ハーブのセージとは。花言葉、浄化、使い方、料理、種類、育て方
山田智美
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ハーブとして使われる本来のセージとはどんな植物かご存知ですか?他にも、たくさんある種類、花言葉、浄化や料理などの使い方、育て方、色、花について。セージについて詳しく紹介します。
目次
セージとは?基本情報
セージの特徴
セージは、地中海沿岸原産のシソ科の多年草、あるいは常緑低木。優しいグリーンの葉と初夏に咲く薄紫のような水色のような色の花が魅力です。
セージは、全草に爽やかな香りがあるのが特徴のハーブです。ソーセージの語源だと言われているように、肉料理の臭み消しや香りづけ、お茶、精油などに使用されています。特にブーケガルニには欠かせないハーブです。もちろん肉料理以外の料理にも使用されます。
セージには多くの種類がありますが、ハーブやスパイスとして使用されるセージは、このSalvia officinalisです。
セージは昔から薬効があると信じられてきました。中世のヨーロッパでは、料理や治療に用いられるほか、魔除けのハーブとして神聖視されていたそうです。
セージの学名であるSalviaは、「救う」という意味のラテン語のsalvereが語源だとされています。
セージの香り
セージの香りは主に葉にあります。ハーブとして利用するのも葉の部分。セージの香りは花の香りではないので、甘い芳香を期待していると肩透かしをくらってしまうかもしれません。
ハーブとして流通しているセージの香りは、草や葉特有の爽やかさで、新緑の森に入ったときの草いきれの香りを彷彿させます。
セージの花言葉
セージの花言葉を紹介します。
- 不老不死
- 長寿
- 健康
- 悲しみを和らげる
- 知恵
古代より薬効があると信じられてきたセージらしい花言葉です。
セージは浄化のハーブ?
昔からセージは浄化のハーブだと言われています。オーラを浄化したり、不純物を取り除く力があるとされてきました。
セージは放っておいても枯れずに生長を続けるので、不死の植物とされていたそうです。
古代ローマ人は、セージには不老不死や長寿をもたらす力があると信じていたといいます。中世のヨーロッパでは、魔術から身を守るためや、魔除けとして用いられてきました。疫病を退治する魔法の薬の主成分だったとも言われています。
ネイティブアメリカンは、ホワイトセージの葉をいぶして浄化に使用したと言われています。現在でもセージは、空気やパワーストーンの浄化などに用いられています。
ハーブのセージの使い方
セージは爽やかな芳香と、ほんのり苦味のあるハーブ。フレッシュでもドライでも使用できます。
セージの使い方|料理
セージは肉料理を始め、様々な料理に使用できます。
肉料理のスパイス
豚肉やレバーなど、肉類特有の臭み消しとして使用します。塩と一緒に全体にまぶして焼くだけで香り良く仕上がります。他にもシチューなどの煮込み料理に加えても味に奥行きを出せます。
料理に使う際は、乾燥させた葉を粉末状にしたものが使いやすいのでおすすめです。
ブーケガルニ
ブーケガルニとは、料理の臭み消しや香りづけに使う、数種類の香味野菜やハーブを束ねたもの。ハーブの種類に決まりはありません。パセリやタイム、セージ、セロリなど。各家庭や作る料理によって違います。
セージの葉は、他のハーブと一緒にブーケガルニにすることができます。生のセージをタコ糸などで縛って、煮込み料理の鍋に入れます。香りが出たら引き上げるようにしましょう。
ハーブバター
セージの葉を細かく刻んでバターに混ぜて使用します。セージが香るバターは、そのままパンに塗ったり、シンプルなスープに浮かべてコクを出したりして使用できます。
作り方は、常温で柔らかくしておいたバターに、細かく刻んだセージの葉を混ぜて、ラップで包んで固るだけ。とっても簡単ですぐに楽しめるレシピです。
ミネストローネ
セージが活躍するのは肉料理だけではありません。野菜だけで作るシンプルなミネストローネにもセージは欠かせません。ニンニクと一緒にセージの葉を1~2枚入れるだけで、味と香りに奥行きが出ます。
セージの使い方|ハーブティー
セージはハーブティーとしても楽しめます。
ドライセージで作るなら、ティーカップ1杯に対してセージの葉をティースプーン1杯強。お湯を注いて2~3分蒸らしてからいただきます。
これにラベンダーを混ぜると香りが甘くなります。セージのみの青臭さに抵抗があるような気分の時におすすめです。
セージの使い方|浄化
ネイティブアメリカンが使用していたと言われる、ホワイトセージを使用したスマッジスティックは現代でも人気があります。
▼スマッジスティックとは?詳しくはこちら
セージの色は?セージグリーンとは?
