庭木の剪定時期を解説|ウメやツツジ、紫陽花など、種類ごとに紹介
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庭木の適切な剪定時期を、ウメやツツジ、紫陽花、イロハモミジなどの種類ごとに紹介します。開花時期や花芽が形成される時期についても触れているため、剪定のタイミングと理由がよくわかります。
目次
庭木の剪定時期を種類ごとに紹介
ウメ

- 剪定時期:3月~4月、6月~7月
- 開花時期:12月~3月
一般的に落葉樹の剪定時期は落葉期ですが、ウメは花後の3月~4月と6月~7月が適期です。7月~8月に50cm以下の新梢に花芽をつけるため、伸び過ぎた枝や、花を咲かせて疲弊した枝を整理します。初夏に大きく伸びた枝が下の枝の生育の妨げになるようであれば、6月~7月に短く切るようにしましょう。
イロハモミジ

- 剪定時期:12月~2月
- 開花時期:4月~5月
イロハモミジは、落葉期の12月~2月に剪定を行います。樹形を整えるような大きな剪定は、必ずこの時期にしましょう。春以降に剪定すると、切り口から水が滴ってくることがあります。休眠期が終わって水を吸い上げ始めたサインであり、無理に剪定を続けると枯死してしまう恐れがあります。水が出てきたら剪定は行わないようにしましょう。
ヒメシャラ

- 剪定時期:11月~2月
- 開花時期:6月~7月
ヒメシャラの剪定時期は、11月~2月です。自然樹形で整うので、あまり剪定の必要はありませんが、枝が広がりすぎてしまった時は、不要な枝を切り詰めるようにしましょう。
ツツジ

- 剪定時期:4月~6月
- 開花時期:4月~5月
ツツジは、7月~8月に新しく伸びた枝の先に花芽を形成するため、花後の4月~6月が剪定適期です。萌芽力が強く刈り込みに耐える性質なため、この時期に樹形を整えるようにします。剪定時期が遅くなるほど花芽を切り落としてしまうことになり、翌春の花数に影響するため、注意が必要です。
ハナミズキ、ヤマボウシ

- 剪定時期:12月~2月
- 開花時期:ハナミズキ 4月~5月、ヤマボウシ 6月~7月
ハナミズキ、ヤマボウシの剪定は、落葉期の12月~2月に行います。どちらも自然樹形で整うため、大きな剪定は必要ありません。不要な枝を取り除いたり、樹形を整えるようにします。花芽が確認できる枝は、花後に剪定しましょう。
ドウダンツツジ

- 剪定時期:5月~6月、12月
- 開花時期:4月~5月
ドウダンツツジは、7月~8月に翌年の花芽を作るため、花後の5月~6月に剪定を行います。萌芽力が強く刈り込みに耐える性質ですが、あまり剪定時期が早いと徒長気味になるため、6月頃が理想的です。花芽ができた後に刈り込みをすると翌年の花数を減らすことになりますが、花が咲かずとも夏のグリーン、秋の紅葉と見どころの多い庭木です。
エゴノキ

- 剪定時期:12月~3月
- 開花時期:5月~6月
エゴノキの剪定は、落葉期の12月~3月に行います。花芽は7月~8月頃に形成されるので、花芽を切り落とさないようにしましょう。自然樹形が美しいため、あまり大きな剪定は必要ありません。伸びすぎた枝や混みあった枝を整理するようにしましょう。
紫陽花

- 剪定時期:6月~7月
- 開花時期:5月~6月
紫陽花の剪定は、花が終わったらすぐに行いましょう。紫陽花は7月には翌年の花芽を作り始めるため、翌年の花芽を切り落とさないように、高さを抑えるような強い剪定は7月の前半には済ませるようにしてください。剪定のタイミングを逃したら、その年は不要な枝を整理する程度にしておきます。樹高が高くなったからといって花が咲かなくなるようなことはないので安心してください。
アナベル

- 剪定時期:7月~3月
- 開花時期:6月~7月
アナベルは、翌年の春以降に花芽ができるので、剪定時期は比較的自由です。その年の花が終わってすぐに剪定してもよいし、枝に残った花がドライフラワーになっていく様子を楽しんで、年明けに剪定しても問題ありません。
クチナシ

- 剪定時期:6月~7月
- 開花時期:6月~7月
クチナシは、6月~7月に花を咲かせ、7月~8月には翌年の花芽の準備に入るため、花後すぐに剪定を行います。新しく伸びた枝に花を咲かせるので、今年花を咲かせた枝を間引くように剪定すると、翌年たくさんの花を楽しむことができます。自然樹形で整いますが、大きくなって樹形が乱れてきたと感じたら、この時期に強剪定を行って整えるようにしましょう。
ブッドレア

