自然からの贈り物。秋の実がかわいい花木と草花22選
金子三保子
このライターの記事一覧
秋は季節ならではの花や風景が楽しめてお散歩にもうってつけの季節。今回は秋にかわいい実をつける花(花木と草花)をご紹介します。冬の入り口に実りの時を迎える秋の実は、植物によって様々な形や彩を見せてくれます。紅葉と実ものを探しに散歩に出かけてみませんか?
目次
秋に実がなる木や草花|赤、オレンジ、ピンク
ローズヒップ(バラの実)
ローズヒップ
ローズヒップは、初夏に開花した野生種のバラを剪定せずにそのままにしておくと実がなるバラの実のこと。花以外にローズヒップを楽しめるのも秋バラの魅力のひとつです。
種類によって、実の形や色が違います。
ピラカンサ
ピラカンサは、バラ科の常緑の低木。初夏に白い花が咲いた後、秋に枝一面にびっしりと実がつきます。様々な実がなる木の中で、実つきの量としては一番多い木のひとつではないでしょうか。昔から生垣にもよく使われている常緑樹です。
ハナミズキ
初夏の花と言えばハナミズキをあげる方も多いのでは?ハナミズキは初夏だけでなく、紅葉や実も素敵な花木です。他の花木よりもいち早く紅葉が始まります。
ツルウメモドキ
秋の花屋さんでもよく見かけるツルウメモドキは、ニシキギ科の落葉低木。日本全国の山野に自生し、つる性なので近くの木々に絡みつきながら生長します。黄色い実がはじけて赤~オレンジ色の果実の美しい実が枝一面について、秋の美しい彩になります。
ガマズミ
コバノガマズミ
ガマズミにはたくさんの種類があり、花屋さんでも実もの花材として流通しています。光沢のあるたわわにつく赤い実は、ずっと眺めていたくなる美しさです。品種によってはネイビーの実をつけるものもあります。
▼ガマズミについて詳しくご紹介しています。
オキナワスズメウリ
オキナワスズメウリは、ウリ科の一年草のつる植物。名前に「オキナワ」とついているように、暑さにはとても強く、太陽が大好きな植物です。生長力がとても強く、発芽後、つるがぐんぐんと伸びた後の夏に花が咲き、秋にかわいい実ができます。実の色は最初は緑から次第に赤く色づきます。
最近では花屋さんでも実もの花材として流通しています。
▼とても強いので夏場のグリーンカーテン素材としてもおすすめの一年草です。
カラスウリ
カラスウリは、秋にオレンジ色で卵型の果実を実らせるウリ科の多年生つる植物です。夏に白い花が開花し、その後、実となります。実の色は、最初はグリーンに白の縦じまが入っています。秋が深まるにつれ、模様はなくなり濃いオレンジ色へと変化していきます。通常山野や藪を好みますが、街中でも見かけます。生育旺盛で、夏の生育期にはフェンスや樹木に絡みつき繁茂します。非常に強健で、地面に着いた枝からも発根し増えていきます。
▼カラスウリについて詳しくご紹介しています。
南天(ナンテン)
お正月の花材として有名なナンテン。ナンテンを「難を転ずる」という言葉にかけて、昔から縁起物の庭木として使われてきました。夏に花が咲いた後、秋に実になり、晩秋から年末にかけて実が真っ赤に染まっていきます。
マユミ
ニシキギ科の落葉低木のマユミ。日本全国、あちこちで植栽されている紅葉と実の美しい花木です。秋になるとピンク色の実が、木にぶら下がるようにたくさんなります。このピンクの実は、しばらくすると4つに割れて、中から朱赤の種が顔をのぞかせるのです。たくさんのピンク~赤の実が木にぶら下がる姿は、とても華やかな光景です。
ツリバナ
マユミと似た実を実らせるツリバナは、ニシキギ科の落葉低木。マユミは4つに割れて朱赤の種が顔をのぞかせるのに対して、ツリバナは5つに割れるので両者を見分けることができます。
姫リンゴ(クラブアップル)
絵本作家でもあり、園芸家でもあった、あの有名なターシャ・テューダーのお庭にも植えられていたクラブアップル。食用というよりは、園芸種の小さなリンゴです。初夏に花が咲いた後、秋に小さなかわいい実が木に、たわわにつく様はとてもかわいらしくて素敵な光景です。
クラブアップルは1本でも受粉しないことはありませんが、開花の時期が近い異品種のものを近くに植えた方が確実に結実します。最近は品種がたくさんあり、中には生食できるものもありますが、どちらかというとジャムなどの加工用のリンゴです。
ハイビスカス・ローゼル