セージの葉の色は、青みがかったグリーンをしています。さらに葉全体に軟毛があるため、少しくすんでいるように見えます。黄みが弱く、青みがかったグレイッシュなグリーンといった色です。
このセージの葉の色のようなグリーンを指して、セージグリーンと呼びます。ただし、セージグリーンと言っても環境等により色の見え方に差があるので、自分の目で確認するのが一番です。
こんなにある!セージの種類
セージと呼ばれる植物にはたくさんの種類があります。広義でのセージとは、シソ科アキギリ属に分類される植物のこと。サルビアという名前でも流通しています。
ここではポピュラーなセージの仲間を紹介します。
ホワイトセージ(サルビア・アピアナ)
- 学名:Salvia apiana
ホワイトセージは高さ1.5mほどになる常緑の低木。茎や葉など全体が白っぽく見えることからホワイトセージと呼ばれています。
ネイティブアメリカンが浄化のハーブとして利用していたということで有名です。
アメジストセージ(サルビア・レウカンサ)
- 学名:Salvia leucantha
アメジストセージは、赤紫色の花を咲かせる多年草。メキシカンブッシュセージと呼ばれることもあります。
花が咲く前のつぼみはベルベットのような質感で、葉は軟毛のあるグレイッシュなグリーン。葉と花の色合いが美しいセージです。晩夏から秋まで開花します。
メドーセージ(サルビア・ガラニチカ)
- 学名:Salvia guaranitica
メドーセージは、青紫色の花を咲かせる多年草。花のサイズは3~4cm程度と大きく、夏の盛りから秋まで開花します。夏のお庭の強い味方です。
チェリーセージ(サルビア・ミクロフィラ、サルビア・グレッギー)
- 学名:Salvia microphylla,Salvia gregii
チェリーセージは、赤や白、ピンク、複色の花を咲かせる多年草。サルビア・ミクロフィラとサルビア・グレッギーがチェリーセージという名で流通しています。初夏から秋まで花を咲かせる花期の長い植物です。
クレベラントセージ
- 学名:Salvia clevelandii
クレベラントセージは、淡い紫色の花を咲かせる常緑低木です。花のフォルムは他のセージと違い茎に対して輪になるように花を付け、さらに段状に連なります。初夏から秋まで花を咲かせる観賞用のセージです。
セージの花の魅力
セージの花の特徴
セージの花の特徴は、シソ科特有の唇形花(しんけいか)であるということ。花一つ一つのフォルムは筒状で、先端は上唇と下唇のように突き出しています。これは、花粉の運び屋である虫たちに効率よく花粉を運んでもらうための構造であると言われています。
虫にとって効率が良いのかどうかはわかりませんが、セージの花の独特のフォルムは見ていて飽きない美しさです。
セージの花咲く季節
セージ(Salvia officinalis)の花咲く季節は5月~6月。初夏に紫がかった淡いブルーの花を咲かせます。くすんだグリーンの葉と淡いブルーの葉の組み合わせが美しい植物です。
セージの育て方
置き場所・用土
日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。セージは酸性土壌を嫌うので、あらかじめ苦土石灰をすき込んでおくのもよいでしょう。
鉢植えのセージは市販のハーブ用培養土で問題なく育ちます。
水やり
セージは加湿が嫌いです。水やりは土が乾いて表土が白っぽくなったらたっぷりと与えるようにしてください。
肥料
セージは痩せ地でも育つ植物です。植え付け時に元肥を入れておけば、特に追肥の必要はありません。
剪定
セージは放っておくと80cm~1mほどまで生長します。花が終わったら、適宜剪定を行います。この時、風通し良く管理することも含めて、奥の方の枝葉をすくようにしてください。
病害虫と対処法
乾燥するとハダニが発生します。夏季の乾燥が続くようなときは、葉裏まで葉水を行うとよいでしょう。
高温多湿もウイルスが発生する原因となります。風通し良く管理するように心がけてください。
セージは香りが良く、花も美しいハーブ。料理の他、ハーブティー、浄化にも使用できます。フレッシュでもドライにしても使用できる優秀なハーブです。手間もかからず育てやすいセージの魅力を見直してみませんか。
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