- 剪定時期:12月~3月、9月~10月
- 開花時期:7月~10月
ブッドレアの剪定は、主に落葉期の12月~3月に行い、9月~10月は花がらを整理する程度です。株元から数本の幹を出すブッシュ型の樹形ですが、枝数が増えると花が小さくなるため、勢いのある幹を数本残して地際から切るようにします。春に伸びる新しい枝に花芽を形成するため、不要な枝は取り除き、生長を促すようにしましょう。咲き終わった花がらは黒ずんで汚れたように見えるので、切り取るようにしてください。
キンモクセイ、ギンモクセイ

- 剪定時期:10月~11月、3月~4月
- 開花時期:9月~10月
キンモクセイとギンモクセイは、共に秋に香りの良い花を咲かせる常緑高木。どちらも花後の10月~11月か3月~4月が剪定時期です。8月頃から花芽を付け始めるので、夏を過ぎたら剪定を行わないようにしましょう。自然樹形では卵型になりますが、萌芽力が強く刈り込みに耐えるため、好きな樹形に整えることができます。
ツバキ

- 剪定時期:3月~4月、10月~11月
- 開花時期:11月~12月、2月~4月
ツバキの剪定は3月~4月、10月~11月に行います。ツバキは6月~7月頃に新しい枝の先に花芽を形成するので、たくさん花を楽しむなら花後早めに剪定を行うようにしましょう。その後10月~11月に不要な枝を取り除く整枝を行います。
サザンカ

- 剪定時期:3月~4月
- 開花時期:10月~4月
サザンカは、6月頃にその年伸びた新しい枝に花芽を形成するため、花後の3月~4月に剪定を行います。樹形を整える他、刈り込みなどの強剪定、日が当たらなくなった内側の枝を間引くようにしましょう。
カキ

- 剪定時期:11月~3月
- 開花時期:5月~6月
- 収獲時期:10月~11月
カキの剪定時期は、落葉期の11月~3月です。カキは、伸びた枝の頭頂とそれに次ぐ枝に夏に花芽を形成するため、夏以降に枝先を切り落とすことのないようにしましょう。落葉期に混み合った枝を整理する他、その年実を付けた枝を剪定し、他の枝の生長を促すようにします。また、大きく立派な実を育てるように、たくさん実が付いた枝はひとつを残して摘果するようにしましょう。
アベリア

- 剪定時期:11月、3月
- 開花時期:5月~11月
アベリアは春に伸びた枝に花芽を作り、春から秋まで咲き続けるため、剪定は花が少なくなる冬に行います。温暖な地域では11月か3月、寒冷地では暖かくなり始めた3月に行うとよいでしょう。強い刈り込みに耐える性質なため、生け垣にも仕立てられます。春に伸びたシュートは放っておくと暴れて樹形を乱すので、適宜株元から切り取るようにしましょう。
ウエストリンギア

- 剪定時期:3月~7月、9月~11月
- 開花時期:3月~7月、9月~11月
ウエストリンギアは、あまり剪定時期を選びません。真夏と真冬は負担がかかるため避けるようにして、それ以外の時期に行います。梅雨から夏にかけて盛んに生長するので、梅雨に入る前に樹形を整えたり、混みあった枝を整理して風通し良く管理するとよいでしょう。
シルバープリベット

- 剪定時期:3月~7月、9月~11月
- 開花時期:5月~6月
シルバープリベットは、常緑であまり剪定時期を選びません。5月~6月に花を咲かせ、夏以降に翌年の花芽の準備に入るので、花を楽しみたいのであれば、花後早めに剪定をするようにしましょう。内側の方の日が足らず徒長した枝や枯れた枝、混みあった枝を整理しましょう。ブッシュ型の自然樹形が美しい庭木ですが、刈り込みに耐える性質なため、生け垣のように仕立てることもできます。
庭木の剪定時期とは

庭木の剪定時期とは、剪定によって負担をかけたり、開花の邪魔をすることのない時期のことです。概ね落葉樹は休眠期である冬季、常緑樹は葉が更新される春とされていますが、品種によっては例外もあります。ツバキやウメのように、剪定時期に花が咲いているものは、花が終わるのを待ってから剪定しても問題ありません。
剪定時期を間違えたからといって、急に枯死してしまうことは少ないと思いますが、次のシーズンの花を楽しむことができなくなったり、いつまで待っても実がならないというようなことになりかねません。それぞれの剪定時期を確かめて、庭木と上手に付き合っていきませんか。
剪定は、樹形を整え、美しく健やかな生長を促すためのものです。適切な時期に剪定を行って、たくさんの花や収穫を楽しみましょう。
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