た形をしています。夏になると、株元からすっと花茎が立ち上がり、秋にかけて黄色い花が開花します。

オミナエシ

  • オミナエシは、秋の七草の1つとして古くから愛されてきたスイカズラ科の多年草です。日当たりの良い草地に群生し、小さな黄色の花が夏から秋にかけて開花、切り花としても利用されています。丈夫で一度植え付ければ放任で育ち、夏から秋にかけて花が咲き続けるので、広い庭などに使うと効果的な素材です。 オミナエシの名前は、「女」という意味の「オミナ」と、古語の 「圧(へし)」が変化した「エシ」が合わさってつけられたと言われています。女性の美しさが負けてしまうほど美しい花(女性を圧倒するほど美しい花)という意味が込められています。 また、オミナエシの黄色い小さな花が集まって咲いている様子が穀物の粟に似ていることから、「粟花」や「粟米花」とも呼ばれることもあります。昔は、男性は白い飯を食べ、女性は黄色い粟の飯を食べていたため、粟飯が女飯(オミナメシ)と呼ばれていたこともあり、黄色い粟飯(オミナメシ)の見た目にオミナエシの花が似ていることから、「オミナメシ」→「オミナエシ」と言われるようになったという説もあります。
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