ハイビスカス・ローゼルの実は、ハイビスカスティーの原料です。11月頃に赤い実が実り、お茶、サラダ、ジャムなどに利用されます。実つきの花材として切り花としても流通しています。
秋に実がなる木や草花|紫
ノブドウ
ブドウ科のつる性の落葉低木のノブドウ。夏に花が開花した後、秋に水色~青~紫色の実をつけます。その実の色合いはちょっとミステリアスな雰囲気。最近は花屋さんでも流通しています。園芸の鉢としては写真のようなグリーンの葉や、斑入り種などもあります。もともとは公園や空き地でも見かける、とても強い野草的な植物です。
紫式部(ムラサキシキブ)
日本を中心にアジア圏でよく見かける植物で、5月~7月頃に花を咲かせ、9月~10月の秋になるとたくさんの紫色の実をつけます。花よりも実の方が目立つ植物です。
ヨウシュヤマゴボウ
ヤマゴボウは、夏から秋にかけて生長し、2m近くの丈になる多年草。とても強い野草で、空き地などでもこのヨウシュヤマゴボウが生長している姿をよく見かけます。晩夏から初秋にかわいい花が咲いた後に、ブドウのような黒に近い紫色の実がなります。
子どもの頃、この実で色水を作って遊んだ記憶はありませんか?ヨウシュヤマゴボウの実を水の中に入れておくと、鮮やかなピンク色になります。ただし、ヨウシュヤマゴボウは有毒なので口には入れないようご注意ください。
秋に実がなる木や草花|緑、茶
ヘクソカズラ
日本全国いたるところで見かけることのできる野草(雑草)のひとつのヘクソカズラ。アカネ科のつる性多年草で、夏に花が開花した後、秋に茶系のつやつやした小さな実をつけます。
ヘクソという名前は、生の実がなんとも言えない臭いですが、とても小さくてかわいらしい実がリースの花材として花屋さんでも流通しています。リースの作り方は簡単です。長いつるをくるんと好みのサイズに丸めてひもで結んで出来上がり。しばらく乾燥しておくと簡単にリースになります。ヘクソカズラの臭いは、摘んで間もない生の時期でだけで乾燥すると消えます。
センダン
センダンはセンダン科の落葉高木。高木の中でもとても大きくなる木のため、個人宅の庭木というよりは、広い通りの街路樹や公園樹として植栽されています。初夏の5月~6月に紫~白の美しい花が開花し、花の後には実がなり、実つきの枝もの花材として流通しています。
▼美しいセンダンの花をご紹介しています。
秋に実がなる木や草花|ネイビー~黒
ギンバイカ(マートル)
春に花びらが5枚の梅に似た花を咲かせるため、和名だと銀梅花(ギンバイカ)、ハーブ名だとマートルと呼ばれる常緑低木。10月~11月に黒いオリーブに似たネイビーの果実を付けます。
ナンキンハゼ
初夏の青葉も美しいナンキンハゼですが、紅葉と実もとても美しく、秋の入り口は緑色の実が徐々に黒く色づきます。
実が黒っぽくなってからしばらくすると、突然はぜて、中から白い種が顔をのぞかせます。黒い皮が取れた後も種は落ちることなく、紅葉の季節にぶら下がったまま。美しく色づいた赤~オレンジの紅葉と白い実がとても目立ちます。
葉が落葉してからも白い種はそのまましばらく落ちないので、青空の中、裸の木に白い種がぶら下がっている様子も素敵な光景です。最近では白い種がついた状態で枝もの花材としても流通しています。
オリーブ
シンボルツリーとして人気のオリーブは、モクセイ科の常緑の高木です。初夏に白や黄白色の花が開花し、10月~11月の秋に実が完熟して黒褐色になり、果実はオイルやピクルスなどに利用されます。オリーブは違った品種を2本以上植えた方が実がつく確率がだんぜんアップする植物です。
▼オリーブの樹形づくりや剪定について詳しくご紹介しています。
秋に実がなる果樹
カリン
カリンは秋が旬の果物。古くから喉にいいと言われのど飴や果実酒などにも利用されています。固くて渋みもあるので、生食は不向きな果物です。
▼カリンが手に入ったらシロップを作ってみませんか?
ザクロ
加工品の状態で見かけることが多いザクロは10月~11月の秋が収穫時期。
ごつごつした見た目の果実を割ると、中から宝石のようなキラキラした赤い実が出てきます。そのまま生でサラダに彩として入れたり、ジュースやシロップとして利用できます。
▼ザクロについて詳しくご紹介しています。
空気が冷たくなってくる晩秋。季節の彩、秋の実を見つけに植物散歩をしてみませんか?
▼秋の記事のおすすめ
関連ワード
今月のおすすめコンテンツ
「自然からの贈り物。秋の実がかわいい花木と草花22選」の記事をみんなにも教えてあげよう♪