庭木にしたいドウダンツツジ|花や紅葉の時期、種類を紹介
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ドウダンツツジについて、花咲く時期や紅葉の時期、種類、生け方などを紹介します。ドウダンツツジは、花も紅葉も美しい、おすすめの庭木です。
目次
ドウダンツツジとは?基本情報
- 学名:Enkianthus perulatus
- 科名:ツツジ科
- 属名:ドウダンツツジ属
- 分類:落葉低木
ドウダンツツジの特徴
ドウダンツツジは、俯くように咲く小さな白い花と、明るいグリーンの葉が魅力の落葉低木です。枝を層状に平たく重ねるような樹形が美しく、庭木の他に切り花としても人気があります。
ドウダンツツジの花は、7~8mm程度と小さく、スズランのように膨みを持ったつぼ型です。枝の先に数個、あるいは房状に花を咲かせます。
刈り込みに堪え、樹形を整えやすいことから、生垣や庭木としても好まれます。ドウダンツツジは紅葉した葉も美しく人気があります。
ドウダンツツジの名前の由来。満天星とは?
ドウダンツツジは漢字にすると「灯台躑躅」。そドウダンツツジの枝の分かれ方が、の昔宮中で使用されていた結び灯台に似ているというのが由来です。
また「満点星」は、ドウダンツツジの花の咲く様子が満点の星空のようで美しいということから、この字が当てられるようになったそうです。
ドウダンツツジの花咲く時期
ドウダンツツジの花咲く時期は、4月~5月です。葉の展開と同時か、または葉よりも先に花が咲きます。枝の先に房のように小さな白い花をまとまって咲かせるので、遠くから見ると株全体に白い雪が散りばめられたようになり、とても見事です。桜が終わった頃、生垣や街路樹でスズランのような白い花をたわわに咲かせている樹木があったら、それはドウダンツツジかもしれません。
ドウダンツツジの紅葉の時期
その年の気候にもよりますが、ドウダンツツジの紅葉の時期は、10月の終わりから11月にかけてです。秋が深まるにつれ、モミジのような真赤に色づきます。やがて赤く色付いた葉は落葉し、株元の地面に赤い絨毯を作り上げます。紅葉している葉も、色づいた枯葉も美しいという魅力があります。
日当たりが悪いときれいに色付かないので、紅葉を楽しみたければ、日当たりの良い場所で管理しましょう。
こんなにある!ドウダンツツジの種類
ドウダンツツジ
- 学名:Enkianthus perulatus
ドウダンツツジは、一般的に広く知られている白花が咲く種類。花のサイズは7~8mm、中心に近い部分がぷっくりと膨らんだつぼ型の花が特徴です。
サラサドウダン
- 学名:Enkianthus campanulatus
サラサドウダンの花は釣り鐘型で、ドウダンツツジのようにつぼ型に膨らんでいません。花のサイズも8~12mmとドウダンツツジよりも大きな花を咲かせます。花の先に向かって薄っすら赤く筋が入っています。
ベニサラサドウダン
- 学名:Enkianthus var. rubicundus
ベニサラサドウダンは、サラサドウダンの赤花種。花のサイズは5~6mmと小さく、深紅のような花色が美しい品種です。
カイナンサラサドウダン
- 学名:Enkianthus sikokinus
カイナンサラサドウダンは、サラサドウダンによく似た釣り鐘型の花を咲かせますが、花のサイズが5~6mmとサラサドウダンよりも小さいのが特徴です。
ベニドウダン
- 学名:Enkianthus cernuus f. rubens
ベニドウダンの花は釣り鐘型で、朱を帯びたような赤い花を咲かせます。
シロドウダン
- 学名:Enkianthus cernuus f. ceruus
シロドウダンはベニドウダンの白花種です。四国や九州の山野に自生しています。
ドウダンツツジの枝を花瓶に生けてインテリアに
明るいグリーンの葉と、横に広がった枝ぶりが美しいドウダンツツジの枝を、花瓶に生けて飾ってみませんか。和洋問わずインテリアによく馴染み、部屋に瑞々しい生命力を吹き込んでくれます。
ドウダンツツジの水上げのコツ
ドウダンツツジを美しく生けるには、長い枝先まで水を吸い上げさせることが大切です。吸水力をアップさせるコツは、枝の切り口にハサミを縦に当てて、芯の部分を割るように切ります。この時芯の中心部分にきちんとハサミが当たっていると、気持ちがよいくらいにパカッと枝が割れます。芯の部分を割ることで、吸水面積が増え、枝の内側からも水を吸い上げるようになります。
さらに、枝の表面の樹皮を5~10cm剥きます。この作業を行うことで、枝の表面と内側の両方から水を吸い上げることができるようになり、さらなる吸水力アップに繋がります。
ドウダンツツジを花瓶に生ける方法
枝の長いドウダンツツジを上手に花瓶に生けるコツは、バランスに注意すること。枝と花瓶のバランスが悪いと貧弱に見えてしまいます。花瓶の高さに対して1.5倍くらいのドウダンツツジの枝を選ぶと、バランスよく収まります。
ドウダンツツジの育て方
ドウダンツツジは管理も楽で育てやすい庭木です。ドウダンツツジの育て方を紹介します。
場所、用土
ドウダンツツジは日当たりと水はけの良い土壌を好みます。日当たりが良い場所ほど花付きも紅葉の色も美しくなります。
また、ドウダンツツジは酸性土壌を好みます。市販の培養土を使用するならブルーベリー用の培養土やツツジ用の培養土などを使用すると良いでしょう。
水やり
根付いてからは、基本的には降雨に任せます。ただし、ドウダンツツジは乾燥が著しいと葉の先がチリチリと丸まってしまいます。こうなってしまうといくら水やりをしても元には戻りません。乾燥が続くよう時は、様子をみて水やりしましょう。
鉢植えのドウダンツツジは、表土が乾いて白っぽくなってきたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりしましょう。
剪定時期とコツ
ドウダンツツジの剪定時期は、5月後半~6月。花が終わったらできるだけ早めに行います。翌春の花芽は夏の間にできるので、花を楽しむのであれば、遅くても夏前までに剪定を済ませるのがコツです。
また、落葉期に、樹形を整えるための剪定を行います。暴れている枝や混みあった枝を整理して、翌年の健やかな生長に備えましょう。
花を楽しむつもりがなければ、一年中どの時期に剪定しても問題ありません。
病害虫と対処法
特に目立った病害虫の被害はありません。夏に乾燥が続くと、ハダニの被害にあうことがあります。水やりの際に、葉にも水をかけるようにしましょう。
挿し木の方法
ドウダンツツジは挿し木で増やすことができます。花後、剪定の際にしっかりとした枝を取っておいて、2~3節残してカットします。下2節くらいの葉を落とし、水に浸けて吸水させます。吸水させた枝を挿し木用の土に下2節が埋まるように挿し、水を切らさないようにこまめに水やりします。新芽が出てきたら発根に成功した証です。
鉢植えでも育てられる
ドウダンツツジは、鉢植えでも問題なく育てられます。剪定次第で樹形も好みの形に整えられるので、ベランダやスモールスペースでも問題なく育てられます。ベランダガーデニングのシンボルツリーとしてもおすすめです。
ドウダンツツジは、春には新緑と花、夏には青葉、秋には紅葉と、真冬の落葉期を除いてほぼ一年中楽しめる庭木。大きくならず、病害虫の被害も少ないので、手間がかからず育てやすいのが特徴です。さらに切り花として生けても様になると、良いところばかりのドウダンツツジをお庭にお迎えしてみませんか。
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