エーデルワイス
- エーデルワイスは、キク科ウスユキソウ属の高山植物です。株全体が白い綿毛に覆われていて、真直ぐに伸びた茎の先に白い星のような花を咲かせます。フェルトのような白い花びらは実は総苞片で、花は中心の丸いつぶつぶとした部分です。中心の方が雄花、外側が雌花という作りをしています。 ヨーロッパのアルプスに自生している高山植物で、寒冷地を好み、暖地では夏越しが難しい植物です。日本にもハヤチネウスユキソウやミヤマウスユキソウなど、近縁種のウスユキソウの仲間が10種ほど自生しています。 現在は花の美しさが愛されていますが、その昔は薬草として重宝されていました。さらに高山に咲く清らかな花として、ロマン主義の間でも人気があったと言われています。薬草として、また愛や献身の象徴として人気が出た結果、乱獲されるようになり、急速にその数を減らしていきました。今では絶滅が危惧される植物として、アルプスでは摘み取り禁止になっています。自生している姿に出会えることは非常に難しく、一般旅行者が見ることができるのは、人為的に栽培されたものがほとんどです。それでも保護活動も行われ、少しずつ数を増やしているようです。 エーデルワイスという名前は、貴重な薬草だったころの名残から、貴重という意味の「edel」と、白という意味の「weiss」を合わて名付けられたことが由来です。また、学名の Leontopodium は、ギリシャ語でライオンという意味の leon と、足という意味の podion を合わせて名付けられました。