アジサイ（紫陽花）とは？育て方・栽培方法｜植物図鑑

日当たり・置き場所

日当たりが良い場所から半日陰程度の風通しの良い場所を好みます。

極端な強い日差しが長時間当たる場所は、葉焼けを起こすので避けましょう。真夏以外は日当たりが良く、真夏は半日陰程度の場所が適当です。

用土

アジサイは、あまり土壌を選ばない強健な植物です。

鉢植えは、水はけが良く保水性の高い用土に植え付けましょう。

アジサイの花の色

アジサイは土壌の性質で花色を変える性質があり、ピンクの花はアルカリ性の土壌、青い花は酸性の土壌で咲きます。白系のアジサイは、土壌によって変化はありません。

出したい花色によって土壌を酸性にするのかアルカリ性にするのかを選びましょう。最近は花色に合わせてブレンドされた専用の培養土も市販されています。

水やり

地植え

根付いてからは、水やりの必要はありません。乾燥が続くような時は、様子を見て与えましょう。

鉢植え

春～秋は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと与えましょう。水切れや乾燥は、株が弱ったり、花が咲かない原因になります。

真夏は、土の様子をみて乾燥していたら夕方にも与えましょう。

冬場のアジサイ（紫陽花）

落葉して枯れ木のような見た目になります。見た目は枯れ木でも根は生きているので水やりは必要です。夏よりは水やりの回数は少なくなりますが、土の表面を見て乾いたらたっぷりと与えるようにします。

肥料

地植え

自然の循環ができている肥えた土ならば、特に与えなくても栽培可能です。

与える場合は、花後と寒肥として発酵油かすなどの固形タイプの有機質肥料、もしくは花用の緩効性肥料を与えます。

鉢植え

花後と寒肥として3月の芽が動き出す直前に緩効性肥料を与えます。

病害虫

害虫

ハダニ、アブラムシ

アジサイハバチ
早春の頃からアジサイの葉を食害します。葉に穴があいていたら、葉裏にアオムシ状の白い虫が必ずいます。発見が遅くなると株全体の葉が穴だらけになるので、葉をよく観察して早めに対策を取りましょう。早めに気づけば捕殺で撲滅可能です。

病気

うどんこ病

選び方

葉に傷みがないものを選びましょう。アジサイは、咲き始めから咲き終わりの経過中、色に変化がある花です。つぼみや咲き進んだ色を確認して購入するとよいでしょう。

アンティークカラー系のアジサイは、買った時点で色合いが変化している過程である可能性もあります。翌年の咲き始めの色が買った年とまったく違う色になることがあります。

植え付け

植え付け適時は、落葉期です。次第に丈、幅とも大きくなるので、隣の植物との間隔は余裕をもって植え付けましょう。

根鉢のサイズの2倍程度の幅と深さの穴を掘り、元肥として腐葉土や堆肥（もしくは緩効性肥料）を土に混ぜ込んで植え付けましょう。

植え付けたらたっぷりと水やりを行います。植え付け直後はぐらつきやすいため、しばらくは注意深く様子を見るようにしましょう。

剪定・切り戻し

アジサイは剪定しなくても咲きますが、剪定しないと次第に花の位置が目線より高くなるため、観賞しやすい丈に剪定していくのが一般的です。

また、自然に花が散らないので、取り去る作業が必要です。翌年の花芽ができる秋前の7月中に剪定を済ませるようにします。

アジサイ（紫陽花）の剪定方法｜通常

1．花から2～3節下の脇芽が出ている上で剪定します。花が咲かなかった枝は、切らずに残します。剪定後、脇芽が茎になっていきます。

2.冬から翌年の新芽が動き出すころに完全に枯れこんだ枝があればその部分を剪定します。

アジサイ（紫陽花）の剪定方法｜強剪定

通常の剪定をし続けていると次第に樹高が高くなるので、花を観賞しやすい丈に仕立てることを強剪定と言います。

強剪定は、株全体を半分もしくは三分の一程度、全体的に切り戻します。ただし、強剪定をした翌年は、花が咲かない可能性が高いので、最低でも3年はあけたほうがよいでしょう。

強剪定は、毎年行う剪定方法ではありません。いっぺんに咲かなくなるのを避けるために、2年から3年かけて半分または三分の一ずつ行うとと、花を楽しみつつ数年かけて丈を低くすることができます。

植え替え・鉢替え

植え替え適期は、落葉期です。

ただし、運搬などの都合上、株に対して小さな鉢に植えられていることが多いため、購入初年度は花後の剪定の際に一回り大きな鉢に植え替えた方がよい場合もあります。極端に少ない土だと、真夏に水切れを起こしやすくなるので注意しましょう。

花

5月～7月にかけて青、紫、ピンク、白、グリーン、複色の花が開花します。

花の終わりの目安

アジサイの花はバラや桜のように「散る」ということがないので、剪定をしない限り枝にずっと花がついている植物です。そのため、どの状態が見頃が終わったのかが、わかりにくい特徴があります。

西洋アジサイの花の終わりは、ガクの中に隠れている小さな花が開き、全体的にガクの色が褪せたころが花の終わりの目安です。

ガクアジサイは、花が終わるとガクが裏返ってうつむきます。色も全体的に褪せたアンティークカラーになったころが終わりの目安です。

収穫

花は切り花として楽しむことができます。

秋色系のアジサイは、ドライフラワーとして楽しむこともできます。

夏越し

アジサイは、水分を好む植物です。鉢植えは、真夏の水切れに注意しましょう。何度も水切れを起こすと、翌年に花が咲かない原因になります。

冬越し

アジサイは、秋に落葉し冬は枯れ木のような見た目になります。

鉢植えは、冬場も水やりを忘れないようにしましょう。

増やし方（株分け、挿し木、葉挿しなど）

挿し木で増やすことができます。

挿し木の用土
赤玉土、鹿沼土、川砂、パーライト、バーミキュライトなどが適しています。枝を挿す前に、水をたっぷり含ませておきます。

アジサイ（紫陽花）の挿し穂の作り方

今年花が咲かなかった枝、花が咲いた枝、どちらでも使えます。

今年花が咲かなかった枝

上の葉は水分の蒸発を防ぐため、半分に切ります。

今年花が咲いた枝

花をカットし、下の葉をすべて取ります。

上の葉は、水分の蒸発を防ぐために半分に切ります。

元気な脇芽が出ている枝を使うと成功しやすくなります。

発根するまでの管理

明るい日陰に置き、土が乾燥しないように適度に与えます。挿し木がうまくいくと、1か月くらいで発根します。それ以降は普通の肥料入り培養土に植え替えましょう。