- ヤブコウジは十両とも呼ばれる、赤い実を付けるサクラソウ科の常緑低木です。藪柑子という名前は、ミカンの一種の柑子に似て、藪に生えているのが由来です。江戸時代にはさまざまな葉の特徴の品種が作出され、斑入りなどの美しい品種は高額で取引されたこともあった古典植物です。現在でも十両という名前から万両や千両とともにお正月の縁起物として扱われています。 樹高は15cmから大きくてもせいぜい30cm程度です。自生種は山の藪のような場所に群生していることが多く、庭木としては寒さや日陰にも耐えるため、下草、庭園のグランドカバー、盆栽などに利用されています。 7月~8月にうつむきがちに白い花が開花します。大きくなっても30cm以内の樹高のため、下を見ながら歩いていないと気付かないことも。花が終わると結実し、晩秋から冬の足元を華やかに彩ります。 主に和風の庭に利用されますが、斑入り種は洋風の庭の暗くなりがちな日陰のグランドカバーとして使っても効果的な素材です。


































