サルビアとセージの違いは?|種類や特徴、花について詳しく解説
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サルビアとセージの違いについて解説します。他にも種類や特徴、花の咲く季節と特徴など。これを読めば、サルビアとセージに詳しくなれます。
目次
サルビアとセージの違いとは
- 学名:Salvia
- 科名・属名:シソ科・アキギリ属(サルビア属)
サルビアとセージは同じ植物で、シソ科アキギリ属の総称です。サルビアとは、シソ科アキギリ属の学名 Salvia を日本語読みしたもの、セージとは、サルビアを意味する英名 Sage を日本語読みしたもの。つまり、サルビアとセージの違いは、学名か英名かという違いです。流通の際にサルビアだったり、セージだったりと違う名前が付けられているので混乱しますが、基本的には同じシソ科アキギリ属の仲間だという認識で問題ありません。
サルビアとセージは、花が美しく、また葉茎に芳香がある種類が多いのが特徴です。切り花からガーデニングまで、幅広く楽しめます。
ハーブのセージとは
ハーブのセージとは、コモンセージのこと。昔から、食用や薬用にされてきたセージです。コモンセージ以外の種類は、観賞だったり、香りを楽しんだりすることを目的とするものです。食べる前にコモンセージかどうかを確認するようにしてください。
サルビアの種類や特徴
サルビアと呼ばれ、流通している種類を紹介します。
サルビア・アズレア
- 学名:Salvia azurea
- 開花時期:8月下旬~11月
サルビア・アズレアは、ブルーの花が印象的な多年草。晩夏から晩秋まで、長く花を楽しめます。種小名の azurea は淡青色という意味のラテン語で、明るい青の花色にちなんでいます。
サルビア・ヌタンス
- 学名:Salvia nutans
- 開花時期:5月~10月
サルビア・ヌタンスは、下に垂れ下がるように花を咲かせる多年草。種小名の nutans は、曲がったやうなだれたという意味のラテン語で、この花の咲き方にちなんでいます。
サルビア・ネモローサ
- 学名:Salvia nemorosa
- 開花時期:5月~7月
サルビア・ネモローサは、初夏に濃い紫やピンク、白などの花を咲かせる多年草。真直ぐに伸びた茎に小花をいっぱいに咲かせる姿は、涼やかで美しく、花壇のアクセントになります。
サルビア・パテンス
- 学名:Salvia patens
- 開花時期:6月~10月
サルビア・パテンスは、初夏から秋にブルーや白、ピンクなどの花を咲かせる多年草。オウムのくちばしのような独特のフォルムの大きな花が印象的です。
サルビア・ライムライト
- 学名:Salvia mexicana ‘Limelight’
- 開花時期:9月~11月
サルビア・ライムライトは、メキシカーナという品種の中でも特にガクが明るい黄緑色をしたもののこと。花色は鮮やかな青紫で、ガクと花の色のコントラストが美しい品種です。
ブルーサルビア
- 学名:Salvia farinacea
- 開花時期:5月~11月
ブルーサルビアは、夏から秋にかけて青い花を咲かせる多年草。本来は多年草ですが、耐寒性が弱く、日本では一年草として扱われています。夏の暑さと日差しに強いので、公園や花壇などに広く利用されています。
セージの種類や特徴
セージと呼ばれて流通している種類を紹介します。
アメジストセージ(サルビア・レウカンサ)
- 学名:Salvia leucantha
- 開花時期:9月~11月
アメジストセージは、サルビア・レウカンサという学名でも流通している多年草。秋に、赤みを帯びた紫色の花をたくさん咲かせます。特に、ベルベットのような質感のがくの部分と、シルバーリーフの組み合わせが美しい種類です。
クレベラントセージ
- 学名:Salvia clevelandii
- 開花時期:5月~10月
クレベラントセージは、輪のように花を放射状に咲かせる低木。淡い紫色の花と、突き出すようなしべ類が個性的です。
コバルトセージ
学名:Salvia reptans
開花時期:8月~10月
コバルトセージは、鮮やかな青色の花が印象的な多年草。夏から秋まで花を咲かせます。
