ドウダンツツジ|花や紅葉の時期、種類を紹介
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ドウダンツツジの花や紅葉の時期、種類、剪定の時期とコツ、種類を紹介します。
目次
ドウダンツツジの特徴や名前の由来
- 学名:Enkianthus perulatus
- 科名:ツツジ科
- 属名:ドウダンツツジ属
- 分類:落葉低木
ドウダンツツジの特徴
ドウダンツツジは、俯くように咲く小さな白い花と、明るいグリーンの葉が魅力の落葉低木。強い刈り込みに堪え、樹形を整えやすいことから、生垣や庭木として好まれます。枝を平たく重ねるように展開する樹形が美しく、切り花としても人気があります。
ドウダンツツジは、放っておくと樹高5mほどまで大きくなります。よ分枝して枝を横に広げていく樹形なので、野趣ある風情があり、和風の庭、洋風の庭、どちらにもよく馴染みます。
秋には葉を真赤に紅葉させる様子が美しく、春の花、新芽、夏のグリーンの葉、秋の紅葉と、四季を通して楽しめる庭木です。
ドウダンツツジの名前の由来。満天星とは?
ドウダンツツジは漢字にすると「灯台躑躅」。ドウダンツツジの枝の分かれ方が、その昔宮中で使用されていた結び灯台に似ているというのが由来です。
また「満点星」は、ドウダンツツジの花の咲く様子が満点の星空のようで美しいということから、この字が当てられるようになったそうです。
ドウダンツツジの花の時期と特徴
花の時期
ドウダンツツジの花の時期は、4月~5月。葉の展開と同時か、または葉よりも先に花が咲きます。枝の先に房のように小さな白い花をまとまって咲かせるので、遠くから見ると株全体に白い雪が散りばめられたようになり、とても見事です。桜が終わった頃、生垣や街路樹で、白い花をたわわに咲かせている木があったら、それはドウダンツツジかもしれません。
花の特徴
ドウダンツツジの花は、直径1cm程度、色は白で、スズランを思わせるような壺型です。枝の先に数個をまとまって咲きます。細かく分枝した小枝の先まで花が咲くので、満開の時期は、木全体が花で覆われたようになります。
ドウダンツツジの紅葉の時期
その年の気候にもよりますが、ドウダンツツジの紅葉の時期は、10月の終わりから11月にかけてです。秋が深まるにつれ、モミジのような真赤に色づきます。やがて赤く色付いた葉は落葉し、株元の地面に赤い絨毯を作り上げます。紅葉している葉も、色づいた枯葉も美しいという魅力があります。日当たりが悪いときれいに色付かないので、紅葉を楽しみたければ、日当たりの良い場所で管理しましょう。
ドウダンツツジの紅葉した枝は、切って花瓶に生けようとしても、あっという間に水が落ちてチリチリと丸まってしまいます。美しい紅葉を楽しめるのは、庭で育てている人だけの特権のようです。
こんなにある!ドウダンツツジの種類
ドウダンツツジ
- 学名:Enkianthus perulatus
ドウダンツツジは、一般的に広く知られている白花が咲く種類。花のサイズは7~8mm、中心に近い部分がぷっくりと膨らんだつぼ型の花が特徴です。
サラサドウダン
- 学名:Enkianthus campanulatus
サラサドウダンの花は釣り鐘型で、ドウダンツツジのようにつぼ型に膨らんでいません。花のサイズも8~12mmとドウダンツツジよりも大きな花を咲かせます。花の先に向かって薄っすら赤く筋が入っています。
ベニサラサドウダン
- 学名:Enkianthus var. rubicundus
ベニサラサドウダンは、サラサドウダンの赤花種。花のサイズは5~6mmと小さく、深紅のような花色が美しい品種です。
カイナンサラサドウダン
- 学名:Enkianthus sikokinus
カイナンサラサドウダンは、サラサドウダンによく似た釣り鐘型の花を咲かせますが、花のサイズが5~6mmとサラサドウダンよりも小さいのが特徴です。
ベニドウダン
- 学名:Enkianthus cernuus f. rubens
ベニドウダンの花は釣り鐘型で、朱を帯びたような赤い花を咲かせます。
シロドウダン
- 学名:Enkianthus cernuus f. ceruus
シロドウダンはベニドウダンの白花種です。四国や九州の山野に自生しています。
ドウダンツツジの育て方
場所、用土
日当たりと水はけの良い酸性土壌を好みます。日当たりが良い場所ほど花付きも紅葉の色も美しくなります。市販の培養土を使用するならブルーベリー用の培養土やツツジ用の培養土などを使用すると良いでしょう。
水やり
根付いてからは、基本的には降雨に任せます。ただし、乾燥が著しいと葉の先がチリチリと丸まってしまいます。こうなってしまうといくら水やりをしても元には戻りません。乾燥が続くよう時は、様子をみて水やりしましょう。
鉢植えのドウダンツツジは、表土が乾いて白っぽくなってきたら鉢底から流れ出るくらいたっぷりと水やりしましょう。
剪定時期とコツ
ドウダンツツジの剪定時期は、5月後半~6月。花が終わったらできるだけ早めに行いましょう。翌春の花芽は夏の間にできるので、花を楽しむのであれば、遅くても夏前までに剪定を済ませるのがコツです。生垣のように強く刈り込むのであれば、夏前に済ませると、翌春に花で覆われたような美しい姿を楽しむことができます。
落葉期に、樹形を整えるための剪定を行います。暴れている枝や混みあった枝、中の方の枯れて黒ずんでいる枝を整理して、翌年の健やかな生長に備えましょう。
花を楽しむつもりがなければ、一年中どの時期に剪定しても問題ありません。
病害虫と対処法
特に目立った病害虫の被害はありません。夏に乾燥が続くと、ハダニの被害にあうことがあります。水やりの際に、葉にも水をかけるようにしましょう。
挿し木の方法
挿し木で増やすことができます。花後、剪定の際にしっかりとした枝を取っておいて、2~3節残してカットします。下2節くらいの葉を落とし、水に浸けて吸水させます。吸水させた枝を挿し木用の土に下2節が埋まるように挿し、水を切らさないようにこまめに水やりします。新芽が出てきたら発根に成功した証です。
鉢植えでも育てられる
ドウダンツツジは、鉢植えでも問題なく育てられます。剪定次第で樹形も好みの形に整えられるので、ベランダやスモールスペースでも問題なく育てられます。ベランダガーデニングのシンボルツリーとしてもおすすめです。
ドウダンツツジは、春には新緑と花、夏には青葉、秋には紅葉と、真冬の落葉期を除いてほぼ一年中楽しめる庭木。特に秋の紅葉は、切り花では楽しめない魅力です。四季を感じさせてくれる美しい庭木を、お庭に迎えてみませんか。
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