コモンセージ
- 学名:Salvia officinalis
- 開花時期:5月~7月
コモンセージは、ハーブやスパイスとして食用にされる多年草。セージという名前で流通している種類の多くは、観賞用のものがほとんどですが、コモンセージの葉は、料理の香り付けや臭み消しに使用できます。
チェリーセージ
- 学名:Salvia microphylla, Salvia jamensis, Salvia greggii
- 開花時期:5月~11月
チェリーセージは、サルビア・ミクロフィラとサルビア・グレッギー、この2つの交雑種サルビア・ヤメンシスの総称です。花色は赤、白、黄色、アプリコット、複色とバリエーション豊富です。
ディスカラーセージ(サルビア・ディスカラー)
- 学名:Salvia discolor
- 開花時期:6月~10月
ディスカラーセージは、ディスコロールセージとも呼ばれる多年草。ちょっと珍しい黒い花とシルバーリーフの組み合わせが個性的で目を引く種類です。
ペインテッドセージ(サルビア・ホルミナム)
- 学名:Salvia viridis
- 開花時期:4月~7月
ペインテッドセージは、サルビア・ホルミナムという名前でも流通している一年草。茎の一番上にあるのは花でなく葉で、その下に小さな花を咲かせます。
ボッグセージ(サルビア・ウルギノーサ)
- 学名:Salvia uliginosa
- 開花時期:5月~10月
ボッグセージは、初夏から秋に多年草。爽やかなブルーの花を咲かせる多年草。ボッグセージという名前のボッグ(Bog)は、湿地を意味しています。サルビアセージの仲間は乾燥した環境を好むものが多い中、湿原を好んで自生する珍しい種類です。
ホワイトセージ
- 学名:Salvia apiana
- 開花時期:5月~6月
ホワイトセージは、浄化のハーブとして有名な多年草。香りの良い葉を燻して使用します。
メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)
- 学名:Salvia guaranitica
- 開花時期:6月~10月
メドーセージは、初夏から秋まで濃い紫色の花を咲かせる多年草。花が大きく、ガクが黒いのが特徴です。草丈1m以上になるので、お庭の中で存在感を放ちます。
ローズリーフセージ
- 学名:Salvia involucrata
- 開花時期:7月~11月
ローズリーフセージは、サルビア・インボルクラータという学名で呼ばれることもある多年草。濃いピンクの花が印象的な種類です。
セージと名前に付くけれどセージではない種類
エルサレムセージ
- 学名:Phlomis fruticosa
- 開花時期:5月~8月
エルサレムセージは、シソ科フロミス属の常緑低木。名前にセージと付きますが、セージではありません。初夏から夏に咲く、黄色い花が印象的です。
ロシアンセージ
- 学名:Perovskia atriplicifolia
- 開花時期:7月~10月
ロシアンセージは、セージによく似た草姿の多年草。名前にセージと付きますが、セージではありません。
サルビアとセージの花の咲く季節と特徴
サルビアとセージの花の咲く季節
サルビアもセージも、種類によって花が咲く時期が違います。その中でも、多くの種類の花を楽しめるのは、初夏と秋。5月~6月と9月~10月は、たくさんのサルビアとセージの花が咲く季節です。公園やお庭で風にそよぐ美しい花を観賞しましょう。
サルビアとセージの花の特徴
サルビアとセージの花の最大の特徴は、シソ科特有の唇形花というフォルムをしていること。筒のように突き出た花は上下に分かれていて、奥にしべ類が存在します。蜜を求めてやってきた昆虫たちが、下の花びらに乗ると重みで花が開き、体に花粉が付着します。そして次の花へ移動することで授粉されるという仕組みです。できるだけ確実に授粉に繋げようとする植物の賢さには、いつも感心させられます。
花が美しく、風に揺れるような草姿が魅力のサルビアとセージ。お庭で育てて、眺めて、楽しんでみませんか。
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